公開日:2022.12.26 更新日:2022.12.28

業務アプリ開発とは。トレンドの開発言語を含めて解説

業務アプリ開発の方法を説明


企業成長につれて、業務アプリ開発を検討される機会が増えてきます。業務アプリは、現場の稼働を減らすために導入されるもの、バックオフィス業務の効率化を目指すために導入されるもの、営業や顧客管理の質を向上するために構築するものなどございます。本記事では、業務アプリ開発とは何か、基本的な内容から実際にどのような開発言語を用いてそれらのアプリが開発されているのか、ご紹介していきます。

業務アプリとは?

業務アプリといっても様々な種類があります。しかし、すべての業務アプリに共通していることは業務を効率化、ないしは業務の生産性を高めるものだということです。現在ではパッケージソフトでもフルスクラッチでも提供されており、自社の規模や社内の状況、業務の特性や複雑性などを考慮して自社に合った方法で業務アプリを導入するように留意しましょう。

業務アプリの種類

ここでは主要な業務アプリ、12種類を簡単に紹介します。

販売管理アプリ

販売管理アプリとは、企業がお客様から注文を受けてから、商品をお客様のもとへ納品するまでの一連のプロセスをアプリケーション化したものになります。会社によってはサービス・製品など販売するものが異なったり、お客様要件で製品を届けるまでのプロセスが製品ごとに違っていたりするため、複雑性が高くなる傾向があります。また、販売するだけでなく、商品を調達したり、代金の請求を行ったりする業務までを含めて販売管理とするケースもあります。

営業管理アプリ(SFA)

営業管理アプリはSFA(Sales force Automation)とも呼ばれ、企業の営業活動を管理・効率化するアプリケーションになります。主要な機能としては売上予測と実績を比較する予実管理や商談プロセスの状況を管理する商談管理、お客様からの問合せやクレーム対応とその対応結果を記録するものなどがあります。営業プロセスを明確に可視化することで、管理者は全体の状況を素早く把握でき、担当者は引継ぎなどが容易になります。

顧客管理アプリ(CRM)

顧客管理アプリはCRM(Customer Relationship Management)とも呼ばれ、顧客の情報を一元管理するアプリケーションです。主要な機能としては既存客・見込み客の管理、商談管理、見積や受注までの営業プロセスの管理(場合によっては請求などの管理)などが上げられます。営業管理アプリと混同されることが多いですが、顧客管理アプリはより顧客中心となっている点で異なります。

受注管理アプリ

受注管理アプリは販売管理アプリの受注から出荷処理部分のみを中心に扱ったシステムと考えてもらえればよいでしょう。主な機能は受注処理、出荷処理などが中心となります。後述しますが、この受注管理アプリに在庫管理アプリの機能を持たせるケースもあります。販売管理アプリと同様、受注や出荷処理にはお客様やその状況によっては様々なプロセスが存在するため、複雑性が高くなりやすいアプリケーションになります。

購買管理アプリ

購買管理アプリは資材や原料、部品類などの仕入や商品の購入など購買業務全般を効率化するアプリケーションです。購買管理アプリの多くでは購買伝票の登録、入庫処理、検収処理、支払処理などが行えるようになっています。また在庫管理機能とも連動が必須といえます。購買業務は仕入先や取引先との調整によってインシュアランスや輸送方法が異なるため、受注管理アプリと同様に、複雑性が高くなりやすいです。

生産管理アプリ

生産管理アプリは工場の生産状況や生産納期、コスト、工程、在庫を管理するシステムになります。製造業ではよく使われるアプリケーションですが、生産工程はお客様によって大きく異なることが多く、構築するのが難しいアプリケーションです。原料を仕入れて、生産して、在庫として確保するという一連のプロセスから購買管理アプリ、販売管理アプリ、在庫管理アプリと密接に連携していることが多いです。

在庫管理アプリ

在庫管理アプリは資材や原料、部品類、製品、商品などの在庫を管理するためのアプリケーションです。生産時には資材や原料を出庫することで数量が減少し、製品が入庫すると数量が増加します。企業の決算時にはこの製品などの在庫も資産として計上される可能性があるため、常に正しい値を把握しておく必要があります。またシステム上の理論値と倉庫に置かれた実際の値を確かめるため、実施棚卸と呼ばれる作業を行い、正しい値を追跡することも必要です。コンビニエンスストアやスーパーなどの多店舗販売の場合では、POSシステムと在庫管理アプリを連動するケースも多いです。

