公開日:2024.01.08 更新日:2024.01.08

VB.NET(Visual Basic)とは?他プログラミング言語との違いや特徴、将来性について現役のシステムエンジニアが詳しく解説

GeNEE_VB.NETとは何か

VB.NET(Visual Basicを略してVBと呼びます。)は、デスクトップアプリケーションやウェブアプリケーション、モバイルアプリケーションの開発まで、幅広く使われているプログラミング言語です。非常に多くのサービスがVB.NETで動作しています。

本記事では、VB.NET(Visual Basic)の他開発言語との違い、特徴、将来性についてわかりやすく解説します。

VB.NET(Visual Basic)とは

VB.NETは米国・Microsoftによって開発されたプログラミング言語で、Visual Basicの後継言語です。この言語は.NETフレームワーク上で動作し、特にWinsowsアプリケーションの開発に適しています。その利用のしやすさと多機能性により、世界中の開発者に広く使われています。

VB.NETの基本概要

VB.NETは、初心者からプロフェッショナルまで幅広い開発者に好まれている言語です。その主な特徴は、直感的な構文、強力な開発環境、そしてMicrosoftの広範なサポートにあります。先述の通り、VB.NETは、デスクトップアプリケーションだけでなく、Webアプリケーションやモバイルアプリケーションの開発まで、幅広い用途で使用されています。

VB.NETの歴史と進化

VB.NETは、2002年にMicrosoftによって初めてリリースされました。Visual Basicの後継として開発され、オブジェクト指向プログラミングをサポートし、より高度なプログラミングが可能となりました。時間を経て、VB.NETは継続的に改良され、最新のテクノロジーとの互換性を維持しています。

VB.NETの主な機能とプログラミング環境

VB.NETの主な機能には、強力な型チェック、豊富なライブラリ、そしてユーザーフレンドリーなIDE(統合開発環境)が含まれます。Microsoft Visual Studioを使用することで、開発者は直感的なインターフェースを通じて効率的にソースコードを記述でき、デバッグすることができます。また、VB.NETはウィンドウズフォーム(デスクトップアプリケーションを作成するためのものです)、ASP.NET(ウェブアプリケーションを作成するためのものです)、Windws Presentation Foundation(WPF、より高度なユーザーインターフェースを持つアプリケーションを作成するためのものです)など、多種多様なプラットフォームに対応しています。これによりエンジニアはVB.NETを使ってさまざまな種類のアプリケーションを作ることができるのです。

 VB.NETの主な用途と活用例

VB.NETはその多様性により、さまざまな分野でのアプリケーション開発に利用されていますが、以下にその詳細を解説します。

デスクトップアプリケーション

VB.NETは、Windowsデスクトップアプリケーションの開発に広く使用されています。そのユーザーフレンドリーな設計と強力なWindowsフォームライブラリのおかげで、カスタマイズ可能なUIを持つ効率的なアプリケーションを簡単に作成できます。例えば、会計ソフトウェアや在庫管理システムなど、ビジネスの特定のニーズに合わせたアプリケーションがこの言語で開発されています。

ウェブベースアプリケーション

ASP.NETとの統合により、VB.NETはウェブアプリケーションの開発にも適しています。この組み合わせにより、安全かつスケーラブルなウェブサイトやウェブサービスの構築が可能になります。例としては、オンライン予約システムや教育プラットフォームなどがあります。

データベース管理

VB.NETは、データベースアプリケーションの開発においても有用です。SQL ServerやAccessなどのデータベースとの高い互換性を持ち、データベース駆動型のアプリケーションを簡単に作成できます。このようなアプリケーションは、顧客情報の管理や販売データの分析に利用されます。

エンタープライズソリューション

大規模なビジネスにおいても、VB.NETはエンタープライズソリューションの開発に活用されています。この言語の柔軟性と.NETフレームワークの強力な機能により、複雑なビジネスプロセスや大規模なデータ処理を扱うアプリケーションの開発が可能です。例えば、在庫管理システムや人事管理システムなどがこれに含まれます。

GeNEE_VB.NETと他プログラミング言語との特徴比較

VB.NETと他開発言語の違い

本章では VB.NETと他開発言語の違いについて詳しく見ていきます。

デスクトップアプリケーション開発:VB.NET vs C#

デスクトップアプリケーション開発では、VB.NETとC#は共に.NETフレームワークを利用しますが、主な違いは構文とアプローチにあります。VB.NETはより直感的で読みやすい構文を提供し、初心者には特に親しみやすいです。一方、C#はVB.NETと比較すると、よりコンパクトで厳密な構文を持ち、複雑なアプリケーションの開発に適している言えます。

前述のC言語について、下記の別記事で纏めております。ご関心ある方は以下の記事も合わせてご覧ください。

ウェブベースアプリケーション:VB.NET vs Java

ウェブアプリケーション開発では、VB.NETとJavaの主な違いはプラットフォームの依存性にあります。VB.NETは主にWindows環境に最適化されていますが、Javaはプラットフォームに依存しないことで知られています。Javaは大規模なウェブアプリケーション開発に適しており、クロスプラットフォームの柔軟性を提供します。

大規模開発に強いとされる開発言語、Javaついて興味・関心のある方は以下をご覧いただけたらと思います。

データベース管理:VB.NET vs Python

データベース管理では、VB.NETとPythonをデータベース管理の文脈で比較してみると、Pythonはその多様なフレームワーク、ライブラリを兼ね備えており、またデータサイエンス領域(機械学習や深層学習など)への応用に優れています。一方、VB.NETはWindowsベースのシステムでのデータベースアプリケーション開発に強みを持ち、特にSQL Serverとの連携がシンプルなため、その点がPythonと比べた際の優位性と言えるでしょう。

