公開日:2023.07.14 更新日:2024.03.11

Node.js / ノード・ジェーエスの魅力と活用法。現役バックエンドエンジニアによるRuby、Pythonとの比較・解説付き

Node.jsが高い人気を誇る理由

Node.js(ノードジェーエス)は、2009年に開発されたプラットフォームの一種で、ブラウザ上で動作するJS(JavaScript)をサーバーサイドでも動作させることができる実行環境です。JavaScriptのランタイム環境で、非同期型のイベント駆動モデルを採用しており、複数のリクエストを同時並行的にに処理することができ、高い効率性を発揮します。また、JavaScriptを使用するため、「アプリの見た目」と「アプリの中身で行われる処理部分」の両軸を同一言語で開発することができますので、フロントエンドとサーバーサイドが別チームとして開発される場合などにNode.jsが採用されます。(その際のフロントエンドはReactやVue.jsといったJavaScriptのライブラリがしばしば用いられます。)

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Node.jsでは、非同期I/O処理によって、大量のリクエストを効率的に処理することが可能です。これらは、WebアプリやAPIの開発において非常に重要な要素であり、開発の効率性向上に大きく貢献します。また、JavaScriptの普及により、多くのエンジニアがすでにJavaScriptに関する知見やノウハウを保持しているため、その前提でNode.jsを採用する場合、学習コストを抑えることができます。さらに、NPM大規模なパッケージ生態系が存在しており、多くのライブラリやフレームワークを簡単に利用できる部分もNode.jsが高い人気を誇る理由の1つと言えるでしょう。これらによって、Node.jsはWebアプリ、Webサービスなどの開発の現場で広く導入されており、現在も注目を集めています。

Node.jsの特徴

続いてNode.jsの主な特徴について見ていきたいと思います。特徴は大きく3つございます。詳細は以下の通りとなります。

(1)非同期I/O処理:
Node.jsは非同期I/Oによって、複数のリクエストを同時並行的に処理することができます。非同期I/Oは、他の多くのサーバーサイド言語が同期処理するのとは対照的で、Node.jsが高いパフォーマンスを発揮する理由の1つです。


(2)イベント駆動:
Node.jsはイベント駆動型のアーキテクチャを採用しています。これは、特定のイベント(一例をあげますと、DBからのデータ取得など)が発生したときに特定のコードが実行され、リソースを効率的に使用し、パフォーマンスの最大化に貢献します。


(3)JavaScriptがベース:
Node.jsはJavaScriptの実行環境です。そのため、フロントエンドとバックエンドで同じ言語が使用可能になり、開発の一貫性と効率性が向上します。最近では、フロントエンドはJavaScriptのライブラリであるReactやVue.js、バックエンドはNode.jsを採用する開発プロジェクトも増えてきています。ReactとVue.jsについては、別記事でまとめておりますので、下記をご参照ください。

Vue.jsの詳細についてはこちら

Reactの詳細についてはこちら

Node.jsを導入する利点

Node.jsの導入は、特にWebアプリやWebサービス開発の領域でその利点を発揮します。以下に、開発における主な問題に対するNode.jsの利点について詳しく説明します。

(1)I/Oのブロッキング:
従来の同期型サーバーでは、一つのリクエストが処理されるまで他のリクエストは待機状態になります。これは、リソースを非効率的に使うだけでなく、パフォーマンスにも影響を与えます。Node.jsは非同期I/Oを採用しており、これにより複数のリクエストを同時に処理します。

(2)言語の一貫性:
従来の開発の現場では、フロントエンドとバックエンドでは異なるプログラミング言語が採用されており、それらが開発業務をより複雑なものにしていました。Node.jsはJavaScriptを使用することで、フロントエンドとバックエンドで同じ言語を用いることを可能とし、開発の一貫性と効率性の向上を実現しました。


(3)リアルタイム通信アプリの開発:
先述しました通り、Node.jsはイベント駆動型のアーキテクチャを採用しており、これによりリアルタイム同期が必要なアプリの開発が容易になりました。一例をあげますと、LINEのようなチャットアプリや相互通信が走るゲームアプリなどです。

Node.jsが用いられる実際の開発案件例

次に、Node.jsが実際のプロジェクトでどのように使用されているのか、具体的な事例を挙げて説明します。

(1)リアルタイムチャットアプリ:
Node.jsは、リアルタイムのデータストリーミングが必要なアプリケーションの中でも、特にリアルタイムチャットアプリの開発に非常に適しています。非同期I/Oとイベント駆動の特性により、Node.jsは大量の同時接続への効率的な処理が可能なためです。これにより、ユーザー間でのリアルタイムのコミュニケーションをスムーズに実現させます。

(2)APIサーバ:
Node.jsは、RESTful APIサーバの開発にも広く使用されています。Node.jsの高速な実行速度と非同期処理の能力により、大量のリクエストを高速に処理します。また、JavaScriptを使用するため、JSON形式のデータの扱いも得意とします。

