
目次
新規事業開発では、多くのフレームワークが紹介されている一方で、「どのフェーズで何を使うべきか」が整理されていないことが少なくありません。
本記事では、仮説構築からPoC・MVP、実装・改善までを一気通貫で捉え、新規事業開発におけるフレームワークを解説します。

新規事業開発におけるフレームワークの位置づけ

新規事業開発の現場では、多くのフレームワークが使われています。しかし実務においては、場面に合わない型を当てはめたり、資料作成だけで終わったりするケースも少なくありません。
重要なのは、フレームワークを「知っていること」ではなく、開発プロセスのどこで、どの目的で使うのかを理解していることです。
ここでは、新規事業開発とフレームワークの関係を整理し、なぜ開発フェーズごとに適切な型が求められるのかを見ていきましょう。
新規事業開発とフレームワークの関係
新規事業開発は、不確実性の高い取り組みです。市場も顧客も正解が定まっていない状態で進める以上、勘や経験だけに頼る進め方には限界があります。そこで役割を果たすのがフレームワークです。
フレームワークは「思考を整理する道具」であり、「議論を前進させる共通言語」です。
新規事業におけるフレームワークの主な役割
- 仮説の抜け漏れを防ぐ
- 論点を構造化し、議論を整理する
- チーム内で認識を揃える
- 経営層やステークホルダーに説明しやすくする
- 属人化を防ぎ、再現可能なプロセスにする
特に企業内新規事業では、関係者が多く、立場や視点も異なります。言語化されていない暗黙知のまま議論を進めると、方向性がぶれやすくなるでしょう。フレームワークを使うことで、事業の前提条件や仮説構造を明確にし、合意形成を円滑に進められます。
一方で、フレームワークは万能ではありません。あくまで意思決定を支える補助線です。型に当てはめること自体が目的化すると、現実の顧客や市場から離れた机上の議論に陥ります。新規事業開発においては、現場での検証と往復しながら活用する姿勢が欠かせません。
開発フェーズでフレームワークが求められる理由
新規事業開発は、大きく分けると「仮説構築」「PoC・MVP」「実装・改善」といった段階を経て進みます。各フェーズで直面する課題は異なるため、求められるフレームワークも変わります。
フェーズごとの特徴
| フェーズ | 主な問い | 必要な視点 | 代表的な目的 |
|---|---|---|---|
| 仮説構築 | 誰のどんな課題を解くのか | 課題の構造化 | 仮説の明確化 |
| PoC・MVP | 本当に価値があるのか | 検証設計 | リスクの早期低減 |
| 実装・改善 | どうスケールさせるか | 指標管理 | 継続的な成長 |
フェーズに合わないフレームワークを使うと、議論が空回りします。例えば、まだ顧客課題が曖昧な段階でKPI設計に時間をかけても、本質的な学習は進みません。逆に、実装フェーズで抽象的なビジョン議論だけを続けると、具体的な成果には結びつきません。
仮説構築・企画設計フェーズの開発フレームワーク

新規事業開発の成否は、最初の仮説設計でほぼ決まります。アイデアの良し悪し以前に、「どの課題を、なぜ解くのか」が曖昧なまま進めてしまうと、後工程での修正コストが膨らみます。仮説構築・企画設計フェーズでは、思いつきの発想を構造化し、検証可能な事業テーマへと落とし込む作業が求められます。
ここでは、課題仮説と解決仮説を整理するフレームワーク、そして事業アイデアを具体的な開発テーマに転換するための型を整理しましょう。
課題仮説と解決仮説を整理するフレームワーク
新規事業でありがちな失敗は、「解きたい課題」が曖昧なまま「解決策」だけが先行することです。まず整理すべきは、顧客が抱える不満や不便の構造です。
課題仮説が浅いままでは、どれほど優れた技術やプロダクトも市場に受け入れられません。
ここでは、課題と解決策の関係を明確にする代表的なフレームワークを紹介します。
なぜなぜ分析
なぜなぜ分析は、表面的な問題の背後にある本質的な原因を掘り下げる手法です。単純ですが、仮説の質を引き上げる力があります。
基本的な進め方
- 発生している事象を定義する
- 「なぜ」を繰り返し問い続ける
- 根本原因に到達するまで深掘りする
- 構造として整理する
例)「営業の受注率が低い」場合
- なぜ受注率が低いのか
- なぜ提案が刺さらないのか
- なぜ顧客理解が浅いのか
