公開日:2023.06.26 更新日:2023.06.26

Javaとはどのようなプログラミング言語か。特徴、メリット、デメリット、活用事例を紹介

Java(ジャバ)は、数あるプログラミング言語の中でも人気が高く、世界中でさまざまなシステムやソフトウェアの開発に活用されています。

本記事では、Javaの特徴やJavaで開発するメリット・デメリット、活用事例をわかりやすく解説します。

Javaとは

Javaとは、1995年にSun Microsystemsが開発したプログラミング言語です。厳密には、Javaはプログラミング言語だけでなく、その開発環境や実行環境の仕様も含んだ総称です。

当初Javaは、主にアプレット(Webブラウザー上で動作するソフトウェア)の開発で使われていましたが、次第に活躍の場を広げ、現在では大企業の業務システムや大手ECサイトのサーバーサイドシステムなどさまざまな分野で活用されています。

Javaは公開された当初から大きな注目を集め、今でも高い人気を維持している言語であり、Googleが開発に主に使用している3大言語(Java、C++、Python)の一つとも言われています。

JavaScriptは全く別の言語

Javaと名前が似ているプログラミング言語にJavaScriptがあります。名前が似ていることからJavaと混同されたり、関連があると誤解されたりすることも多いですが、JavaとJavaScriptには全く関係がありません。特徴も用途もまったく異なる別のプログラミング言語です。

JavaScriptは1995年にNetscape Communicationsによって開発されたスクリプト言語であり、当時大きな注目を集めていたJavaにあやかってJavaScriptと命名されたと言われています。

Javaの特徴

Javaには次のような特徴があります。

  • ・どのOS上でも同じプログラムで動作する
  • ・ガベージコレクションによる自動的なメモリ管理
  • ・セキュリティが高い
  • ・オブジェクト指向の言語である

どのOS上でも同じプログラムで動作する

Javaで作ったプログラムは、LinuxやmacOS、UNIXなど、どのOSでも動作できます。これがJavaの最大の特徴と言えます。

Javaが動作環境を選ばない理由は、Java仮想マシン(JVM)の存在です。JVMとは、JavaプログラムとOSの間で動作し、両者をつなぐためのソフトウェアです。JVMがOSの違いを吸収してくれるため、JVMの上で動作するJavaプログラムはどのOS上でも同じように動作できるのです。ただし、OS移植時にパフォーマンス低下やメモリ不足などを防ぐためのチューニングが必要になるケースもあります。

ガベージコレクションによる自動的なメモリ管理

Javaには、ガベージコレクションと呼ばれるメモリ管理機能があります。

ガベージコレクションは使わなくなったメモリを自動的に解放してくれる機能です。この機能により、メモリリークの発生を回避できます。メモリリークとは、プログラムで使い終わったメモリが適切に解放されないことで時間とともにメモリが不足していく現象のことです。Javaでは、ガベージコレクションによって使い終わったメモリが自動的に解放されるため、メモリリークによるメモリ不足が発生する心配がありません。

セキュリティが高い

Javaは、サンドボックスモデルと呼ばれるセキュリティの仕組みが採用されています。

サンドボックスモデルは、プログラムがファイルI/Oやネットワークなどの特定のリソースに直接アクセスすることを拒否できます。また、プログラム実行前に、コードの安全性を検証するプロセスもあります。そのため、マルウェアなどの不審なプログラムがシステム全体に影響を及ぼす事態を防げます。

オブジェクト指向の言語である

Javaはオブジェクト指向の言語です。

オブジェクト指向の言語とは、処理とデータを一つのまとまり(オブジェクト)として扱う書き方ができる言語のことです。オブジェクト指向言語であるJavaは、プログラムの再利用や拡張をオブジェクト単位で効率良く行えます。

Javaで開発するメリット

GeNEE_Java言語のメリット、デメリットとは

Javaで開発するメリットを3つ紹介します。

  • ・実行環境に縛られないソフトウェアが開発できる
  • ・安定稼働が期待できる
  • ・標準ライブラリの活用で開発期間を短縮できる

実行環境に縛られないソフトウェアが開発できる

Javaで開発したシステムやソフトウェアは、特定のOSやベンダーに縛られずに、性能やコストが最適なハードウェアやOSを実行環境として採用することが可能です。

Javaは、JVMによってどんなOS上でも同じプログラムが動作するため、一度開発したソフトウェアやシステムをそのまま別のOSに移植して動作させることが可能です。この特長は「Write Once, Run Anywhere」(一度書けば、どこでも動く)と呼ばれており、実行環境に縛られないソフトウェア開発が行えます。