また、多くの場合、販売管理アプリや購買管理アプリ、生産管理アプリと連動しており、これらは密接に関わっているアプリケーションと言えます。

会計管理アプリ

会計管理アプリとは、企業における会計業務を管理するアプリケーションのことです。取引記録のデータ化やその集計、場合によっては給与の支払いなども行い、お金に関することをアプリ上で一元管理します。金額のやり取りや帳簿の作成、税金や固定資産の対応などは法律によって決まっていることが多く、開発する場合には会計関連の基礎知識が必要である一方、販売管理アプリや生産管理アプリといったアプリケーションに比べ、企業ごとに異なる仕組みは少ないのが特徴です。

原価管理アプリ

原価管理アプリとは、製品・商品・サービスの原価計算を行ったり、予算・実績の比較、損益の計算などを行い、営業活動における損益を分析するのに役立つアプリケーションです。会社のコア業務に対する粗利の算出などもできるため、経営陣の戦略立案の際にも役立てられるのが特徴です。その分、会社の機密情報にあたる部分であるためセキュリティ対策などが求められます。

情報系アプリ

情報系アプリは、企業の情報を一元管理し、情報の共有やセキュリティ対策を効率的に行うために用いられるアプリケーションです。管理する文書の特徴によって様々な情報管理アプリがあり、製品設計情報管理アプリや社員情報管理アプリなどがあります。業務によって使うユーザーや管理したい情報や業務プロセスなどが全く異なるため、業務に応じた情報管理システムがあります。導入する際には何をどのように管理をしたいのか、管理以外に求める機能はどのようなものかを確認して導入を行う必要があります。

人事管理アプリ

人事管理アプリは社員の氏名、年齢、性別といった基本情報から配属や給与、役職といった情報、場合によっては給与支払や人事評価の内容なども管理するアプリケーションになります。これまでは給与支払など定型作業が中心にアプリケーションで管理を行っていましたが、近年では人材育成にも焦点が当たり、人事評価の内容も一元管理することで継続的な視点を得られるようになっている傾向にあります。

また、従業員の個人情報を扱うアプリケーションのため、セキュリティ対策は入念に行う必要があります。

グループウェア

グループウェア(Groupware)とは、スケジュール調整や会議室予約、タスク管理などの情報共有や社員のコミュニケーションに活用するアプリケーションを指します。OutlookやZoom、Skype、Redmineなど役割に応じて様々なツールが存在します。これらのツールを利用することで、これまでは紙媒体やメールなどでスケジュール調整、会議室予約を行っていたものを簡略化することができたり、スケジュールを可視化することで進捗管理を行いやすくなります。

業務に応じて様々なアプリケーションが存在するため、簡略化したい業務があったら調べて導入を検討してみると良いでしょう。

業務アプリに使用される開発言語の特徴

実際に業務アプリで使用される言語はどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、よく利用される代表的な言語を4つ紹介します。

Java

JavaはC言語やC++といったこれまでのプログラム言語の弱点を改善するプログラム言語として開発されました。現在でもよく使われる言語の一つで特徴は以下の通りです。

オブジェクト指向

Javaといえばオブジェクト指向です。オブジェクト指向とはモノと役割を分けて定義ができることです。例えば、車というモノと、アクセルを踏むと止まり、ブレーキを踏むと止まるという役割を別で定義します。すると、バス=車、トラック=車と定義することで、役割を使えるようにできます。当たり前のことを言っているようですが、それ以前の手続き型言語ではこの処理ができなかったため、大きな特徴となっています。

多くの企業で利用されている

Javaは習得者が多いことや細かな機能ごとに分けて開発ができることから、多くの企業のシステムで利用されている言語です。

ライブラリが豊富

Javaにはライブラリが豊富にあります。ライブラリとはプログラムを再利用可能な形で提供しているサービスであり、有志によって提供されています。このライブラリを使うことで、開発速度を向上させることができます。

C言語

C言語は1972年にアメリカで開発された言語であり、かなり歴史が古い言語です。現在ではC言語にオブジェクト指向を取り入れたC++という言語もよく利用されています。C言語の特徴は以下の通りです。

汎用性が高い

C言語は業務システムからOSの開発、電子機器を動かすための組み込みシステムなど様々なところで開発することが可能です。このため、汎用性が高いのが特徴です。

処理が高速

多くのプログラム言語では人間が理解しやすい言語に変換されているため、動かす際には開発したプログラムをコンピューターが理解できる言語に変換しなければならず、時間がかかります。C言語はコンパイル言語方式のため、変換が不要で処理が早い傾向にあります。

習熟難易度が高い

C言語は古い言語のため、ハードウェアの制御など他のプログラムでは自動で行ってくれる作業をプログラムで記述しなければなりません。ハードウェアや周辺機器の理解も必要であるため、他の言語に比べ難易度が高い言語になります。

