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システム開発の見積もり方法を現役エンジニアが解説。ポイントや注意点も紹介

株式会社GeNEE_御見積書

システム開発を発注する際の前段階にあるのが見積もり依頼です。お客様とお話をする中で、「見積書の見方がいまいちわからない。」、「知り合いのシステム開発会社に依頼したものの、それらが高いかどうか分からない。」、「システム開発会社によって見積もりの内容や金額が異なるのはなぜか。」といったご質問をよくいただきます。

そのようなお悩み、疑問をお持ちの方向けに、本記事ではシステム開発の現役プロジェクトマネージャーとシステムエンジニア監修のもと、お見積りの内訳や金額感についてご説明できたらと思います。

本記事の中には、見積もりを依頼する際に注意すべき点も含めておりますので、記事を最後までご覧いただくと、今後の購買発注業務に役立つのでは、と考えております。

 

システム開発のお見積りをする際の前提知識

システム開発手法は何を採用するか

システム開発のお見積りを行う前に、ご理解いただきたい点がございます。それは、「依頼の仕方」や「提供する資料や情報」によって、お見積りの内訳や金額感が大きく変わる可能性があるということです。「X開発会社に依頼したら600万だったけど、Y会社に依頼したら900万円だった。」というようなお話は珍しいことではありません。

発注者の立場からすると、どの見積書が正しいのか頭を悩ませてしまうかもしれませんが、実はそれは当たり前のことなのです。技術の発展に合わせて、システム開発の手法も様々になってきており、現代ではシステム開発手法は以下のようなものがあります。

 

・ノーコード開発

・ローコード開発

・フルスクラッチ開発(オーダーメイド開発)

 

一つずつ見ていきましょう。プログラミング技術を一切必要としない開発手法、その名の通り「ノーコード開発」と呼ばれています。ノーコードはテック系のエンジニア(技術者)が要りません。Google ChromeやSafariといったブラウザのGUI上で部品(パーツ)のようなものをぽちぽちと配置して開発を行います。そのため、プログラミングの知識はほとんど必要ありませんし、プログラムを作ることもありません。ノーコード開発のメリットとしては、短期間かつエンジニアの技術費や人件費がかかりませんので、コストをかなり安く抑えることができます。ただその反面、複雑な機能実装・機能開発ができませんので、あくまで試験的に簡素なシステムを作ってみたい場合におすすめの開発手法になります。

続いてローコード開発です。ローコード開発は、可能な限りソースコードを記述せずに、システムやアプリを迅速に開発する手法やその支援ツールを指します。ノーコード開発と同じように、基本はGUI上で視覚的な操作を行い、画面部品やロジック部品を組み立てていきます。ローコード開発の開発のメリットとしては、フルスクラッチ開発と比較して開発速度が速い、技術的な知見やノウハウが要らない、などがあげられます。一方のローコード開発のデメリットとしては、ツール利用による制約を受けることです。フルスクラッチ開発では、全ての機能をオーダーメイド形式で作るため、クライアントの些細な要望にも柔軟に対応することが可能ですが、ローコード開発の場合、運営会社が提供する部品を組み立ててシステムやアプリを作っていくため、運営会社側があらかじめ用意した部品やデザイン、機能しか使うことができません。クライアントがもしシステムやアプリに対して強いこだわりや願望を持っている場合、それらを叶えることは難しく、イメージしていたものとは全く違うものが出来上がる可能性があります。

処理速度や機能開発の柔軟性を持たせるためにフルスクラッチと呼ばれるオーダーメイド型の開発手法があります。こちらは、開発基盤やネットワーク環境の調整を行うインフラエンジニア、ユーザ側の画面やインターフェースを開発するフロントエンドエンジニア、ログイン機能や予約機能等の動的要素を開発するバックエンドエンジニア、iOSやAndroidといったスマホアプリが絡んでくる場合には、それぞれの開発言語を得意とするiOSエンジニア、Androidエンジニアの稼働が必要になります。中規模~大規模なシステムやスケール(規模拡大)を目指すスマホアプリサービスの場合、PDCAサイクルを柔軟かつ高速に回転させる必要があり、そのような会社のほとんどがこのフルスクラッチと呼ばれるオーダーメイド開発を選択しています。

このように、どのような開発手法を選択するかによってお見積りの内容や金額感に大きな差が発生するのです。

 