上記のように掘り下げていくことで、単なる営業スキルの問題ではなく、「ターゲット設定の誤り」や「課題仮説のズレ」に行き着く場合があります。
なぜなぜ分析の価値は、解決策を急がせない点にあります。安易な対処療法を避け、事業仮説の土台を強固にするための思考プロセスとして活用すると効果的です。
課題・仮説キャンバス
課題・仮説キャンバスは、顧客・課題・発生シーンを整理するためのフレームワークです。アイデア段階での思い込みを可視化する役割を担います。
なお課題・仮説キャンバスは14の項目の決まったフォーマットで構成されています。
課題・仮説キャンバスのフォーマット
- 目的:なぜこの事業をやるのか
- ビジョン:顧客にどういう状況になってもらいたいか
- 潜在/顕在課題:顧客が気づいている/気づいていない課題
- 代替手段:課題を解決するために現状どのような手段をとっているのか
- 状況/傾向:どのような状況にある人がターゲットなのか
- 提案価値:ターゲットに対してどんな解決策を提供するのか
- 実現手段:提供価値を実現するために必要な手段
- 優位性:提供価値や実現手段の提供に貢献できるリソースがあるのか(目的につながる部分)
- チャネル:ターゲットに対してどのような手段で出会うのか
- 評価指数:どのような状態になれば事業が進捗していると評価できるのか
- 収益モデル:どうやって利益を出すのか
- 市場規模:対象となる市場の規模はどのくらいか
文章で整理すると曖昧になりがちな仮説も、キャンバス形式で書き出すことで抜け漏れが明確になります。
重要なのは、願望ではなく「検証前の仮説」として記載することです。断定的に書くのではなく、「〜ではないか」という前提を明確にすることで、次フェーズのインタビューやPoC設計につなげやすくなります。
課題・仮説キャンバスは、事業の出発点を揃えるための土台として機能します。
事業アイデアを開発テーマに落とすフレームワーク
課題が整理できたとしても、事業として成立するとは限りません。顧客価値だけでなく、収益構造や競争優位性を含めて設計する必要があります。
アイデアを事業テーマへ昇華させる工程が、企画設計フェーズの核心です。
ここでは、事業全体を俯瞰する代表的なフレームワークを紹介します。
リーンキャンバス
リーンキャンバスは、スタートアップや新規事業向けに設計されたシンプルな事業設計フレームワークです。スピード重視の環境で活用されています。
主な構成要素
- 顧客セグメント
- 課題
- 独自の価値提案
- ソリューション
- チャネル
- 収益の流れ
- コスト構造
- 主要指標
- 圧倒的な優位性
リーンキャンバスの特徴は、不確実性の高い要素を前提に置いている点です。完成度の高い計画書を作ることが目的ではなく、仮説を可視化し、検証優先順位を決めるための道具として使います。
一枚に収める制約があるため、議論が発散しにくく、チーム内の認識を揃えやすい利点があります。
ビジネスモデルキャンバス
ビジネスモデルキャンバスは、事業全体の構造を体系的に整理するフレームワークです。既存事業との整合性やリソース活用を検討する場面で有効です。
主な要素
- 顧客セグメント
- 価値提案
- チャネル
- 顧客との関係
- 収益の流れ
- キーリソース
- キーアクティビティ
- キーパートナー
- コスト構造
リーンキャンバスが仮説検証志向であるのに対し、ビジネスモデルキャンバスは事業構造の全体最適を考える視点に強みがあります。
特に企業内新規事業では、既存アセットとの連携や組織体制を踏まえた設計が不可欠です。そのような文脈では、ビジネスモデルキャンバスが有効に機能します。
両者を使い分けることで、アイデアを実行可能な開発テーマへと落とし込むことが可能になるでしょう。
PoC・MVP開発フェーズのフレームワーク

仮説を描いただけでは、新規事業は前に進みません。企画書が整っていても、市場が受け入れる保証はどこにもありません。PoCやMVPのフェーズでは、机上の仮説を実際の顧客接点にぶつけ、学習を得ることが最優先になります。完成度の高さよりも、検証の質と速度が問われる段階です。
ここでは、仮説検証とユーザー検証を前進させるための実践的なフレームワークを整理します。
仮説検証を目的とした開発フレームワーク
PoC・MVPフェーズでは、「作ること」自体が目的化しやすくなります。しかし重要なのは、プロダクトの完成度ではなく、どの仮説を、どの指標で検証するかという設計です。曖昧なまま開発に着手すると、時間とコストだけが消費されます。
