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公開日:2025.11.25 更新日:2025.11.25

分散したExcel・SFA・会計データを統合するには?業務データを連携させるステップと注意点

業務データ連携のステップと注意点_アイキャッチ

日々の業務で蓄積されるExcel、SFA、会計システムなどのデータが、部門ごとに分断され、連携されないまま放置されていませんか。

多くの企業が、業務データを活かしきれない状態に直面しています。「何から始めればいいのか分からない」「データの所在すら把握できていない」といった最初の壁を乗り越えるためには、可視化・整理・連携という段階的な取り組みが必要です。

本記事では、分散したデータを統合させる基本ステップと注意点、小さく始めてスケールさせるための戦略を、実践視点で解説します。

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業務データが社内に分散していることによる課題とは?

業務データが社内に分散していることによる課題

企業内に存在するデータは、ExcelやSFA、会計システムなど多様な業務ツールに分かれて蓄積されています。本来、こうしたデータが横断的につながることで、業務のスピードや精度が格段に向上します。

しかし、実際には部門ごとに独立して管理されているケースが大半であり、情報が分断されたまま活用されていない現状があります。データが分散した状態は、単なる非効率にとどまらず、経営の意思決定や現場の判断をも鈍らせる重大なリスクにつながるでしょう。

ここでは、なぜ統合が困難なのか、どのような混乱が生じているのか、放置することでどんな影響が出るのかを整理していきます。

Excel、SFA、会計システムは、なぜ統合できないのか

各システムが個別に存在していても、それぞれが必要な役割を果たしているうちは大きな問題には見えません。しかし、部署間でデータをやり取りしようとした瞬間に、「データがつながらない」「フォーマットが違う」「タイミングがずれる」といった課題が表面化します。

代表的な要因

要因内容
システム間の仕様差APIが非対応、CSV出力形式がバラバラなどで連携困難
データ構造の不一致項目名や単位、日付形式などの不統一
更新頻度の違いSFAはリアルタイム、会計は月次など、同期しづらい
属人的な管理Excelが担当者ごとのローカル保存で情報共有されない

特にExcelなど手軽なツールは、業務の現場に最も多く存在しながらも、バージョン管理や共有ルールが曖昧になりやすく、統合の大きな障壁になります。結果として、部門をまたぐ業務プロセス全体を最適化する上で、大きな壁となって立ちはだかるでしょう。

「どこに何のデータがあるか分からない」が引き起こす現場の混乱

日々の業務で多くの情報が生成されているにもかかわらず、「必要なときに、必要なデータが見つからない」という問題が多くの企業で起こっています

この状態は、単なる検索性の悪さではなく、次のような深刻な業務上の影響を引き起こすでしょう。

  • 顧客情報がSFA、請求履歴が会計、契約書はファイルサーバーとバラバラで、対応のスピードが遅れる
  • 重複入力や転記ミスが発生し、業務負荷が増大する
  • 担当者が異動や退職すると、「どこに何があるか分からない」状態が一層悪化する

このような混乱は、現場だけでなく管理職や経営層にまで波及し、情報の正確性と信頼性を損なう原因となります。結果として、判断のスピードも質も大きく低下してしまいます。

放置された分散データが経営判断を鈍らせる

業務現場の混乱が続くと、その影響は必ず経営層の意思決定にも及びます。分散されたままのデータは、全体の状況を把握するうえで必要な「一貫性のある指標」を提供できません

  • 月次売上の変化を分析しようとしても、SFAと会計データが連携されていなければ営業活動の成果を正しく評価できない
  • 顧客の解約傾向を調べたくても、サポート履歴や契約更新情報が他部門に閉じていて分析できない
  • 複数のシステムから数値を手作業で集めるため、経営会議に間に合わない

このように、分散データは単なる「整理されていない情報」ではなく、判断を誤らせるリスクを含む情報障害となり得ます。統合されない情報基盤のままでは、企業全体のパフォーマンスも最適化されることはありません。

最初に取り組むべき「データの見える化」

最初に取り組むべき「データの見える化」

業務データの統合や活用を目指す上で、最初のステップとして避けて通れないのがデータの全体像を可視化することです。技術的な連携に着手する前に、「どの部門に、どのような種類のデータが、どんな形式で保管されているのか」を把握できていなければ、統合は決して成立しません。

どこに何のデータがあり、どのような状態で管理されているのかを把握する作業は、あらゆる業務システム連携の出発点です。この段階でつまずく企業は少なくなく、最初の見落としが後のコストや工数を大きく左右することもあります。