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システム開発の範囲は明確になっているか

発注者側がシステム開発会社にもし仮に要望を事細かな説明をしたとしても、以下のような理由により、お見積り金額が乖離する場合がございます。

 

理由1:開発する機能や品質は開発会社によって異なる可能性がある

理由2:開発会社によって開発範囲(開発スコープ)の捉え方が異なる可能性がある

 

まず理由の1つ目です。おそらく大半の発注者様は、企画・構想の段階から予算感を確認するために、お見積書の依頼をされていると思います。企画・構想の段階では具体的な機能、品質水準が曖昧なため、最終的な完成形はイメージできていないことが多いと思います。開発会社との打ち合わせの中で、ある程度システムの全貌が見えてくると良いのですが、具体的な要件が明瞭に分からない以上、システムの機能や仕様の一部はどうしても開発会社の推測が入ってしまいます。そのため、必要最小限の機能や品質をベースに見積書を作成する開発会社もあれば、「永く使用される良いシステムを開発したい。」と考え、最先端の技術実装や組み込みを行う前提で提案してくる開発会社もあり、結果としてお見積り金額に差異が生まれてくるのです。

 

理由の2つ目は、開発範囲の捉え方です。例として、Webシステムを上げますと、システムのデザインや付随する(可能性のある)LPサイトやデザインカンプの制作まで開発範囲に含めるのか、また開発するWebシステムはスマホやタブレットにも対応させるのか、レスポンシブデザインを採用するのか、どのブラウザ(Google Chrome、Microsoft Edge、Safari、Firefoxなど)のどのバージョンまで対応させるか、画面インチはどの程度まで対象とするか、によってかかる開発工数は変わってきます。初期のお見積り価格の提示が安い開発会社は、上記のような対応をしていない可能性が多いでしょう。

 

システム開発のお見積りの内訳

お見積りの内訳とは

本章では、システム開発のお見積りの内訳について説明をしていきます。弊社のようなフルスクラッチ開発を行うシステム開発会社の場合、長期プロジェクトによってはお見積書の内容がとても複雑になります。本記事では、読者の方にすっと理解いただけるように、シンプルなお見積書サンプルを作成してみました。以下のお見積書サンプルを使用しながらお話を進めていきたいと思います。

GeNEE_お見積書内訳イメージ

 

こちらは実際に使用しているものではありませんが、システム開発のざっくりとした工程と開発期間、プロジェクトに携わるスタッフの単金を記述し、結果として、開発フェーズⅠにいくらかかるのか、その後の追加開発フェーズⅡでいくらかかるのか、が明確になっています。弊社も色々な開発会社と繋がりがありますが、このシステム開発に関する見積書の記述は会社によってさまざまです。

開発に掛かる費用を全て説明するのは難しいですが、実際にどのようなものがあるのか、についても少しだけ触れておきましょう。

 

・システム調査費用

・要件定義費用

・ディレクション費用

・基本設計/詳細設計費用

・UI/UXデザイン費用

・プログラムの開発/製造費用

・試験費用

・導入サポート費用

・保守運用サポート費用

 

などがあげられます。

 

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システム調査費用

現行使用されているシステムの規模が大きいと、仕様確認、設計確認の作業が必要になります。また市販のパッケージソフトウェアなどとAPI連携している場合には新しく開発するシステムと連携させるかなど、しっかりと確認・検証しなければなりません。※こちらは既存の開発会社から新しい開発会社に変更する場合などに必要になってくる費用です。

 

要件定義費用

要件定義とは、発注者側の要望を実現するために必要な機能要件、非機能要件、デザイン要件などを明確にし、定義書としてまとめる作業です。正式にシステム発注をした後に行われる作業で、具体的には以下のような項目について取り決めます。

 

・対象とする具体的機能(非機能/デザイン含む)

・使用する技術

・マイルストーン

・プロジェクト体制(開発体制)

 

要件定義では、発注者とシステム開発会社間で「具体的に何を開発するか」を確定させます。要件が不明確な状態で開発工程に入ってしまうと、後々トラブルが起きる可能性が高くなります。そのための事前取り決め、調整に掛かる費用とご認識いただけたら良いかと思います。プロジェクトによって様々ではありますが、要件定義工程にかかる費用は、開発費総額の10~15%前後になることが通常です。一例をあげますと、1,000万円のプロジェクトであれば要件定義にかかる費用は100万円から150万円ほどになるでしょう。(要件が全く固まっていない状態や企画構想から支援に入る場合は除きます。)