まず押さえるべき代表的なフレームワークを見ていきましょう。
MVP
MVPは「Minimum Viable Product」の略で、実用最小限のプロダクトを指します。ただし本質は、機能を削ることではありません。
MVPの目的は「学習を最速で得ること」です。
設計時に整理すべき観点
- 検証したい最重要仮説は何か
- その仮説が誤っていた場合のリスクは何か
- 必要最低限の機能はどこまでか
- 検証結果を判断する指標は何か
例えば、BtoB向けSaaSの場合、フル機能の開発は不要です。手動運用や簡易プロトタイプであっても、「顧客が対価を払う意思を示すか」を確認できれば十分な学習になります。
MVPを設計する際は、機能の網羅性ではなく、検証焦点の明確さに意識を向けることが重要です。開発規模を抑えながら、本質的な学習を獲得できる設計が求められます。
仮説検証キャンバス
仮説検証キャンバスは、検証内容を構造的に整理するためのフレームワークです。MVP設計を曖昧なまま進めないための補助線として機能します。
主な整理項目
- 検証対象となる仮説
- 仮説の前提条件
- 検証方法
- 成功・失敗の判断基準
- 想定されるリスク
文章だけで整理すると、成功基準が後付けになる場合があります。キャンバス形式で明示しておくことで、評価軸がぶれにくくなるのです。
仮説検証キャンバスの価値は、意思決定の透明性を高める点にあります。検証結果が芳しくなかった場合も、「仮説が否定された」という学習を次の施策に活かせます。失敗を曖昧にせず、知見として蓄積する姿勢が重要です。
ユーザー検証を進めるためのフレームワーク
プロダクトが一定の形になった段階では、ユーザー理解の深さが成果を左右します。思い込みに基づく改善は、方向性を誤らせます。ユーザーの行動や感情を具体的に把握することが不可欠です。
ここでは、ユーザー検証を体系的に進めるためのフレームワークを紹介します。
カスタマージャーニーマップ
カスタマージャーニーマップは、ユーザーがサービスと接点を持つ一連の体験を可視化する手法です。単なる行動の列挙ではなく、感情や課題の変化を整理します。
整理する主な項目
- 利用前の状況
- 認知から利用までのプロセス
- 各接点での行動
- 感情の変化
- 不満や障壁
カスタマージャーニーマップの強みは、プロダクト単体ではなく、体験全体を俯瞰できる点にあります。機能改善だけでは解決できない課題が浮き彫りになることもあるでしょう。
チーム内で共有することで、開発・営業・マーケティングの認識を揃えやすくなります。結果として、施策の優先順位が明確になるのです。
ユーザーインタビュー設計シート
ユーザーインタビューは有効な検証手段ですが、設計が甘いと期待する答えを引き出す場になりかねません。事前設計の質が、得られる学習量を左右します。
設計時に整理すべき観点
- 検証したい仮説
- 想定ターゲット
- 聞くべき質問
- 避けるべき誘導表現
- 記録・分析方法
特に注意したいのは、「どう思いますか」という抽象的な質問です。具体的な行動や過去の体験を尋ねることで、実態に近い情報が得られます。
ユーザーインタビュー設計シートは、思い込みを排除するための装置です。準備を丁寧に行うことで、感想ではなく事実ベースの知見が集まります。検証の精度が高まり、改善施策の質も向上するでしょう。
PoC・MVPフェーズでは、スピードと同時に構造化された検証設計が求められます。フレームワークを適切に活用することで、開発を学習のサイクルへと転換可能です。
実装・改善を回すための開発フレームワーク

PoCやMVPを経て一定の手応えを得た後は、実装と改善を継続的に回す段階に入ります。ここで問われるのはアイデアの斬新さではなく、学習を積み重ねながら事業を伸ばし続ける運用力です。場当たり的な改善では、成果は安定しません。開発と検証を循環させ、指標を軸に意思決定する仕組みが不可欠です。
ここでは、実装フェーズで機能するフレームワークを探っていきましょう。
開発と学習を高速化するフレームワーク
実装フェーズでは、開発スピードと学習スピードの両立が求められます。リリースだけを急ぐと検証が浅くなり、分析だけに時間をかけると市場機会を逃します。重要なのは、作る・測る・学ぶを一体で設計することです。
代表的なフレームワークを紹介します。
