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近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)動向に合わせて、自社基幹システムの導入を検討している会社やシステム刷新を検討している会社も多いのではないでしょうか。その際、外部ベンダーに委託してシステム開発を行ってもらうことになります。しかしながら、委託できそうなシステム開発会社を調べてみると以下のような悩みが出てくることがありませんでしょうか。
・ベンダー数が多く、自社にあったシステム開発会社を選定できない
・システム開発会社の差別化がうまくできない
・そもそもどのように比較をすればよいのかわからない
ここでは、そのような会社に対してどのように自社に合ったベンダーを選定するのか、おすすめの方法を紹介します。
システム開発会社とは?
システム開発会社とは、お客様のシステムの開発を行うために、多くのシステム開発のノウハウを有していている受託開発会社を指しています。専門のシステムエンジニア(略称:SE)やプログラマー(略称:PG)が在籍していて、高いITリテラシー、ITスキルを駆使してお客様のサポートを行います。また大きなシステム開発会社ともなると、システムの専門知識だけでなく、業界や業種に関する知識、業務に関する知識、そしてビジネス全般の知識やノウハウを保有しています。そのため、システム開発を利用してお客様の業務サポートや業務改善の支援サービスなども提供することができます。また、近年主流となりつつあるDX(デジタル・トランスフォーメーション)などにも対応しており、システムだけでなく、組織全体や業務全般を改善してくれる開発会社も存在します。
しかし、その一方で基幹システムに力を入れている会社、Webシステムに力を入れている会社、CRMと呼ばれる顧客管理システムに特化している会社など、開発のし易さを重視し、特定領域に注力するシステム開発会社が増えてきています。そのため、システム開発会社を選定する際には、「その会社がどのような分野・領域に注力しているのか。」、「様々なIT課題を相談することができる会社なのか。」などを調べることも重要です。
システム開発会社の選び方3選
システム開発会社は多様に存在しており、なかなか選ぶことが難しいと思います。ここではシステム会社を選定するにあたってポイントなる点を3つ紹介します。
ワンストップで運用保守まで対応してくれるか
システム開発とは要件定義から設計、試験、システム開発、リリースまでを行ったら終了ではありません。システムというのは開発の後の運用保守がとても大切になります。システム構築時にはいち早くリリースし、効果を測定するために必要最低限の機能のみでリリースすることも少なくありませんし、ビジネスチャンスを逃さないためというのもあるでしょう。そのため、システムをリリースしてからしばらくは多くの改修が入り、より自社の細かな要件に合わせていくフェーズになります。
しかし、このシステム開発会社の一部は、運用保守には対応していません。その場合に、システムの運用保守を他のシステム開発会社(以下、ベンダーとします。)に委託しなければなりません。他のベンダーを選定するとなると、新たに選定する調査費用や人的コストも掛かりますし、ベンダー間の引き継ぎで余計なコストも掛かります。また、引き継いですぐはシステムの詳細までを理解していないため、開発トラブルも発生することが予想されます。そのため、システムの開発を依頼する場合には運用保守まで継続して対応してくれるかも検討するようにしましょう。
また、システムの要件定義工程とシステム開発工程間でも同様のことが言えます。要件定義のみに対応している会社は現在では少ないですが、要件定義工程とシステム開発工程間でベンダー入れ替えとなると、多くの引き継ぎコストが発生します。要件定義から開発も一気通貫でやってくれるベンダーを探すように心掛けましょう。
システムエンジニアの能力・スキルは十分か
