公開日:2024.05.24 更新日:2024.05.24

システム開発における試験とは?単体試験と結合試験、総合試験の違いについて詳しく解説

GeNEE_システムテスト・システム試験とは

システム開発プロジェクトにおいて、試験は非常に重要なフェーズです。正確な試験が行われなければ、多くの問題がシステムリリース後に発生します。

本記事では、システム開発における試験の種類とその重要性について解説します。システム開発プロジェクトにおいては、単体試験、結合試験、総合試験、受入試験などが存在しますが、それぞれの試験の目的と役割に焦点を当て、これらがプロジェクト成功にどのように貢献するかを詳しく解説していきます。

システム開発における試験とは?

システム開発における、試験の概要と役割について以下で説明します。

試験の概要

システム開発における試験とは、開発したシステムが要求通りの仕様・機能を満たしているかどうかを確認するために行う重要なプロセスとなります。この各種試験工程を通じて、バグ(不具合)やエラーの発見、機能の詳細確認、そして性能検証が実施されます。試験にはいくつかの段階があり、各段階で異なる目的と試験項目が設定されます。具体的には、先述した単体試験、結合試験、総合試験、受入試験などがありますが、それぞれの試験はシステムの異なる側面をチェックするために行われます。

試験の役割

試験の役割は、単にバグやエラーを見つけることだけではありません。開発したシステムが総合的に安定して動作することを保証し、システムを利用するユーザーにとって快適で安全な使用体験を提供するために不可欠な工程と言えるでしょう。また、アジャイルと呼ばれる開発手法を採用したプロジェクトにおける試験は開発プロセスの各段階で行われることがあります。プロジェクト終盤ではなく、各段階で試験を実施することで、早期に問題を発見し、修正コストを抑える効果が期待できます。

アジャイル開発について詳細を知りたい方は以下の記事も合わせてご覧ください。

—————————————————————————————————————
アジャイル開発についてより詳しく学びたい方はこちらの記事をご参照ください。
関連記事アジャイル開発とウォーターフォール開発の違いとは?メリット・デメリットを解説
—————————————————————————————————————

GeNEE_単体試験・単体テストとは?

単体試験とは?

単体試験における、個々の部品やモジュールを対象とした試験とユニットテストについて以下で説明します。

個々の部品の試験

単体試験は、システムを構成する最小単位の部品やモジュールが、その単体として正常に機能するかどうかを検証する試験のことを指します。この段階では、個々の機能が定められた仕様通りに動作するかを重点的にチェックしていきます。例として、あるWebシステムのフォームで、ユーザーが入力したデータが適切にデータベースに格納・保存されるかどうかを試験するといったことが単体試験に該当します。

ユニットテスト

ユニットテストは単体試験の中でも特に技術的なアプローチです。各種プログラムソースコードが独立した状態で正常に動作することを検証するために、小さなテストコードを書いて実行していきます。これにより、将来的にプログラムソースコードに変更や修正が行われた際に、新しいバグが導入されていないかを迅速に確認・検証することができます。例えば、計算機能を持つアプリケーションの開発において、税率を計算する関数のユニットテストを実行することで、使用する関数が正確な結果を返かどうかを検証します。

GeNEE_結合試験・結合テストとは?

結合試験とは?

結合試験における、部品やモジュールの組み合わせの試験とインターフェースの検証について以下で説明します。

部品やモジュールを組み合わせた結合試験

結合試験は、単体試験を終えた部品やモジュール、コンポーネントを適切に組み合わせて、それらが相互に連携し合い、正常に機能するかを試験するプロセスのことです。一例を挙げますと、ショッピングカート機能と決済システムを想定した場合、ユーザーが商品を選択してショッピングカートに投入し、その後クレジットカード決済等の画面を通じて購入処理までいけるかどうかを検証する必要があります。結合試験はシステム開発プロジェクトにおいて非常に重要な工程であり、この試験を通じて、モジュール間のデータの受け渡しや、一連のプロセスがスムーズに行われているかが分かります。

インターフェースの検証

結合試験の重要な側面の一つが、異なるシステム間でのインターフェース検証です。これは、システムが外部のシステムや他のモジュールとどのように通信するかを試験することを指します。例えば、外部APIを使用して気象庁等のWebサイトから天気情報を取得し、それをアプリケーションに表示する機能を開発する場合、APIからのデータ受け取りとそれらが適切に画面表示されるかどうかを検証する必要があります。この一連のプロセスにより、実際の運用環境に近い条件でシステムが正常に動作するかを確認します。

GeNEE_システム総合試験・総合テストとは?

総合試験とは?