Build-Measure-Learn
Build-Measure-Learnは、開発と学習を一体で回すためのフレームワークです。単なる工程管理ではなく、仮説検証を前提とした実装サイクルを確立する考え方に本質があります。
順番自体はシンプルですが、各工程の設計が甘いと形だけの運用に陥ります。
| フェーズ | 内容 | 実務上のポイント |
|---|---|---|
| Build | 仮説に基づき最小単位で実装する | 検証目的を明確にし、機能を絞り込む |
| Measure | 事前に定めた指標で結果を測定する | 実装前に評価指標を定義する |
| Learn | 仮説の妥当性を判断し、次の行動を決める | 成功・失敗の要因を構造化する |
重要なのは、測定指標を実装前に定義する姿勢です。リリース後に評価軸を考える運用では、結果を正当化する議論が生まれやすくなります。さらに、Learnの段階では成功可否だけで終わらせず、なぜその結果になったのかを掘り下げる必要があります。
Build-Measure-Learnを丁寧に回すことで、改善は偶然ではなく、再現可能なプロセスへと変わるでしょう。
PDCA
PDCAは広く知られた改善フレームワークですが、新規事業においても有効です。ただし、年単位の計画管理として扱うのではなく、短いサイクルで回す実践型の運用が求められます。
| フェーズ | 内容 | 実務上のポイント |
|---|---|---|
| Plan | 目標と具体施策を定義する | 仮説と数値目標を明確にする |
| Do | 施策を実行する | 実行範囲を限定し、検証可能な単位で動く |
| Check | 結果を評価する | 数値と顧客データを基に判断する |
| Act | 改善策を講じる | 次のPlanに即座に反映させる |
新規事業では環境変化が激しいため、Planを固定化すると機会損失が発生します。短期間で回す運用を徹底することで、軌道修正の精度が高まります。
PDCAは地道な手法ですが、継続的に運用することで事業基盤が安定できるでしょう。
成果と進捗を可視化するフレームワーク
実装フェーズでは、開発チームだけでなく経営層や関連部門との連携も重要になります。進捗や成果が見えない状態では、組織的な支援は得られません。
指標を構造化し、事業の現在地を共有することが成長の前提条件です。
ここでは、可視化に役立つ代表的なフレームワークを紹介します。
KPIツリー
KPIツリーは、最終目標から逆算して指標を分解する手法です。売上や契約数といった結果指標だけを追っても、具体的な改善行動にはつながりません。
例)売上の構造
- 最上位KGI:売上
- 受注数
- 商談数
- リード数
- 商談数
- 平均単価
- 受注数
このように分解することで、どの数値がボトルネックかを特定できます。
KPIツリーの価値は、改善アクションを明確にする点にあります。商談数が不足している場合はマーケティング施策を見直す、受注率が低い場合は提案内容を改善する、といった具体策に落とし込めるのです。
指標を階層で整理することで、議論が抽象論に流れることを防げられるでしょう。
OKR
OKRは、組織の方向性を揃えながら成果を最大化するためのフレームワークです。単なる数値管理ではなく、挑戦的な目標と測定可能な成果指標を結びつける点が特徴です。
| 要素 | 内容 | 実務上のポイント |
|---|---|---|
| Objective | 達成したい状態を言語化する | 定性的で方向性が明確な表現にする |
| Key Results | 進捗を測る定量指標 | 測定可能かつ期限を明確にする |
例えば「プロダクトの市場適合度を高める」というObjectiveを掲げる場合、Key Resultsとしてアクティブ率や解約率など具体的な指標を設定します。OKRの運用では、達成率100%を目指すのではなく、挑戦水準の目標を掲げることが重要です。
定期的に見直すことで、組織全体の視線を同じ方向へ揃えられます。
新規事業開発でフレームワークを機能させる使い方

新規事業開発では多くのフレームワークが紹介されていますが、実務で十分に活用されているケースは決して多くありません。資料作成で終わり、会議後は更新されないまま放置されることもあります。問題はフレームワークの質ではなく、使い方にあります。フレームワークは埋めるための書式ではなく、意思決定を前進させるための道具です。