 

ディレクション費用

ディレクション費用は主に以下の細目で構成されています。

 

・発注者側のプロジェクトマネージャーや担当者とのやり取り

・プロジェクト全体統括及び進捗管理

・定例会やミーティング対応

・ドキュメント作成

 

システム開発会社によっては、ディレクション費用という名目ではなく、「プロジェクト管理費用」や「進行管理費用」としているケースもあります。中身としては、開発プロジェクトを統括する「プロジェクト・マネージャー」や「ディレクター」の費用と考えてください。

プロジェクトに参画するメンバーが増えると、それに比例して管理コストも膨らみます。そのため、「開発総額の〇%」というような料率で見積りを行うことが多いです。ディレクション費用もプロジェクト全体の10~15%前後の料率になります。

 

基本設計・詳細設計費用

続いて基本設計・詳細設計費用です。基本設計は、発注者側が見てもわかるように作られた設計書を作ることを指し、詳細設計はプログラマー向けに作る設計書になります。要件定義で確定した内容を基にしてシステムに実装する機能やデータの受け渡し方法等を整理していきます。設計に関わる費用は、基本設計と詳細設計を合わせて、開発費総額の10~25%の範囲に収まることが通常です。ただ、大手金融機関で使用される勘定系システムのような大規模なものだと、設計の複雑さから開発工程と同等程度の設計費用がかかるケースもございますので、要件定義費用と同様に、あくまで参考程度にご認識いただけたらと思います。

UI/UXデザイン費用

こちらのUI/UXデザイン費用は、主としてユーザインタフェースのデザイン制作にかかる費用となります。このユーザインタフェースは、実際にシステムを利用する方向けの画面イメージを指しています。UI/UXデザイン費用の細目としては、以下のようなものがあげられます。

 

・WF(ワイヤーフレーム)の制作

・ロゴやアイコンの制作

・デザインカンプの制作

・既存画面を前提としたUI/UX改善提案

・その他デザイン面全般の改善提案

 

ビジュアル的にかっこいいシステムであっても操作性や視認性が低いと利用者のユーザビリティは上がりません。使いやすくてパッと見ただけでも使い方が分かる、そのためにUI/UXデザイナーが配置されると思ってください。余談ではありますが、デザイン制作会社にデザインのみを依頼する場合、以下のようなお見積りになるケースもございます。

 

・画面数やページ数でお見積りを作成する

・人日単金、人月単金でお見積りを作成する

 

弊社はデザイン制作もワンストップで受け付けしておりますが、デザイン会社からシステム開発の依頼を受ける場合、「デザインは自社で担当します。」といったご依頼をされるケースもありました。

 

 

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プログラムの開発/製造費用

プログラムの開発には、開発に携わるシステムエンジニア、プログラマー、UI/UXデザイナーなどの技術者に対する人件費を指しています。通常、開発全体の50~60%前後がこのプログラムの開発/製造費用になります。開発に必要な人員数を計算するために、「人月(にんげつ)」や「人日(にんび)」といった単位を使用します。例えばですが、システム開発に1カ月1人の人員稼働が必要な場合は1人月、1カ月3人の人員稼働が必要な場合は3人月、といった感じです。

もう少し具体的な例を出しますと、Aプロジェクトにシステムエンジニア1名、プログラマー3名、UI/UXデザイナーが1名参画する場合、人月単価が全人員共通で80万円、プロジェクト期間が2か月と仮定すると、5人×80万円×2か月で計算され、開発費用は800万円となります。プログラムの品質確認等をしっかり行う開発会社であれば、さらにQAテスターと呼ばれる人件費も加算されます。

またシステムの規模感や実装する機能の難易度などによって必要な人員数、開発期間は変わりますので、精緻なお見積りが必要な場合、「どのようなシステムを作りたいのか」をある程度社内で明確にし、その企画や構想をシステム開発会社に伝える必要があります。

