公開日:2023.11.13 更新日:2023.11.15

Azure / アジュールとは?導入のメリット・デメリット、アプリやシステムの開発で必須のサービスを解説

さまざまなシステム・アプリケーションを安価な初期投資で構築できるクラウドコンピューティングサービスは、今や企業のDX推進に欠かせない存在となっています。そんなクラウドコンピューティングの中でMicrosoft製品とのシームレスな統合が可能なのが、Microsoft Azureです。

本記事では、Azureとは何か、導入するメリット・デメリットにはどのようなものがあるかを解説します。また、Azureが提供する様々なサービスの中でも、アプリ開発やシステム開発で特に必須となるサービスを8つ紹介します。

Azure / アジュールとは

Azure(Microsoft Azure)は、Microsoftが提供しているクラウドコンピューティングサービスです。

クラウドコンピューティングサービスとは、クラウド上でWebサーバーやデータストレージなどのコンピューティングリソースを提供しているサービスのことで、数あるクラウドコンピューティングサービスの中でもAzureはMicrosoft製品とのシームレスな統合が可能です。

Microsoftが展開するクラウドサービスプラットフォームであるAzureは、インフラストラクチャー、プラットフォーム、そしてソフトウェアサービスを提供し、企業がビジネス拡大とイノベーションを推進するのに重要な役割を果たしています。

Azure導入のメリット

Azureには次のようなメリットがあります。

  • ・Microsoft製品との強力な統合可能性
  • ・充実した企業向けソリューション
  • ・高いコンプライアンスとセキュリティ保証がある

Microsoft製品とのシームレスな統合と充実したソリューション

Azureを利用することで、Microsoft製品とのシームレスな統合が可能となり、企業は既存のシステムと簡単に連携でき、新しいプロジェクトの展開と運営が効率的に行えます。特に、Windows ServerやSQL Serverとの連携は、企業が既存のインフラとアプリケーションをクラウドへスムーズに移行する際に重要です。この連携により、セキュリティが強化され、企業は安心してデータを保護できます。また、法律や規則に従うことが簡単になり、企業はリスクを減らしながらビジネスを安全に運営することができます。

Azureは多様な企業向けソリューションを提供しており、利用企業のビジネス運営とイノベーションを一層強化します。とりわけ、データ管理、分析、AI、マシンラーニングなどの領域で強みがあり、利用企業のビジネス価値を高める可能性を秘めています。また、ビジネスが成長するにつれて必要になる新しいテクノロジーの導入や戦略的なアドバイスも提供されています。

高いコンプライアンスとセキュリティ保証がある

Azureは、法律を守るための高いコンプライアンスと安心して利用できるセキュリティ保証があります。世界の厳しい基準、例えばGDPRやHIPAA、ISO 27001などをクリアしており、企業の大切なデータを強度なセキュリティレベルで守ってくれます。例えば、Azure Security Centerは不正アクセスや脅威をリアルタイムで検出し、アラート(警告)を出してくれます。また、Azure Sentinelは異常な行動やセキュリティ侵害を分析し、適切な対応策を提案してくれます。これらのツールにより、サイバー攻撃やデータ漏洩から企業を守り、法的な基準を遵守しつつ、安全にビジネスを進めることができます。

Azure導入のデメリット

Azureには次のようなデメリットがあります。

  • ・公式ドキュメントの質(検索性)
  • ・公式ドキュメントの量
  • ・地域によるサービス格差
  • ・コスト管理と予測が難しい

公式ドキュメントの質(検索性)

Azureの公式ドキュメントを検索する際、キーワード検索の精度が低いことで、必要な情報探しが大変に感じることがあるはずです。特に小規模企業やスタートアップ、個人で学習するエンジニアにとっては、この問題は根深いです。ただ、MicrosoftはAzureに関するドキュメントの整理、検索エンジンの改善を日々行っており、コミュニティフォーラムやQ&Aセクションも提供していて、将来的にはこの検索性の問題はある程度解決する方向に進むと思われます。

公式ドキュメントの量

Azureは多くのサービスと機能を提供し、それに伴い豊富な公式ドキュメントがあります。しかし、そのドキュメント量が膨大に存在しているため、特に新規利用者からすると必要な情報を探すの結構大変です。Microsoftはこの問題に対処するため、カテゴリ分けやタグ付けをして検索性の向上を図り、さらにはドキュメント外で質問を受付するサポートの提供を開始しています。

地域によるサービス格差

Microsoft Azureは世界中でサービスを提供していますが、地域によっては利用できるサービスや機能が異なります。これは、地域毎の法律や規制、インフラの制約が影響しています。たとえば、特定の仮想マシンサイズやストレージタイプは、特定の地域でのみ利用可能であることがあります​​。しかし、Azure Active Directory、Traffic Manager、Azure DNSなどのいくつかのグローバルサービスは特定の地域を選択する必要はありません​。これらの違いは、世界中でビジネスを展開している企業にとっては、展開するビジネスに大きな影響を与えます。

コスト管理と予測が難しい

Azureの料金はサービスや利用量によって変わり、コスト管理は少々難しい面があります。意外と高額な請求が来ることもあるため、企業はAzureの料金体系を理解し、いくつかのシナリオ・パターンに従って予算計画を策定する必要があります。Azure Cost Management + Billingツールやコスト予測のガイド、ベストプラクティスなどがありますが、これらを日々監視し管理することはコストがかかります。企業はAzureのコストを理解し、予算を効果的に管理する必要があります。