ここでは、開発現場で実際に機能させるための考え方を整理しましょう。
開発フェーズに応じたフレームワークの選び方
フレームワークは万能ではありません。フェーズに合わない型を選ぶと、議論が空回りします。まずは現在の開発段階を見極めることが重要です。
フェーズごとの選定軸を整理すると、次のようになります。
| 開発フェーズ | 主な目的 | 適したフレームワーク例 |
|---|---|---|
| 仮説構築 | 課題と価値の明確化 | Why-Why分析、課題仮説キャンバス |
| 企画設計 | 事業構造の整理 | リーンキャンバス、ビジネスモデルキャンバス |
| PoC・MVP | 仮説検証 | MVP設計、仮説検証キャンバス |
| 実装・改善 | 成長の加速 | Build-Measure-Learn、KPIツリー、OKR |
重要なのは、いま解くべき問いは何かを明確にすることです。課題が曖昧な段階でKPI設計に時間を割いても、成果には結びつきません。逆に、実装フェーズで抽象的なビジョン議論を続けても改善は進みません。
フレームワーク選定は流行や慣習ではなく、解決すべき論点から逆算して行う必要があります。
フレームワークを組み合わせて使う基本パターン
単体のフレームワークだけで事業を前進させることは困難です。実務では複数を組み合わせて運用します。
代表的な組み合わせパターン
- なぜなぜ分析 → 課題・仮説キャンバス → リーンキャンバス
課題を深掘りし、事業仮説へ構造化する流れ - リーンキャンバス → MVP設計 → 仮説検証キャンバス
事業仮説を具体的な検証計画へ落とし込む流れ - Build-Measure-Learn → KPIツリー → OKR
改善サイクルと組織目標を接続する流れ
ポイントは、思考整理から検証、改善までを一本の流れで設計することです。個別に使うのではなく、前後関係を意識することで一貫性が生まれます。
また、各フレームワークのアウトプットを次工程のインプットとして扱うことも重要です。資料が増えるだけでは意味がありません。連動設計を意識することで、実行力が高まります。
開発現場で形骸化させないための注意点
フレームワークが機能しなくなる原因は、形式化と目的化です。書くこと自体がゴールになった瞬間、価値は失われます。
形骸化を防ぐためのポイント
- 記入目的を明確にしてから使う
- 更新前提で運用する
- 定期的に見直す場を設ける
- 意思決定に必ず紐づける
特に重要なのは、意思決定と直結させることです。フレームワークの内容が会議の結論や次のアクションに反映されなければ、存在意義は薄れます。
また、完璧な状態を目指す必要はありません。仮説段階では粗くても構いません。更新を前提に運用することで、実態に近づいていきます。
新規事業開発において、フレームワークは魔法の道具ではありません。しかし、適切に扱えば、議論の質を高め、意思決定の精度を引き上げます。使い方次第で、単なる書式にも、強力な推進装置にもなります。
まとめ:新規事業開発フレームワークは検証と改善を回すための道具である

新規事業開発におけるフレームワークは、知識として蓄えるものではなく、仮説を立て、検証し、改善を重ねるための実践的な道具です。
重要なのは型を覚えることではなく、開発フェーズに応じて適切に選び、意思決定と行動に結びつけることです。仮説構築からPoC、実装・改善までを一貫したプロセスとして設計できれば、属人化は防げます。フレームワークを活用し、学習速度を高めることが、事業成功の確度を着実に引き上げるでしょう。

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<略歴>
東京工業大学環境社会理工学院、慶応義塾大学大学院・慶応義塾大学ビジネススクールMBA(経営学修士取得)卒業。
京都大学経営管理教育部博士課程単位取得退学。国内最大手IT企業の株式会社NTTデータなどでエンタープライズ(大手法人)領域の事業開発・事業企画等に従事。
スタンフォード大学への海外研修を経て、株式会社GeNEEの代表取締役に就任。
<資格>
基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、MBA(経営学修士)、MOT(技術経営修士)等
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