公開日:2022.11.02 更新日:2024.01.24

メタバースとは何か?ITエンジニアがその意味や活用事例をわかりやすく解説

株式会社GeNEE_メタバース

2020年春季頃から起きたCOVID-19(新型コロナウィルス)の影響を受け、日本でも多くの方が在宅勤務・リモートワークを余儀なくされました。オフラインでのコミュニケーションが著しく低下する中、ZoomやGoogle Meetといったビデオ会議ツール、SlackやChat worksといったオンラインチャットツールが瞬く間に普及し、自宅でも気軽に職場の人や友人と意思疎通が取れる環境が広がりました。またそれらのツールが浸透することで、これまでの生活の在り方が変化しつつあります。そのような状況下、最も注目を集めるものの一つとして、「メタバース」があります。あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、このメタバースはインターネット技術の更なる発展とともに、今後大きな成長余地を持つものと言われています。

メタバースとは?

「メタバース」とは、仮想空間を意味します。インターネット上で三次元の世界を構築し、アバターと呼ばれるキャラクターを作り、その世界に溶け込むことができます。言葉だけではなかなかイメージがし難いかもしれませんが、このメタバースの世界では現実とさほど変わらない状態であらゆる活動を行うことができます。普段の生活と変わらないように、時(時間)が流れ、その三次元の世界の中で自身のキャラクターを操作し、職場の人や友人と集まって打ち合わせを開いたりすることができます。

メタバースの語源

メタバースという言葉の語源は、英語のMeta(日本語では高次元や超越といった意味があります。)とUniverse(宇宙や領域、空間といった意味があります。)を組み合わせた造語として、Meta-verseと呼ばれるようになりました。日本語では、高次元の空間、つまりは仮想空間を意味します。意外にもこのメタバースという言葉は1992年から存在しており、初期はアメリカの小説家、Neal Stephenson氏が書いた書籍「Snow Crash」の世界をメタバースと表し、使われています。

日本ではあまり使われてこなかったこのメタバースですが、2003年にリリースされた三次元仮想空間の「Second Life」もメタバースの一種であり、2000年代前半から後半にかけて、仮想空間におけるユーザ間の意思疎通や売買取引は存在しており、実はそこまで新しい概念ではないのです。

メタバースがの活用事例

世間を騒がせているこのメタバースですが、今後以下のような様々な分野・領域で適用されると考えられます。

活用事例1:イベント開催

メタバース上でイベントや展示会の他、音楽ライブや企業の商品発表会・業績発表会が開催されています。今後はネットワーキングパーティや異業種交流会といった人材交流系のイベントにもこのメタバースが活用される可能性があります。現段階においては、DOORやClusterといったサービスがメタバースを利用しています。

活用事例2:オンライン会議

メタバース上の3D空間上にオフィスを設置し、従業員同士のコミュニケーションやプレゼンテーション等が可能になります。在宅勤務やリモートワークが急速に広がりを見せていますが、今後は在宅勤務をしながら自身のアバターを通じて他の従業員とおしゃべりをしたり、プレゼンテーションの場をセッティングできる世界が広がるはずです。現在においては、Horizon Workrooms、NEUTRANS Biz、NTT XR Coworking、2021年にMicrosoft社が公表した「Mesh for Microsoft Teams」といったメタバース系のサービスが徐々にではありますが、拡大を見せています。

活用事例3:コンテンツの鑑賞

音楽や動画だけでなく、文化財の鑑賞などにもメタバースが使われています。ただ音楽や文化財を鑑賞するだけでなく、今後は参加者同士のコミュニケーションや鑑賞後のフィードバック等の機能も充実してくると推察します。現段階では、バーチャル国立博物館等でメタバースを活用した取り組みが動き出しています。

活用事例4:ゲーム分野

ゲーム分野はメタバースの導入がいち早く進んでいると言えます。仮想空間上のゲームを通じて参加者間が交流します。今日においては、ユーザ自身がVR空間を作り、独自にプレイを進めることができるゲームも発売されています。主なものをあげると、RobloxやRecRoom、Fortnite、任天堂の人気ゲーム「あつまれどうぶつの森」も広義の意味ではメタバースの一種と言えるでしょう。

活用事例5:不動産分野

メタバース上で実建物を再現し、その空間の中での内覧が可能になります。3Dスキャン技術と掛け合わせる形でサービスが広がっていくでしょう。主なサービスとしては、おうち見学会やMatterport Showcaseなどがあげられます。