ここでは、業務データの棚卸と構造の整理から始めるための具体的なアプローチを紹介します。

まずは全体像を把握する──棚卸とデータマッピング

業務データの統合において最初に行うべきことは、既存のデータ資産を洗い出し、可視化することです。

「棚卸」とも呼ばれる工程で、以下のような観点で整理を進めていきます。

項目具体的な確認内容
データの所在どの部署に、どのシステムやファイル形式で保管されているか
管理者誰がそのデータの責任者か(業務・IT部門双方)
利用目的どの業務で使われているか、何の意思決定に使われるか
フォーマットCSV、Excel、DBなどの形式、保管場所(クラウド・ローカル)
保管状況最新か、更新が止まっているか、不要な複製があるか

さらに、部門ごとのデータ項目を横断的に比較する「データマッピング」も有効でしょう。例えば、営業部の顧客マスタと経理部の請求先情報が、どう異なり、どこが重複しているのかを明確にすることで、統合や名寄せの前提が見えてきます。

このステップを丁寧に踏むことで、後工程での誤連携や、不要な開発工数を回避することができます。データを「つなぐ」前に、まず「全体を見渡す」視点が必要です。

業務データ統合の第一歩として、業務棚卸の方法を体系的に学びたい方には、GeNEEの下記の記事もおすすめです。具体的な可視化のステップと、つまずきやすいポイントを回避するための考え方が、実務レベルで詳しく解説されています。

関連記事:業務棚卸から始める業務プロセス可視化

データの種類・粒度・更新頻度を整理する方法

全体像が把握できた後は、各データの特性を整理する工程に入ります。ここでは特に、「データの種類」「粒度」「更新頻度」に注目し、用途ごとに適切な連携設計を行えるようにしておく必要があります。

以下の表に、整理の観点とチェック項目をまとめました。

整理観点チェック項目
データの種類数値/テキスト/日付/IDなど。識別子があるか、形式が統一されているか
粒度(グラニュラリティ)日次/週次/月次などの時間軸、1レコードに含まれる情報量
更新頻度毎日/都度/手動更新など。リアルタイム性が必要かどうか
関連性他システムと重複・関連する項目があるか、どこに影響を及ぼすか

特に注意したいのは、更新頻度が異なるデータをそのまま統合しようとすることが、整合性の崩れや分析結果の誤解釈につながる点です。SFAでは日次で更新される顧客データが、会計側では月次処理の対象となっている場合、両者を連携する際の「時系列のズレ」によって、レポートやBIの出力に誤差が出る可能性があります。

こうしたリスクを事前に把握し、各データの役割や使いどころを理解しておくことで、後の統合や加工処理がスムーズに進むでしょう。単にデータを集めるだけでなく、それぞれの特性に応じた「扱い方の設計」が重要です。

データ統合の基本ステップと注意点

データ統合の基本ステップと注意点

業務データの見える化が完了したあとは、実際のデータ統合に向けた具体的なアクションに進む段階に入ります。しかし、いきなりすべてのシステムを接続しようとしても、うまくいくケースはまれです。統合には段階的なステップと明確な設計が欠かせません

このフェーズでは、まずどのようにデータを集め、整え、連携するのか。その一連の流れと、利用可能な技術の選定、さらに統合後に直面しやすいセキュリティ上の課題まで視野に入れる必要があります。技術導入だけでなく、現場運用を見据えた「使い続けられる仕組みづくり」が成否を分ける要因です。

ここでは、統合の基本ステップと、見落とされがちな注意点を整理しましょう。

データ収集・前処理・連携の3ステップとは

データ統合のプロジェクトを進めるうえで、基本となるのは「収集」「前処理」「連携」の3ステップです。それぞれのステップは個別に独立しているように見えて、密接に関係しています。

ステップ概要注意点
データ収集各システムから必要な情報を抽出。Excel、SFA、会計ソフトなどソースは多岐にわたる抽出時点での形式やデータ欠損に注意。無理な一括抽出は避ける
前処理(加工・整形)データの重複削除、表記ゆれの統一、項目名の統一などを行い、統合に備える見落としがちな文字コードや日付フォーマットの違いに留意
連携(統合)システム間でデータを同期・統合。リアルタイムかバッチ処理かでアプローチが異なる頻度やトリガー条件を明確に設定することが安定稼働のカギ