自社のシステムとベンダーが有しているスキルの相性、システムエンジニア個々人の能力やスキルも非常に重要な要素です。エンジニアのスキルが不十分な場合、調査や技術面の体得期間などで余計な工数が必要になってしまいます。システムとしても、本来であればシンプルな技術で実現できるのに、その技術をエンジニアが熟知していないがために、実現できなかったりします。場合によっては、システム開発プロジェクト自体が途中中断してしまうということも十分に考えられます。依頼するシステム開発会社に所属するシステムエンジニアの能力やスキル、経歴、また最先端技術のキャッチアップを行っているかなどはその会社のHP等を通じてしっかりと把握するようにしましょう。
ベンダーやシステムエンジニアの能力を測る方法は様々ですが、例えば、以下のような手順があります。参考にしてください。
1.自社が構築したいシステムがどのようなシステムなのか、一度棚卸をするようにしましょう。可能であれば、必要な技術要件まで落とし込めると良いです。しかし、自社にIT担当者がいない場合には難しいと思いますので、新しく開発するシステムにはどのような機能を搭載したいのかまでは落とし込むようにしましょう。
2.ベンダーのホームページにはこれまでの案件例を紹介しているページがあります。そのページを確認し、自社が実現したい機能開発の実績を持つシステム開発会社がないかを調査しましょう。候補となるベンダーを2,3社程ピックアップできるとよいです。場合によってはRFI(情報提供依頼書)を作成し、企業から事例集などをもらうのも一つの手でしょう。候補ベンダーが4社、5社と増えすぎると膨大なコミュニケーションコストがかかることが想定されます。社数を限定することで、後工程も円滑に進むと思われます。
3.ベンダーの一次選定が完了したらRFQ(見積依頼書)やRFP(提案依頼書)を作成して、具体的な比較検討を行いましょう。比較検討表には以下のような内容を盛り込みます。同一の情報を与えて回答を得ることで、企業との能力、相性を同じ条件で比較します。
<RFP具体例>
分類 | 記載内容詳細 |
システム概要 | システム開発の背景、目的
会社・組織の概要、プロジェクト予算 |
提案依頼事項 | システム構成、性能、品質、納期スケジュール
納品条件、コミュニケーション体制、プロジェクト管理方法、技術選定(開発言語、 開発手法)、イニシャルコストの費用感、ランニングコストの費用感など |
提案手続き | 選定方法 |
開発条件 | 開発期間など |
ディレクター/プロジェクトマネージャーとの相性は良いか
システム開発におけるディレクター/プロジェクトマネージャーとは、システム開発を行うプロジェクトの管理者のことを指します。大きなプロジェクトであれば、予算調整や契約関連、人員管理などが主な業務となります。一方、小さいプロジェクトでは要件定義や開発管理なども行うことがあるでしょう。
このプロジェクトマネージャーとの関係性が良好に保てるかがシステム開発プロジェクトにおいて重要なポイントになります。システムにおいて成功を左右するのは「コミュニケーション」であると言っても過言ではないからです。プロジェクトマネージャーと相性が悪い場合、伝えるべき要件を伝えることができなかったり、要件定義工程で双方間の認識齟齬が発生したり、多くのリスクを伴うことになります。また、高い技術を利用したシステムを作り上げても「思っていたのと異なる。」システムを作ってしまう可能性があるのです。
システム開発の状況ヒアリング時や提案時などプロジェクトマネージャーと話すときには必要なことを話せる間柄になれそうかどうか見極めるようにしましょう。
システム開発会社に発注する際の注意点
システム開発会社から提案があったときに、気をつけるべきことを3つ紹介します。
決して費用感だけでは判断しないこと
システム開発会社にはさまざまな特徴があり、それぞれの会社で長所も異なります。例えば、日本人の優秀なエンジニアを活用して高品質な設計・開発・試験サービスを提供している会社もあります。また、中国やインド、ベトナムといった低コストな海外人材(オフショアと呼ばれるものです。)を活用して低予算でも、一旦は動くシステムを作り上げられるような会社も存在します。近年では、中国やインド、ベトナムの人件費高騰に合わせて、さらに低コストなバングラデシュやミャンマーに拠点を移し、開発支援サービスを提供する会社もあります。ただ、「安かろう悪かろう」という諺(ことわざ)があるように、トラブルの数も年々増え続けています。特にシステム開発は建設と同じように、半年から数年といった長丁場になることが大半です。納品後に「想像していたものと全く違うシステムが出来上がってしまった。」、「細かなバグ(不具合)が大量に発生していて、システムとして使い物にならない。」、「発注していた海外の開発会社と突如連絡が取れなくなってしまった。」という話は実際に起こり得るのです。