安定稼働が期待できる

Javaの特徴であるガベージコレクションやセキュリティの高さにより、開発したソフトウェアは安定稼働が期待できます。

例えば、手動でメモリ管理する必要があるC言語などのシステムでは、メモリリークによりシステムが不安定になる不具合がしばしば発生します。Javaではガベージコレクションによりメモリが自動的に解放されるため、メモリリークでシステムが不安定になる心配がありません。

また、Javaで開発したシステムは、万が一マルウェアに感染してもサンドボックスモデルによりマルウェアの活動範囲が制限されるため、システム全体がダウンするような深刻な被害を回避できます。

標準ライブラリの活用で開発期間を短縮できる

Javaはさまざまな分野で幅広く活用されていることから、標準ライブラリが豊富に用意されています。この標準ライブライリを活用することで、自前でコードを書く手間を減らしコーディングの時間を短縮できます。

また、標準ライブラリは、さまざまな環境で実行され改善が繰り返されているため品質が高く、テスト期間の短縮にも貢献してくれます。

Javaで開発するデメリット

Javaでの開発には、次のようなデメリットも存在します。

  • ・ハードウェアやメモリを直接操作できない
  • ・メモリ消費が比較的大きい

ハードウェアやメモリを直接操作できない

Javaでは、ハードウェアやメモリの操作はJVMが担っています。この仕組みはさまざまなメリットを生む一方で、Javaプログラムから直接ハードウェアやメモリを操作できないといったデメリットも生んでいます。そのため、厳密なメモリ管理や細かなハードウェア制御が要求されるOS開発やゲーム機開発のような分野には、Javaは向いていません。

メモリ消費が比較的大きい

Javaで開発したソフトウェアは、他のプログラミング言語と比べてメモリ消費が大きくなる傾向があります。その原因は、JVMやガベージコレクション機能の存在です。

Javaで開発したシステムは、必ずJVMを組み込む必要があり、JVMが動作するためのメモリが必要です。また、ガベージコレクションが動作するためにも、追加でメモリが必要となります。そのため、Javaは比較的メモリ消費が大きくなってしまうのです。近年では、JVMの改良やガベージコレクションの効率化により、メモリ消費は改善されてきています。

Javaの活用事例

ここからは、Javaの活用事例を紹介します。

大規模な業務システム

Javaは、豊富な標準ライブラリを活用することで大規模な業務システムを構築できます。また、高いセキュリティや安定稼働が期待できます。そのため、銀行や証券会社、官公庁などシステムの堅牢性が重視される分野の業務システムで活用されています。

Webサイトのサーバーサイドプログラム

JavaプログラムはさまざまなOS上で動作するため、同じプログラムを多種多様なサーバー環境に適用できます。さらに、高いセキュリティや安定稼働と言ったJavaのメリットは、障害によるサーバーダウンを減らすことにつながります。そのため、大手ECサイトなどのサーバーサイドプログラムでJavaが活用されています。

Androidアプリケーション

Androidアプリケーションの開発にもJavaが活用されています。その理由は、Androidアプリケーションの公式開発環境であるAndroid StudioがJavaを主要な言語としてサポートしていたためです。現在ではKotlinもAndroidアプリの公式開発言語に採用されていますが、現存するAndroidアプリの多くはJavaで作られています。

まとめ

Javaは、さまざまな分野で活用されている人気が高いプログラミング言語です。

最大の特長は、一度開発したプログラムをさまざまなOS上で実行できる点です。また、ガベージコレクションによる自動メモリ管理や、サンドボックスモデルによるセキュリティの高さもJavaの特徴の一つです。

Javaで開発したソフトウェアは、さまざまな環境で安定稼働が期待できるため、大規模な業務システムやWebサイトのサーバーサイドプログラムなどで活用されています。また、Androidアプリケーションの開発でも長年使われてきました。

その一方で、ハードウェアやメモリを直接操作できない、システムのメモリ消費が大きいといったデメリットもあり、OS開発などの分野には向いていません。

システム開発やソフトウェア開発では、そのニーズや環境によって適切なプログラミング言語を採用することが成功の鍵となります。システム開発やスマホアプリ開発のご要望がございましたら、ぜひGeNEEまでご相談ください。お客様のニーズや将来的な事業方針をヒアリングした上で最適な開発手法をご提案いたします。

こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

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