Python

Pythonも近年、非常にメジャーになっている言語の一つです。主な特徴は以下の通りです。

AIやデータ分析、統計分野でもよく使用される

Pythonは近年注目を集めているAI、データ分析、ブロックチェーン開発などによく利用されている言語になります。また、大規模開発にも適しており、「Youtube」や「DropBox」などのメジャーなシステムもPythonで開発されています。

コード記述がシンプル

Pythonは非常にコードがシンプルに作られており、開発が容易です。簡単なため、誰が書いてもプログラムの方向性は変わらない傾向にあり、開発者の意図が読み取りやすいのが特徴です。

Ruby(Ruby on Rails)

Ruby(Ruby on Rails)は1995年に日本で開発されたオブジェクト指向の言語です。以下のような特徴があります。

Pythonと同様、コードがシンプルで読みやすい

Rubyは開発者の目的からも分かるように非常に分かりやすい言語になっています。そのため、習熟者も多く、開発の際にも人材を集めやすいのが特徴です。

開発を効率的に進める強力なフレームワークの存在

RubyにはRuby on Railsというフレームワークが存在します。Ruby on RailsではMVCモデルを採用しており、Model(データ更新)、View(画面表示)、Control(ユーザーからの要求を制御し、Model、Viewに伝える)の3つに分けて開発を行うことで、開発をスムーズに行うことができます。

業務アプリ構築時のポイント

ここでは業務アプリ構築時のポイントを3つ紹介します。

開発範囲の設定

まずは、開発範囲を定義することが重要です。何をどこまでアプリケーション化したいのか業務プロセスを一覧化しながら確認するようにしましょう。自社でまとめていくのが難しい場合にはコンサルタントを導入し、サポートしてもらうようにしましょう。

KPI設定

開発範囲が決まったらKPIを設定するようにしましょう。アプリケーションの品質を担保するため、納期を遵守するために必要なKPIを設定します。例えば、以下のような例が挙げられます。

  • 稼働率
  • テスト件数
  • テスト時のバグ検出割合
  • システム化業務プロセス数

アプリ開発会社との密な連携

開発範囲の設定やKPIの設定が完了したら、開発会社の選定と情報の連携を行います。開発会社を一から選定する場合には様々な企業に相談を行い、企業の特徴や得意分野などをきちんと確認し、信頼できる会社を選ぶようにしましょう。

また、情報の連携後は要件定義からのスタートとなるはずです。KPIやこれまでまとめてきた業務プロセスからどのような業務にしたいのか、新しい業務プロセスを描いておくと良いでしょう。

業務アプリのメリット

業務アプリを導入するメリットは簡単に言うと、業務の可視化と定型作業の除外です。ここでは業務アプリを導入するメリットを具体的に3つ紹介します。

業務の棚卸・整理・一覧化

業務アプリを導入する際には業務プロセスを棚卸して、どこまでをアプリケーション化するのか検討が必要不可欠です。業務プロセスを棚卸していくなかで、実は不要な業務が存在していたり、簡略化できる業務が存在していたり、アプリケーション化するにあたって統一しなければならない業務が発生したりと業務の整理を行うことができるようになります。

このようにして業務を可視化することで継続的な改善が可能となります。

定型業務・ルーチン業務の排除

アプリケーションを導入するもう一つのメリットとして定型作業・ルーチン業務の排除があります。例えば、各種伝票の作成、在庫の把握、会議室の予約など様々なことが挙げられます。これらは最もアプリケーション化しやすく、比較的導入しやすいため、積極的に導入を試みるようにしましょう。従業員がこれらの業務を短縮することで、コア業務に集中しやすく、生産性の向上に繫がります。

経営管理・経営分析力の強化

業務アプリを導入することで、今どれくらい受注が入っているのか、原価率はどれくらいなのか、今月、今期の売上見込みなどをスムーズに可視化することができるようになります。その結果、経営管理や経営分析を強化することができ、迅速に経営方針の立案が行えます。ただし、経営判断に使えるデータにするためには従業員一人ひとりが正しく入力していることが大前提となります。誤登録や登録忘れに対する対策もきちんと行うようにしましょう。

まとめ

ここまでどのような業務アプリがあるか、業務アプリを構築する主要な言語、構築時のポイントや導入のメリットなどを紹介しました。

業務アプリを導入することで業務の可視化と定型作業の除外ができ、迅速な経営判断、コア業務への集中など、生産性の向上に繫がります。近年では、SaaSとしてすぐに使えるような状態で提供しているパッケージソフトも多くあるため、導入コストは下げられる傾向にあります。ぜひ、業務アプリを導入して業務改善に役立ててください。

 

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