Azureの主なサービス

ここからは、アプリ開発やシステム開発で特に必須となるAzureの主なサービスを紹介します。

Azure Virtual Machines

Azure Virtual Machinesはシステム開発でよく使用されます。環境セットアップの手続きがシンプルで、開発者は自分のコードをテストしやすく、また、必要な関連ソフトウェアやツールを簡単にインストールすることができます。管理画面は、開発とテストのフェーズを通じて仮想マシンの状態を簡単に監視し、管理するのに役立ちます。これにより、開発プロセスが効率化され、プロジェクトの進行がスムーズになります。

Azure Functions

Azure Functionsはイベントに反応して動作する小さなプログラムを作成できるサービスです。例えば、データがデータベースに追加された時に自動で動作するプログラムを作れます。サーバーを管理する必要がありませんので、開発者はコード開発に集中できます。これにより、システム開発が簡単で効率的に行えるため、プロジェクトの進行がスムーズになります。特に、短時間で特定のタスクを自動化したい場合に便利です。

Azure Blob Storage

Azure Blob Storageは、大量の画像や動画、文書などの非構造化データを保存できる場所です。例えば、ウェブサイトのバックエンドでユーザーのアップロードしたファイルを保管する際に使います。データはいつでも取り出せて、整理も簡単です。これにより、データ管理の手間が減り、システムの効率が上がります。非常に大きなデータでも安心して保存できるので、企業にとっては信頼できるデータ保管場所となります。

Azure SQL Database

Azure SQL Databaseは、データベースの管理を簡単にするクラウドサービスです。データベースサイズを自動で調整でき、必要に応じて拡大・縮小することができます。また、データのバックアップや復元機能があり、データの安全を保護することができます。これにより、データ管理の効率が向上し、システムの安全性も確保されます。

Azure Active Directory

Azure Active Directoryは、IDとアクセス管理を効率化するサービスです。利用者の認証と承認をスムーズに行い、システムへの安全なアクセスを可能にします。例えば、社内のシステムに安全にアクセスするために使われます。多要素認証や単一サインオン機能もあり、セキュリティを強化しながらも、利用者の使い勝手も損ないません。

Azure Kubernetes Service

Azure Kubernetes Serviceは、アプリケーションをパッケージ化して管理するコンテナという技術を利用して、アプリケーションのデプロイと管理を簡単に行えるサービスです。コンテナは、アプリケーションとそれが動作するための環境を一つにまとめ、どこでも同じように動作するようにします。Kubernetesは、これらのコンテナを効率的に管理し、AKSはその利用をさらに簡単にします。一元的な管理画面からコンテナの状態を確認し、管理することができるため、システム運用の効率を向上させます。

Azure DevOps

Azure DevOpsは、開発と運用の流れをスムーズにかつ安全に実行するためのツールをまとめることができるサービスです。たとえば、コードのバージョン管理、ビルド、テスト、デプロイといったプロセスを効率的に管理するツールなどがあります。また、チームメンバー間での情報共有を助ける機能、例えば、共有ダッシュボードや通知機能が提供されており、プロジェクトの進行をスムーズに行えます。

Azure Monitor

Azure Monitorは、アプリケーションやシステムの健康状態をチェックするサービスです。これを使えば、システムの動きをリアルタイムで見ることができ、何か問題が起きたらすぐにアラートを知らせてくれます。例えば、ウェブサイトが急に遅くなった時、Azure Monitorが通知を管理者にメールなどで送ってくれて、すぐに対処することができます。

GeNEE_Azureクラウドサービス

まとめ

AzureとはMicrosoftが提供しているクラウドコンピューティングサービスです。Azureを利用することで、Microsoft製品とのシームレスな統合を実現し、既存システムを容易にクラウドサービスに導入できます。また、充実した企業向けソリューションとサポートと高いコンプライアンスとセキュリティ保証があることで、高品質のシステムを運用することが可能です。

本記事で解説した以下のサービスは、Azureでアプリやシステムを開発する上で必須とも言えるサービスです。

  • ・ Azure Virtual Machines (仮想マシン)
  • ・ Azure Functions (サーバーレスコンピューティング)
  • ・ Azure Blob Storage (オブジェクトストレージ)
  • ・ Azure SQL Database (リレーショナルデータベースサービス)
  • ・ Azure Active Directory (アイデンティティとアクセス管理)
  • ・ Azure Kubernetes Service (コンテナオーケストレーション)
  • ・ Azure DevOps (開発と運用の統合プラットフォーム)
  • ・ Azure Monitor (監視と診断)

アプリ開発やシステム開発にAzureを活用することで、使い慣れたMicrosoft製品を容易にシームレスに統合でき、迅速にシステムを導入できます。

Azureには他にも多様なサービスが数多く用意されており、それぞれのプロジェクトのニーズに応じて選択・組み合わせることが可能です。

システム開発やアプリケーション開発では、そのニーズや環境によって適切なライブラリやフレームワークを採用することが成功の鍵となります。

システム開発やアプリ開発のご要望がございましたら、ぜひGeNEEまでご相談ください。

お客様のニーズや将来的な事業方針をヒアリングした上で最適な開発手法をご提案いたします。こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

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