システム全体の試験、総合試験とエンドツーエンドテストについて以下で説明します。

総合試験はシステム全体の試験

総合試験は、システム開発の最終段階で行われる試験で、システム全体が総合的に機能するかを確認します。別称でシステムテストとも呼ばれます。これには、すべてのモジュールが統合された状態で、実際の運用環境と同様の条件下でのテストが含まれます。例として、オンラインショッピングサイト全体での一連の操作、商品検索からカート追加、購入、支払い、注文確認までの流れを検証するようなイメージを持っていただけたら良いと思います。総合試験ではシステムの信頼性を確認し、ユーザーに対して安定したサービス提供ができるかどうかを見極めます。

エンドツーエンドテスト

エンドツーエンドテストは、ユーザーの視点からシステムの全体的な動作を試験する方法です。ユーザーが行うであろう一連の操作を模倣して、システムが全体として連携して機能するかを検証します。例えば、ユーザーが実際にWebサイトを使用して情報を入力、保存し、その結果を確認する一連のプロセスをテストします。これにより、実際の使用状況においてシステムがどのように動作するかを把握し、最終的な製品がユーザーの期待に応えるかどうかを評価することができます。

GeNEE_システム開発いおける試験の重要性

試験の重要性

試験の重要性に関して、以下で詳しく解説します。

品質確保と問題発見

システム開発における試験は、製品の品質を確保し、利用者に安心して使ってもらうために不可欠です。各種試験工程を通じて、システムの不具合や潜在的な問題点を早期に発見し、修正することができます。たとえば、電子商取引のWebシステムでは、支払管理システムや決済管理システム、ユーザー登録プロセスに何かしら問題を抱えてしまうと、顧客満足度に大きな影響を与えてしまいます。ユーザーの離脱率を高めるきっかけとなってしまうでしょう。各種試験を徹底することで、これらの問題をシステムリリース前に発見し、対処することが可能になります。

早期バグ検出の重要性

早期にバグを検出することは、改修コストと時間を節約する上で極めて重要と言えます。開発の早い段階でバグが見つかれば見つかるほど、改修にかかるコストや時間は抑えられます。具体的には、初期の設計段階で論理的なエラーを見つけ出すことで、その後の開発工程で不必要な修正作業を未然に防止することができます。これは、ソフトウェアの品質を保ちながら、効率的に開発を進めるための鍵となります。

試験の段階

システム開発における試験にはいくつか段階があります。ここでは試験の段階に関して詳しく解説します。

試験の流れと各段階の役割

システム試験は、一連の段階を経て行われます。最初に単体試験が行われ、次に結合試験、そして最終的には総合試験が実施されます。各段階は、システムの異なる側面をチェックし、段階的に複雑性を増していくことで、全体としての完全性を確保します。例えば、単体試験では個々のコンポーネントが正確に機能するかを検証し、結合試験ではこれらのコンポーネントが互いに適切に連携するかを評価します。

—————————————————————————————————————
テスト計画書についてより詳しく学びたい方はこちらの記事をご参照ください。
関連記事テスト計画書とは何か。システム開発におけるテストの重要性を現役エンジニアが解説
—————————————————————————————————————

適切なテストケースの作成

効果的な試験を実施するためには、適切なテストケースを設計することが重要です。テストケースは、想定される入力とそれに対する期待される出力を明確にすることで、テストの実行時にシステムの動作を正確に評価するための基準を提供します。良いテストケースは、可能な限り多くのシナリオをカバーし、辺境のケースも考慮に入れる必要があります。これにより、システムが様々な状況で正しく機能することを保証できます。

—————————————————————————————————————
テストケースについてより詳しく学びたい方はこちらの記事をご参照ください。
関連記事システム開発における試験工程とは?具体的な成果物についても解説
—————————————————————————————————————

まとめ

この記事を通じて、システム開発における試験の種類とその重要性について詳説しました。システム開発における試験は、製品の品質を保証し、ユーザーに安全かつ効果的にサービスを提供するために不可欠です。試験の各段階を適切に実施し、効率的なテストケースを用いることにより、バグの早期発見と修正が可能となり、開発の効率化とコスト削減が実現します。

これらは最終的に、高品質なソフトウェアの提供に大きく寄与します。システムの信頼性を確保するためにも、試験プロセスの重要性を理解し、常に適切な評価と改善を行うことが求められます。このように、システム開発における試験は、成功のために欠かせない重要なプロセスです。

Webアプリケーション開発では、そのニーズや環境によって適切なライブラリやフレームワークを採用することが成功の鍵となります。Webアプリケーション開発のご要望がございましたら、ぜひGeNEEまでご相談ください。お客様のニーズや将来的な事業方針をヒアリングした上で最適な開発手法をご提案いたします。こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

人気の記事
  • メディア
  • システム開発における試験とは?単体試験と結合試験、総合試験の違いについて詳しく解説
↑