公開日:2023.10.11 更新日:2023.10.12

AWSとは?導入のメリット・デメリット、アプリやシステムの開発で必須のサービスを解説

GeNEE_主流のクラウドサービス、AWSサービスとは

さまざまなシステム・アプリケーションを安価な初期投資で構築できるクラウドコンピューティングサービスは、今や企業のDX推進に欠かせない存在となっています。そんなクラウドコンピューティングのパイオニアであり、シェアNo1を誇るのが、AWS(Amazon Web Serviceの略称)です。

本記事では、AWSとは何か、導入するメリット・デメリットにはどのようなものがあるかを解説します。また、AWSが提供する数多くサービスの中でも、アプリ開発やシステム開発で特に必須となるサービスを8つ紹介します。

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AWSとは

AWS(Amazon Web Services)は、Amazon.comが提供しているクラウドコンピューティングサービスです。

クラウドコンピューティングサービスとは、クラウド上でWebサーバーやデータストレージなどのコンピューティングリソースを提供しているサービスのことで、数あるクラウドコンピューティングサービスの中でもAWSはシェアNo1を誇っています。

サーバーやネットワーク、ストレージといったインフラ資源やさまざまなアプリケーションおよびアプリ開発環境など幅広いサービスを提供しているのが特徴で、AWSが現在提供しているサービスの数は240種類以上(2023/10月時点)にもおよびます。ユーザーは、自社に必要なリソースを、インターネットを介していつでも利用できます。

AWS導入のメリット

AWSには次のようなメリットがあります。

  • ・初期投資を抑えてITリソースを導入できる
  • ・事業規模の拡大/縮小に素早く適応できる
  • ・セキュリティが高い

初期投資を抑えてITリソースを導入できる

AWSを利用すれば、自社でハードウェア資源を購入したりメンテナンスしたりする必要がありません。サーバーなどのIT資源を自社内に保有していた従来のオンプレミス型と比べて、ITリソース導入の初期投資を非常に安く抑えられます。また、AWSは、サービスを利用した分だけ課金される従量課金制のため、コストを抑えながら小規模の導入から始めて徐々に利用規模を拡大していくといった使い方も可能です。

事業規模の拡大/縮小に素早く適応できる

事業の拡大/縮小にあわせてITリソースの規模やコストを素早く適応させられるのも、AWSを導入するメリットの1つです。例えば、事業が急拡大してサーバーの増設が必要になった場合でも、ブラウザ上の操作だけで素早く対応できます。逆に事業規模が縮小した場合は、不要となったサーバーを停止してデータを削除することで、迅速なコストダウンが可能です。

セキュリティが高い

AWSのセキュリティは非常に強固で、認証やデータの暗号化、バックアップといった安全を保つ仕組みが2重3重に用意されています。AWSのセキュリティには十分なコストと技術がかけられ、1企業が単独で実現するのは難しいレベルのセキュリティ対策が施されているのです。自社でセキュリティ対策にコストをかけずとも、この高セキュリティの恩恵が得られるのもAWSを導入するメリットと言えます。

AWS導入のデメリット

多くのメリットがあるAWSですが、導入前に知っておきたい注意点もあります。

  • ・日々のコスト管理が必要
  • ・ユーザーもセキュリティ意識をもつ必要がある

日々のコスト管理が必要

AWSは従量課金制を採用していますが、具体的な課金の体系はサービスによって異なります。たとえば利用時間に応じて課金されるサービスや、通信量に応じて課金されるサービスなど、サービスによってまちまちです。使用するサービスの課金体系や使用状況を把握して不要な支出を削らないと、請求額が思わぬ高額になることもあり得ます。そのようなリスクを抑えるには、使用状況をダッシュボードで可視化し、無駄なコストが発生していないかを日々モニタリングするなどの管理が必要です。

ユーザーもセキュリティ意識をもつ必要がある

AWSのセキュリティは、責任共有モデルを採用しています。責任共有モデルとは、セキュリティに対する責任をクラウド側とユーザー側で分け合うという考え方です。

具体的には、AWSはデータセンターの物理的な責任やインフラ、ハードウェアのセキュアな管理・運用・維持に責任を持ちます。一方で、ユーザー側はアクセス権の設定や暗号化の利用など、クラウドをセキュアに利用する責任を持ち、正しくセキュリティ設定を施し管理しなければなりません。とはいえ、ユーザーの責任となる部分についても、管理するための仕組みはAWS側が用意してくれているため、正しく利用すれば問題ないでしょう。

AWSの主なサービス

GeNEE_AWSの主力サービス

ここからは、アプリ開発やシステム開発で特に必須となるAWSの主力サービスを紹介します。

Amazon EC2

Amazon EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)は、クラウド上で仮想サーバーを運用できるサービスです。ウェブサービスの運用や業務システム構築など、さまざまな場面でサーバーの活用は必須ですが、EC2を使えば、自社でサーバーのハードウェアを用意せずともサーバー環境を構築できます。また、事業規模の拡大にあわせて、柔軟にサーバーの数や性能を拡張できます。