3ステップを場当たり的に処理してしまうと、後の工程で不整合が発生し、結果的に全体の見直しが必要になります。最小限の対象範囲で一度スモールスタートし、処理の妥当性を検証してからスケールさせる流れが現実的です

API連携・RPA・ETLツールなど技術的選択肢

統合を実現するには、使用するツールや技術の選定が不可欠です。目的や対象システムの構造に応じて、いくつかの手法を適切に組み合わせることが求められます。

以下は代表的な技術手法とその特徴です。

手法特徴適している場面
API連携システム同士をリアルタイムで接続。セキュアかつ拡張性が高いモダンなSaaS間の連携、リアルタイム性が求められる業務
RPA人間の操作を自動化。GUI操作にも対応できるレガシーシステムやAPI非対応の業務
ETLツール抽出→変換→ロードの一括処理に強い。バッチ処理に適する定期的なデータ転送やDWH構築に最適
ノーコード/ローコード連携ツールプログラミング不要で連携を実装。現場主導でも運用可能小規模導入やPoC段階の素早い検証に有効

重要なのは、技術そのものよりも、「誰が運用するのか」「保守はどうするのか」を見据えて選ぶことです。現場任せで属人化させないためには、管理しやすく、将来的な拡張に耐えうる設計が必要になるでしょう。

セキュリティ・権限管理を考慮したデータ設計

データ統合は利便性を高める一方で、情報漏えいや誤操作といったリスクも同時に増大させます。特に、複数のシステムが連携された状態では、1つの操作が他の領域にも影響を与えるため、セキュリティと権限の設計には細心の注意が必要です。

考慮すべきポイント

  • アクセス権の細分化:誰がどのデータにアクセスできるかを明確に定義
  • ログの記録・監査:操作履歴を保持し、不正アクセスの追跡が可能な体制を構築
  • 転送時の暗号化:APIやRPAを通じて送受信されるデータは必ず暗号化処理を行う
  • バックアップと復元体制:統合システムであっても、万が一に備えて復元可能な設計を施す

こうした設計は、開発段階よりも運用フェーズでのトラブルを回避するための先行投資と位置付けるべきです。利便性を高めながらも、企業としての信頼性を損なわない仕組みづくりが欠かせません。

GeNEEの「データ活用基盤構築支援」でできること

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業務データの見える化から統合、連携に至るまで、一連のプロセスには技術的な知見だけでなく、業務フローの理解や部門間での調整、柔軟な開発力が求められます。

GeNEEは、こうした課題に向き合う企業に対して、「実務で使えるデータ活用基盤」をスモールスタートで構築する支援を提供しています。

特徴的なのは、単なるパッケージ導入ではなく、個社ごとの業務特性に合わせて柔軟にカスタマイズ可能な開発体制を持っていることです。Excelで管理されている帳票やマスタ情報をAPIで集約したり、SFAと会計システムの橋渡しをする専用連携ツールを作成したりと、現場が無理なく使いこなせる形での統合を実現しています。

要件が固まりきっていない段階でも、プロトタイプを素早く開発できるMVP開発の仕組みを活かし、小さく試しながら段階的にスケールさせる進め方にも対応しています。いきなり全社展開を目指して失敗するリスクを避けたい企業にとって、現実的かつ着実な選択肢となるでしょう。

また、AIを活用したデータ分析基盤の構築や、スマホアプリを通じた業務データの収集、既存システムとのAPI連携まで、幅広い技術スタックと連携ノウハウを1社で完結できるのもGeNEEの強みです。さらに、セキュリティ診断や運用フェーズでの保守体制も整っており、基盤構築後の拡張・改善にも継続して伴走できます。

単なるシステム開発会社ではなく、「業務とデータのつながりを理解した実行支援パートナー」として、GeNEEはデータ活用の第一歩を踏み出す企業にとって最適な伴走役といえるでしょう。

小さく始めてスケールするための導入戦略

小さく始めてスケールするための導入戦略

業務データの連携や活用基盤の整備は、企業全体に関わるテーマであるがゆえに、つい壮大な構想から始めてしまいがちです。しかし、いきなり全社導入を前提にすると、現場とのギャップやシステム設計の複雑化が障害となり、計画倒れになるケースが後を絶ちません