(3)リアルタイムコラボレーションツール:
Google Docsのようなリアルタイムのコラボレーションツールも、Node.jsのリアルタイム処理能力を活用しています。複数のユーザーが同時にドキュメントを編集するとき、Node.jsはすべての変更をリアルタイムで他のユーザーに反映します。

(4)サーバーサイドレンダリング:
ReactやVue.jsなどのJavaScriptフレームワークと組み合わせて、Node.jsはサーバーサイドレンダリング(SSR)にも使用されます。SSRは、初期のページロード時間を短縮し、SEOを改善するために重要です。

Node.jsが実際のプロジェクトでどう使用されているかを紹介しました。その高速性、スケーラビリティ、そしてリアルタイム処理能力により、Node.jsは多くの異なるタイプのアプリ開発に適していると言えるでしょう。

上記で触れたSEOについてご関心のある方は、「SEOとは?SEOタイムズ」の記事も合わせてご確認ください。

Node.jsのメリットとデメリット

続いて、Node.jsのメリット、デメリットについて詳しく説明します。まずはメリットからです。

(1)高速性:
Node.jsはGoogle ChromeのV8 JavaScriptエンジン上で動作し、高速な実行速度はNode.jsの大きな利点の一つです。これにより、リアルタイムアプリケーションや大量のリクエストを処理するAPIサーバーなど、パフォーマンスが重要なアプリケーションの開発に適しています。

(2)非同期I/O:
Node.jsの非同期I/Oは、大量の同時接続を効率的に処理が可能です。これは、リアルタイムチャットアプリやストリーミングサービスなど、リアルタイムのデータ処理が必要なアプリケーションの開発に特に有用です。


(3)JavaScript basedな開発:
Node.jsはJavaScriptを使用しており、これによりフロントエンドとバックエンドで同じ言語を使用できます。これは開発の一貫性と効率性を向上させ、開発者の学習コストを削減します。

続いて、Node.jsのデメリットについても触れておきたいと思います。


(1)シングルスレッド:
Node.jsはシングルスレッドモデルを採用しています。これは、一度に一つのタスクしか処理できないという意味で、CPU集約的なタスク(たとえば、画像や動画の処理)には不向きです。


(2)コールバック
Node.jsの非同期処理はコールバック関数を使用しますが、このコールバック関数が増えてくると、コードの可読性と管理性が低下します。ただし、Promiseやasync/awaitなどのモダンなJavaScriptの機能により、この問題は大幅に軽減できる可能性があります。


(3)不安定なAPI:
Node.jsのAPIは比較的新しく、頻繁に更新されるため、一部のAPIは不安定であり、互換性の問題が発生する可能性があります。

これらのメリットとデメリットを考慮に入れると、Node.jsは特定のタイプのプロジェクトには非常に適していますが、すべてのプロジェクトに最適な選択肢とは限らないため、特性を正しく理解し使用することが重要です。

Node.jsと他の技術との比較

Node.jsと他の人気のある技術(Python、Ruby)との比較を行います。

(1)Node.js 対 Python


パフォーマンス:
Node.jsは非同期I/Oとシングルスレッドモデルを採用しており、大量の同時接続を効率的に処理できます。一方、Pythonはマルチスレッドモデルを採用しており、CPU集約的なタスクにはNode.jsよりも適しています。


開発速度:
Pythonはシンプルで直感的な構文を持っており、初心者にとって学びやすい言語です。
一方、Node.jsはJavaScriptを使用しており、フロントエンドとバックエンドで同じ言語を使用できます。


用途:
Pythonはデータ分析、機械学習、AIなどの分野で広く使用されています。
一方、Node.jsはリアルタイムのWebアプリケーションやAPIサーバーの開発に適しています。

(2)Node.js 対 Ruby


パフォーマンス:
Node.jsは非同期I/Oとシングルスレッドモデルを採用しており、大量の同時接続を効率的に処理できます。一方、Rubyはマルチスレッドモデルを採用していますが、GIL(Global Interpreter Lock)の存在により、同時に一つのスレッドしか実行できない制限があります。


開発速度:
RubyはRuby on Railsという強力なフレームワークを持っており、高速なプロトタイピングと開発が可能です。一方、Node.jsはJavaScriptを使用しており、フロントエンドとバックエンドで同じ言語を使用できます。


用途:
Ruby(特にRuby on Rails)はWebアプリケーションの開発に広く使用されています。一方、Node.jsはリアルタイムのWebアプリケーションやAPIサーバーの開発に適しています。

これらの比較から、それぞれの技術が持つ特性と利点を理解し、プロジェクトの要件に最適な技術を選択することが重要です。

まとめ

Node.jsは世界的に人気が高いJavaScriptフレームワークです。フロントエンドとバックエンドをJavaScirptに統一することで、速度感を持ってパフォーマンスに優れたWebシステム、Webサービスを開発出来るでしょう。より詳細なご相談、ヒアリングがございました、下記のお問い合わせフォームからご連絡いただけたらと思います。本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。

こちらのフォームからお気軽にお問い合わせください。

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