AWS Lambda

AWS Lambda(ラムダ)は、プログラムをサーバーレスで実行できるサービスです。サーバーレスとはサーバーが不要という意味です。通常Webアプリケーションを稼働させる場合、そのアプリケーションの実行環境となるWebサーバーやアプリケーションサーバーが必要となりますが、Lambdaを活用すれば、アプリケーションのプログラムを開発しアップロードするだけで、アプリケーションを稼働できます。実行環境はAWS側が用意してくれるため、アプリケーション開発する際の煩雑なサーバー設定や運用時のサーバーメンテナンスの手間がかかりません。

Lambdaは、Java、Go、PowerShell、Node.js、C#、Python、Ruby のコードをサポートしており、一般的な開発環境はカバーされています。

Amazon S3

Amazon S3 (Simple Storage Service)は、AWSが提供するクラウド上のストレージサービスです。ビッグデータの蓄積やコンテンツの置き場所など、さまざまな用途に活用できます。

S3の耐久性はほぼ100%と言われており、データ損失のリスクが極めて低いのが特徴です。容量制限がなく、かつ安価に利用できるため、AWSでファイルを管理する場合はS3を使うことが多いでしょう。

Amazon EBS

Amazon EBS (Elastic Block Store)は、S3と同じくクラウド上で動作するストレージです。S3との違いは、EC2(仮想サーバー)と併用する目的で設計されている点で、EC2と接続して利用するのがEBSの主な用途となります。例えば、EC2上に構築したシステムのデータ保管や、EC2上で動作するWebアプリケーションのログ保管といった用途で利用します。

Amazon RDS

Amazon RDS (Relational Database Service)は、AWSでリレーショナルデータベースを構築するサービスです。リレーショナルデータベースとは行と列で構成されたデータベースのことで、顧客情報や在庫情報、社員リストなどのデータ管理に広く用いられている方式です。Amazon RDSを利用することで、サーバー構築の手間や時間を省いて素早くデータベースを構築できます。通常、リレーショナルデータベースを利用する際には、データベース上のデータを管理したり参照、更新したりするためのソフトウェア(RDSMS)が必要です。Amazon RDSでは、MySQL、Postgre SQL、Mariaデータベース、Oracle、SQL Server、Amazon AuroraといったメジャーなRDSMSを利用できます。

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AWSで利用できるデータベースについて、より詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
関連記事:AWSにおけるデータベース選択(RDS、Aurora、DynamoDB)
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Amazon ECS

Amazon ECS(Elastic Container Service)は、コンテナを管理するサービスです。コンテナとは、アプリケーションの実行環境を仮想的に構築する技術であり、代表的なコンテナソフトウェアの一つにDocker(ドッカー)があります。ECSはDockerコンテナをAWS上で運用するための機能であり、負荷に応じてコンテナ数の増減を自動で行ってくれます。

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AWSで利用できるコンテナについて、より詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
関連記事:システムのコンテナ化とAWSでのサービス選定(Fargate, ECR, ECS)
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Amazon VPC (Virtual Private Cloud)

Amazon VPC (Virtual Private Cloud)は、AWS上に仮想ネットワーク環境を構築し管理するサービスです。AWSで構築するあらゆるサービスは、VPCで構築したネットワーク上に配置していくのが基本です。そのため、どんなWebアプリケーションを作るにしてもVPCはほぼ必須で使うことになります。VPCで構築した仮想ネットワーク環境は、サブネットで分割管理することもできます。例えば、仮想ネットワークを2つに分割し、一つは外部からインターネット経由でアクセス可能なパブリックネットワーク、もう一つはインターネットからアクセス不可なプライベートネットワークとして運用するといったことが可能です。

AWS Identity and Access Management

AWS Identity and Access Managementは、AWSのアカウントを管理、発行するサービスです。略してIAM(アイアム)と呼ばれています。AWSのユーザーやグループを作成したり、ロール(AWS上で何ができるかの権限)を設定したりできます。IAMも、AWSを利用する際に必須で使うサービスです。

まとめ

AWSとはAmazon.comが提供しているクラウドコンピューティングサービスです。AWSを利用することで、初期投資を抑えてITリソースを自社に導入でき、事業規模の変化に応じた柔軟なスケーリングも可能です。高いセキュリティ対策も施されており、適切なセキュリティ設定を行うことで、機密データも安全に取り扱えます。

本記事で解説した以下のサービスは、AWSでアプリやシステムを開発する上で必須とも言えるサービスです。

  • ・Amazon EC2
  • ・AWS Lambda
  • ・Amazon S3
  • ・Amazon EBS
  • ・Amazon RDS
  • ・Amazon ECS
  • ・Amazon VPC
  • ・AWS Identity and Access Management

アプリ開発やシステム開発にAWSを活用することで、初期費用を安く抑えながら開発を始められ、小規模なテストから大規模な本番環境まで迅速に適応できます。

AWSには他にも多様なサービスが数多く用意されており、それぞれのプロジェクトのニーズに応じて選択・組み合わせることが可能です。

システム開発やアプリケーション開発では、そのニーズや環境によって適切なライブラリやフレームワークを採用することが成功の鍵となります。

システム開発やアプリ開発のご要望がございましたら、ぜひGeNEEまでご相談ください。

お客様のニーズや将来的な事業方針をヒアリングした上で最適な開発手法をご提案いたします。

こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

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