弊社が、株式会社ワンズマインド様から依頼を受け、「動画配信システム・動画配信サービスの構築方法」に関する記事の監修を担当しました。
同タイトルに対する弊社の評論は以下の通りとなります。
<弊社評論>
動画配信システムを構築する際の注意点は以下の3点です。
(1)動画コンテンツの収納と送信
(2)長時間かつ広帯域を占有する動画コンテンツの配信処理
(3)同時接続時が急増したときの対処
それぞれについて詳説します。
(1)動画コンテンツの収納と送信映像を伴う動画は、通常の画像データなどと比較してファイルサイズが大きくなります。ファイルサイズは、エンコード方式、画面サイズ、ネットワーク(NW)帯域等によって変動するものですが、一例をあげると帯域1Mbps、約0.5時間のファイルの場合、約250MBを必要とします。
ここで重要なのはこの約250MBは1本の動画ファイルのサイズです。Youtubeのような膨大な動画ファイルライブラリを持つシステム(プラットフォーム)では、それ相応のストレージを用意する必要があります。
(2)動画コンテンツの配信処理動画ファイルの配信はNWを広帯域かつ長時間占有します。一例ですが、帯域1Mbpsの動画を配信する場合、NWが100Mbpsであれば同時に100本の配信ができると考える人もいると思いますが、実際には同NW上にその他のトラフィックも走行しますので、さらに少ない本数しか送れない可能性が高いです。動画配信システムを構築する場合、配信処理はとても大切な要素になりますので、NW回線、ルータ、スイッチ等をしっかりと選定する必要があります。
(3)同時接続時が急増したときの対処 動画配信システム上に動画コンテンツが充実してくると、それに合わせて利用ユーザも増えてきます。しかしながら通常、全ての動画コンテンツが同じ回数視聴されることはなく、人気動画と不人気動画に分かれてくるでしょう。
このような条件下、全配信サーバ上に全動画ファイルを格納すると膨大なストレージ容量が必要になります。さらには動画ファイルを更新する際にも全配信サーバ上にファイルをコピーする必要があり、とても大変です。このような事態を防止するためには、サーバをオリジンサーバとキャッシュサーバに切り分けて構成することが有効と考えます。
オリジンサーバ上には、全動画ファイルを格納、キャッシュサーバ経由でリクエストを受け付け、該当するコンテンツを送信するようにします。キャッシュサーバでは、クライアントからリクエストを受け付け、当該サーバ内にコンテンツが存在すればそちらを返します。
もしコンテンツが存在しないときにはオリジンサーバに接続し、そこからコンテンツを取得してクライアントに送信するとともに、サーバ内にキャッシュを作ります。これによって上記に対する有効打となる他、負荷分散を行うことができます。
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