むしろ、最初は限定的なスコープで着手し、実績を積みながら段階的に展開していく方が、結果として社内定着もスムーズに進みます。

ここでは、失敗を回避しながら、確実に広げていくための「小さく始める戦略」を探っていきましょう。

「いきなり全社導入」では失敗する理由

全社レベルでのデータ統合を一度に行おうとする場合、企画段階から設計・実装に至るまでの調整範囲が非常に広くなります

以下のような落とし穴に陥るケースが多く見られます。

失敗要因説明
要件が膨らみ過ぎる各部門の希望を詰め込むうちに仕様が肥大化し、収拾がつかなくなる
調整コストが高すぎる業務フローや用語、権限が部署ごとに異なり、標準化に時間がかかる
現場がついてこない使い方や価値が伝わらず、導入後に放置されるリスクが高まる
開発期間が長期化する規模が大きくなることでスピード感が失われ、プロジェクトが停滞する

特に、「誰のための仕組みか」が不明確なまま設計が進んでしまうと、関係者の納得感が得られず、利用率が伸びないまま形骸化する恐れがあります。そうしたリスクを回避するには、限られた範囲でまず成果を出し、その後に横展開する進め方が有効です。

部門単位・プロジェクト単位で始めるメリット

全社導入ではなく、特定の部門やプロジェクトに絞ってデータ統合の仕組みを構築する方法は、以下のようなメリットがあります。

  • 対象業務が明確になりやすく、要件定義がスムーズ
  • 現場担当者と密に連携できるため、業務に即した仕様で作れる
  • 成果が早期に見えやすく、関係者の納得感を得られる
  • 仮説検証がしやすく、想定外の課題にも柔軟に対応できる

例えば、営業部門内でSFAとExcel帳票をつなぐ小さな連携から始め、その運用実績を社内に共有することで、他部門でも「うちでもできるかもしれない」という機運が自然と生まれるでしょう。最初の成功事例が、組織全体への展開を後押しする力になるのです。

いきなり本番環境での導入に踏み切る前に、「PoC(概念実証)」というステップでリスクを最小化したい方は、下記の記事もご覧ください。PoCの目的や進め方が実践的に紹介されており、社内提案や検証時の判断材料としておすすめです。

関連記事:PoC支援とは?ITコンサルで失敗を防ぎ成果につなげるプロセスを解説

社内定着とユーザー巻き込みをどう仕組むか

せっかく開発した仕組みも、現場が使わなければ意味がありません導入直後だけでなく、長期的に活用され続けるためには、「現場の巻き込み方」と「定着の仕組み化」が重要です。

以下のような観点で設計しておくと、社内定着のスピードが大きく変わるでしょう。

項目具体的な施策例
現場の声を設計に反映仕様検討時に現場担当者のヒアリングを実施し、導入時の心理的ハードルを下げる
操作のハードルを下げるUIはシンプルに、手順書・トレーニングもセットで提供する
定期的なフィードバック機会利用者の声をもとに、段階的な改善を行う文化をつくる
導入効果の見える化使用前後での作業時間やミス削減を数値で示し、周囲にも価値を伝える

特に重要なのは、現場が「押し付けられた仕組み」と感じないことです。関係者が導入に参加している実感を持てれば、自発的な活用が進みやすくなります。定着の仕掛けも、戦略の一部として設計しておくことが肝要です。

業務の見える化までは進んだものの、その後の改善や定着でつまずいている企業も少なくありません。そうした実行フェーズの課題や打ち手を、ITコンサルタントの視点から深掘りした記事も併せて参考にしてみてください。

関連記事:ITコンサルの視点でわかる業務プロセス可視化

まとめ:データの見える化から始める、無理のない基盤構築

データの見える化から始める、無理のない基盤構築

業務データの統合や活用を目指すには、まず社内に散在する情報の「見える化」から着手することが欠かせません。全社一括導入ではなく、部門単位で小さく始め、運用しながら調整・展開していくことで、現場に根付いた無理のない基盤構築が実現します。

「現実的な設計と確実な実行」この積み重ねこそが、企業全体のデータ活用力を高める第一歩となるのです。

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監修者
飯嶋シロ
飯嶋シロ
コンテンツマーケティングディレクター
<略歴>

慶應義塾大学卒業後、日系シンクタンクにてクラウドエンジニアとしてシステム開発に従事。その後、金融市場のデータ分析や地方銀行向けITコンサルティングを経験。さらに、EコマースではグローバルECを運用する大企業の企画部門に所属し、ECプラットフォームの戦略立案等を経験。現在は、IT・DX・クラウド・AI・データ活用・サイバーセキュリティなど、幅広いテーマでテック系の記事執筆・監修者として活躍している。

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