活用事例6:ミラーワールド

現実都市や実店舗をメタバース上に配置します。これにより、参加者は実店舗の商品購入、観光名所での体験をメタバースの中で行うことができます。先行しているサービスとしては、池袋ミラーワールド、REV WORLD(バーチャル伊勢丹)、バーチャル渋谷、バーチャル沖縄などがあげられます。

GeNEE_メタバースが注目を集める理由とは

メタバースが注目を集める理由

先述の通り、大手企業やテック系のスタートアップがこのメタバースに注目し、様々なサービス開発にあたっています。それでは何故企業がしのぎを削ってメタバースに投資しているのでしょうか。本章ではメタバースが注目を集める理由について触れたいと思います。

注目を集める理由その1:SNSを超える情報量・情報の質

現在、Facebookをはじめ、InstagramやTwitter、TikTokといったSNS系のサービスが高い人気を誇っています。しかしながらこのメタバースはSNS系のサービスを超える可能性を秘めており、だからこそ多くの企業がメタバースに注目しているのです。その理由の一つが情報量です。SNSでは基本的にはテキストや画像等を通じてコミュニケーションを取りますが、メタバースでは、自身の分身であるアバターを通じて機微な表情や表現を伝えることができます。現実世界と変わらないコミュニケーションの実現により、SNS以上のユーザを集められる可能性があり、注目を集めているのです。

注目を集める理由その2:非日常体験を参加者に提供できる

メタバースでは、参加者が自由に独自の世界を構築することが可能です。より現実世界に近い世界を作り出すことも可能ですし、反対に現実とはかけ離れた非日常空間を創造することも可能です。SNSや現実世界では、どうしても非日常体験を味わうことができません。だからこそメタバースに多くの参加者が集まる可能性があるのです。

注目を集める理由その3:新たなビジネスエコシステムの創造

2022年11月現在、グローバルカンパニーや大手VC(ベンチャー・キャピタル)がメタバースに多大なる投資を行っています。実店舗をバーチャル化し、メタバース上での商取引や仮想通貨を利用した売買取引も徐々に増えつつあり、今後新たなビジネスエコシステムが生まれる可能性を秘めています。近い将来、リアルの世界よりもメタバース空間内での取引高の方が大きくなるとも言われており、多くの企業、投資家の注目を集めているのです。

 

メタバースが抱える課題

注目を集めるメタバースですが、まだ多くの課題を抱えていると言えます。ここでは技術・運用面の課題と制度面の課題を切り分けて説明します。

技術・運用面の課題

技術・運用面では、ハードウェア(デバイス機器)の制約を受けることになりますので、作るサービスやプロダクトによってはハードウェアが成熟するまで技術的な課題を抱えた状態になるでしょう。またメタバースをサービスやプロダクトに組み込む場合、最先端の技術実装になる可能性が高く、開発コストもそれ相応のものになります。実店舗や観光名所をメタバース上で再現させる場合、その中で商取引が行われます。そのため、セキュリティ対策も念入りに行う必要があり、運用維持コストも通常のシステムやアプリ以上に掛かってきます。

制度面の課題

技術・運用面だけでなく、制度面でも様々な課題を抱えていると言えます。一例をあげますと、実際に動かすアバターを実名制で管理するのか、それとも匿名性で管理するのかなど、個人情報の扱いについても厳重に扱うことが求められます。また参加者が増えると、それに合わせていやがらせや詐欺的行為・暴力的行為を目論む人も少なからず出てくることでしょう。そのため、トラブルを予測した制度設計やルール整備が必要になってきます。昨今、GAFA(Google, Apple, Facebook, Amazonの頭文字を取った略称 )のいくつかの会社が世界各地で問題になっているように、消費者から取得する行動データの取り扱いにもしっかりと向き合う必要があります。今後はアバターを通じた顔の表情や表現なども取り扱うことになりますので、個人情報漏洩が起きない、厳重なデータ管理が求められてくるはずです。

おわりに

本記事では、メタバースとは何かについて、具体的な活用事例を交えながら解説しました。メタバースを既存サービスに組み込むことで、新たなユーザの獲得、延いては企業業績の向上に繋がる可能性を秘めています。今後メタバースの導入や組み込みを検討されている方は、繋がりのある開発会社やコンサルティング会社に相談をしてみてはいかがでしょうか。弊社・GeNEEも下記の問い合わせフォームからメタバース関連のご相談を受付しておりますので、お気軽にご相談・ご連絡いただけたらと思います。

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