そのため、システム会社を選ぶ際には決して費用感だけではなく、さまざまな観点から検討することが重要です。検討要素としては、先述したシステムエンジニアの能力やスキル、経歴の他、インターネット上の第三者評価(口コミ評価)、コミュニケーション体制、開発実績、後続の支援体制(運用保守など)があります。しかし、それぞれ求めている水準は企業によって異なると思います。システムの構築を依頼する際には、自社の求めている基準を明確に定めることが重要です。評価を点数化するなどしてわかりやすく判断できるように心掛けましょう。
重要な上流工程をしっかりリードしてくれる開発会社か
システム開発における上流工程とは要件定義や基本設計を該当します。最近では、更なる上流である「企画・構想」や「コンサルティング」工程を指すこともあります。多くの会社ではシステム開発の知見が少なく、どのように開発プロジェクトを進めたら良いか分からないはずです。また、システム開発が実際にスタートするまで具体的なモノが存在しませんので、イメージで議論を進めなければならないことが通常です。そんな中、システム開発会社に詳細な機能要件等を伝達し、返答をもらった上で自社で再検討することはなかなか大変な作業です。
そのため、システム開発会社から提案があった場合に上流工程をしっかり進めてくれる会社かどうか見極めることも非常に大切なことです。例えばですが、上流工程から必要に応じてデザインカンプ(サンプル画面)などを制作して、共通認識を持たせるような工夫をしてくれたり、検討課題・検討事項を抜け漏れなくドキュメント化し、作業を進めたりしてもらえることで、効率良く高品質なシステム開発を行うことができます。システム開発会社を選定する際には、その会社に上流工程の強いシステムエンジニアが存在するか、確認してみると良いでしょう。大手開発会社出身のシステムエンジニアが在籍する会社であれば、上流工程の要件定義や基本設計のスキルやノウハウを保持している可能性が高いため、一つの評価軸として検討してみるのも良いでしょう。
コミュニケーション力・提案力のある開発会社か
システム開発プロジェクトはコミュニケーション力と提案力によって成立すると言っても過言ではありません。ここでのコミュニケーション力とは、お客様側が提示する要件を正確に把握し、質問に的確に答える能力を指します。自社とシステム開発会社が互いに的確なコミュニケーションを取ることで要件を明確にし、認識齟齬なくシステム開発プロジェクトを進行できます。また、システム開発に対する知見やノウハウがない会社も多いと思います。せっかく開発プロジェクトに参画するのであれば、システム開発会社のシステムエンジニアと良好なリレーションを築き、ITや開発技術について色々と質問できる関係を築いても良いのではないでしょうか。
システム開発会社から提案を受けた際には提案内容を確認し、提案力がある会社かどうかも見極めるようにしましょう。また、提案の説明時には質問を行い、質問に対して的確に答えられているか、観察してみましょう。提案をしているプロジェクトマネージャークラスの人間が的確な回答を行うのであれば、システム開発会社として社内教育がきちんとされていると判断できます。
まとめ
ここまで、システム開発会社とはどのような会社なのか紹介し、システム開発会社の選び方や注意点などを紹介しました。
システム開発は多くの会社にとって不慣れなものであり、以下のような能力をもったシステム会社であることが重要です。
・主体性を持ってシステム開発をリードしてくれること
・十分なコミュニケーションや提案力を有していること
また、システム会社を選ぶ際には費用だけでなくさまざまな観点から評価をする必要があります。特に重要なのが以下の3点です。
・運用保守を含め長期的にサポートしてくれること
・システムエンジニアの技術力が自社とあっていること
・ディレクター/プロジェクトマネージャーとの相性が良いこと
これらを参考にして自社に合ったシステム開発会社を選ぶようにしましょう。
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