試験費用

プログラムの開発工程を経て、試験工程に入ります。試験はいくつかに分かれます。単体試験、結合試験、総合試験、そして運用開始前に行う受入れ試験になります。一つずつ見ていきましょう。まずは単体試験です。こちらは画面単位もしくは機能単位にシステムを切り分けてそれぞれが正常に動作するか、確認・検証する作業になります。単体試験を終えた後、後工程の結合試験に入ります。結合試験では、他の画面や機能を一つのシステムとして連動・結合させ、正常にシステムが動作するかを検証します。単体のプログラムでは正常に動作していたものの、結合後にバグ(不適合)が発生するというのは往々にして起きるものです。それらはシステム内のデータの受け渡しやロジック、処理などに問題を起こしてエラーを吐いています。この結合試験後に行うのが総合試験です。総合試験では、実際のシステム運用を想定して、システム全体の動作確認・動作検証を行います。総合試験が完了した後、受入れ試験として、お客様に仕様通りに動作するかを確認いただきます。これが試験工程の一連の流れとなります。

試験費用の見積金額の目安ですが、ざっくりですが、開発費総額の5%から10%くらいになります。

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導入サポート費用

導入サポート費用ですが、こちらは完成したシステムを動かす前の初期設定作業料、操作マニュアルの制作費用、操作レクチャーなどの説明会を開く場合にかかってくるものです。既存システムがあり、移行を前提とする場合はその分導入サポート費用も金額が高くなります。こちらもサポートの手厚さによって違いは出てきますが、概ね開発費全体の1%~5%が一つのお見積りの目安となるでしょう。

 

保守運用サポート費用

システムは開発して終了するものではありません。開発してからが本番になってきます。システムを上市した後も適切に運用・保守作業を行っていく必要があります。ここでの運用とは、開発したシステムを継続的に安定稼働させるために、管理・監視を行うことを指しています。もう一つの保守とは、システム上何かしらのトラブルが発生した際に原因調査を行い、システムを復旧・修復する作業を指しています。保守・運用監視サポート費用は、保守の内容にもよりますが、通常では開発費総額の15%~20%になります。500万円で開発したシステムであれば年間保守・運用監視サポート費用は約75万円~100万円になります。

 

システム開発をお見積りする際のポイントと注意点

こちらでは、システム開発会社にお見積りを取る際のポイントと注意点について説明します。お見積りの際、こちらを実際に意識いただくことで、システム開発発注時の失敗がかなり抑えられるはずです。

 

・お見積りを取る前に、システムのイメージをしっかりと固める

・可能であればRFP(提案依頼書)として作りたいものをまとめる

・システム発注の担当者を明確に決めた上、責任を持って対応させる

・分からない項目が浮上したら必ず質問する

・金額だけでシステム発注先を決めない(安さを基準にすると必ず失敗する)

・しっかりと時間に余裕を持ってお見積りを取る

 

システム開発のお見積りに関するまとめ

システム開発会社からの見積書の内容は一社一社異なるものです。完成品の自動車や家電製品とは異なり、お客様から一社一社の要望を受けて見積書を一枚一枚作成しますので、これは当然のことなのです。下記が本記事のまとめとなります。こちらを意識した上、お見積りを取るようにしましょう。

<基礎知識>

・システム開発手法とその違いについて理解する

・システム開発の範囲を可能な限り具体化する

<お見積書の内容>

・システム調査費用 ※既存システムがある場合

・要件定義費用

・ディレクション費用

・基本設計/詳細設計費用

・UI/UXデザイン費用

・プログラムの開発/製造費用

・試験費用

・導入サポート費用

・保守・運用監視サポート費用

です。「お見積書の見方が分からない。」、「もっと詳しく教えてほしい。」といった方がいらっしゃいましたら下記問い合わせフォームより、お気軽にご連絡いただけたらと思います。

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終わりに

本記事はこちらで以上となります。いかがだったでしょうか。AIやIoTの発展とともに、昨今のシステム開発では機能性、複雑性が増しており、それらに合わせてお見積りの内容も難しいものになってきています。プロジェクト開始後に発注者と受注者間でトラブルが起きませんように、関係者間でしっかりとコミュニケーションを取ることが大切です。

システム開発の経験がない方や少ない方、社内決裁や稟議を通すことに自信がない方は、企画・構想の段階から開発会社に協力をお願いすると良いでしょう。

 

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お客様のご要望通りに開発することを良しとせず、お客様と共に伴走しながらビジネス全体にとっての最適な解を模索しながら、プロジェクト全体を推進する、ビジネス×テック(技術力)×デザインの三位一体型システム開発/アプリ開発会社です。DXやIT全般に関して、何かお困りのことがございましたら下記の「GeNEEへのお問合せ」フォームからお気軽にご連絡いただけたらと思います。

 

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