統計処理やAI領域に強いPythonについて詳しく理解したい方は以下の記事をご覧になってみてください。

エンタープライズ・ソリューション:VB.NET vs JavaScript

エンタープライズ・ソリューションの開発では、VB.NETは堅牢なバックエンドシステム構築面で強みを持っています。一方、JavaScriptはフロントエンド開発との組み合わせで人気があり、特にNode.jsを用いたフルスタック開発が可能です。

Node.jsについて興味・関心のある方は以下をご覧いただけたらと思います。

ウェブ開発の柔軟性:VB.NET vs PHP

ウェブ開発では、VB.NETとPHPは異なるアプローチを取ります。VB.NETはWindowsサーバーとの親和性が高く、ASP.NETと組み合わせて使われることが多いです。対してPHPはオープンソースであり、様々なプラットフォームやサーバーでの使用に適しており、特に小規模から中規模のウェブサイト開発に広く使われています。

バックエンドの開発言語、PHPについて興味・関心のある方は以下をご確認いただけたらと思います。

VB.NETの特徴

VB.NETの特徴には以下があります。それぞれ詳しく解説します。

  • ・ユーザーフレンドリーな設計
  • ・迅速な開発プロセス
  • ・強力なフレームワークとライブラリ

ユーザーフレンドリーな設計

VB.NETは初心者にも扱いやすい設計がされています。直感的な構文と豊富なビジュアルエディタは、プログラミングの基本を学ぶのに適しています。また、エラーメッセージやデバッグツールも初学者が理解しやすいように設計されており、開発プロセスのハードルを低くしてくれています。

迅速な開発プロセス

VB.NETは迅速な開発プロセスをサポートする多くの機能を提供します。ドラッグアンドドロップのビジュアルインターフェースとコード自動生成機能により、開発者は迅速にプロトタイプを作成し、アイデアを形にすることができます。このことは、プロジェクトの開発期間を短縮し、早急にリリースすることを可能にします。

強力なフレームワークとライブラリ

VB.NETは.NETフレームワーク上に構築されており、強力なライブラリとAPIセットを提供します。これにより、データアクセス、ネットワーキング、セキュリティ、グラフィックス処理など、幅広い機能をシンプルに実装することが可能です。また、Visual Studioのサポートにより、コードの品質を向上させ、効率的な開発が可能になります。

VB.NETの将来性

VB.NETの将来性には以下があります。それぞれ詳しく解説します。

  • ・現状と業界動向
  • ・継続的なサポートとアップデート
  • ・将来への予測と展望

現状と業界動向

VB.NETは、現在も多くの企業や開発者によって使われ続けています。その背景として日本の大企業の多くがMicrosoftのPCを採用しており、Windows商品が幅広く普及していることが一つの大きな要因として考えられます。しかし、業界全体を見渡すと、新しいテクノロジーの登場、他のより柔軟性・多機能性のあるプログラミング言語の進化、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazonの頭文字を取ったグローバル大企業の略称)を含む新興勢力の台頭により、残念ながらVB.NETの使用頻度は減少傾向にあると言えます。コード保守・改修性等の観点からVB.NETからよりモダンなプログラミング言語に切替を図り、開発や改修の速度感、柔軟性、より強固なセキュリティを重視する企業が増えてきているのです。

継続的なサポートとアップデート

MicrosoftはVB.NETに対して継続的なサポートとアップデートをしています。これにより、既存のVB.NETアプリケーションは最新の状態を保つことができ、新しいWindowsバージョンや他のMicrosoft製品との互換性も維持されます。この継続的なサポートにより、VB.NETは中長期的に安定した開発環境を提供し続けることが期待されます。

将来への予測と展望

VB.NETの将来については、一部の専門家からは慎重な見方もされていますが、依然として国内の製造業を中心に信頼性の高い技術基盤としての地位を保持しています。特に、.NET 5や.NET Coreへの統合により、VB.NETはクロスプラットフォームの開発にも適用可能になる可能性があります。このような動向はVB.NETの長期的な可能性を示唆しており、特定のニーズに合わせた使い方が今後も続くことが予想されます。

まとめ

この記事では、VB.NET(Visual Basic)の基本からその特徴、他の開発言語との比較、そして将来性について詳しく解説しました。VB.NETは、そのユーザーフレンドリーな設計、迅速な開発プロセス、そして強力なフレームワークとライブラリによって、多くの開発者にとって魅力的な選択肢です。デスクトップアプリケーションからウェブベースアプリケーション、データベース管理、エンタープライズソリューションに至るまで、VB.NETは幅広い用途に対応しています。

他の言語との比較では、VB.NETが特にWindowsベースの開発において強みを持ち、初心者にも扱いやすい言語であることを解説しました。一方で、新しい技術の台頭や業界の動向を踏まえると、VB.NETの使用頻度や人気は徐々に変化しているものの、継続的なサポートとアップデートにより、VB.NETは今後も重要な役割を果たし続けると予想されます。

Webアプリケーション開発では、そのニーズや環境によって適切なライブラリやフレームワークを採用することが成功の鍵となります。Webアプリケーション開発のご要望がございましたら、ぜひGeNEEまでご相談ください。お客様のニーズや将来的な事業方針をヒアリングした上で最適な開発手法をご提案いたします。こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

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