公開日:2024.01.30 更新日:2024.02.05

UI(ユーザーインターフェース)デザインの重要性。使いやすい画面設計の要点と事例について解説

GeNEE_UI(ユーザインタフェース)デザインとは何か

現代社会において、スマートフォンやPCなどITシステムに触れない日は無いと言えるでしょう。

ユーザーインターフェース(UI)デザインは、生活に浸透した様々なシステムとユーザーとの接点として重要な役割を果たしています。

様々な機能を持ち、生活や業務において不可欠となった各システムやアプリですが、ユーザーにとって使いやすいUIはユーザーエクスペリエンス(UX)の基盤となります。

また、UIデザインは見た目の美しさだけでなく、システムの機能面とのバランスが重要です。ユーザーにストレスを与えず、スムーズな操作を実現する為には、ユーザー視点を持った開発が必須となります。

今回は「UIデザインの重要性。使いやすい画面設計の要点と事例について解説」と題し、なぜUIデザインがビジネスやユーザーにとって不可欠なのかに焦点を当て、成功するUIデザインの要点と実際の事例についてご紹介します。

システム開発・アプリ開発を依頼・相談するならGeNEE

UIとは何か。UXとの違いとは。

まずはじめに、UI(ユーザーインターフェース)とは何かについて触れておきます。

UIは結論から言えば、ユーザー自身がプロダクトやシステム・アプリに触れる接点部分を指しています。

例えば、スマートフォンアプリの画面上のアイコン、各種Webサイト上のメニューやボタンを指します。

また、システム・アプリ領域の他にもUIは存在します。例えば、家電製品の操作パネルなど、ユーザーと機能の間に存在し、ユーザーからの指示を受け入れる箇所がUIです。

一方UIとセットで語られ、時に混同することも多いUX(ユーザーエクスペリエンス)についてです。

UXとは、ユーザーが製品やシステム・アプリを利用することによって得られる体験のことです。「目の前の製品の機能を使いこなし目的を達成できた」「ストレス無く快適な使用感を楽しめた」などといった主観的なユーザー体験の質をUXと呼びます。

つまりユーザーは「UI→システム等の機能→UX」という順路で、様々な製品やシステム・アプリを使用し、体験を得ることになるのです。UXに関して詳細を知りたい方は以下のページをご覧いただけたらと思います。

UIとUXの違いと関係性を分かりやすく明示できるひとつの例として、ECサイトが挙げられます。

ECサイトでは目的の商品を検索しやすいメニュー表示や、分かりやすいカート、決済がしやすいボタンなどのショッピングフローを実現するのがUIです。

一方で「このECサイトでの買い物が楽しい」「オススメされる商品が的確で嬉しい」といった部分がUXになります。

このように、ユーザーは最適なUIを経由して自身にとって最高のUXを実現します。これが、UIとUXの違いと関係性です。

使いやすいUIを実現する為の基本的な設計方法

次に、使いやすいUIを実現する為の基本について触れてみます。

使いやすいUI(ユーザーインターフェース)を設計するには、まずユーザーの特性や行動パターンをしっかりと把握・分析し、直感的に悩まずに理解できる操作性を実現することが重要です。

以下では、使いやすいUIを実現する為の基本事項を3つに分けて解説します。

UI設計の基本その1/シンプルを心掛ける

開発者目線では「あれもこれも機能実装した方が、多機能で便利になるに違いない」という思考に陥りがちです。

ところが実際には、あまりに機能を盛り込みすぎると操作方法が複雑になり過ぎます。開発前のペルソナ設定をしっかりと行い「そもそもこのシステム・アプリは、ユーザーに何をもたらすことが目的なのか(UX)」というゴールを立て、逆算して余計な機能をそぎ落とす思考が重要です。

アンケートや利用データを有効活用し、必要な機能に絞り込み、ターゲットとなるユーザーが、そのシステム・アプリに求める結果に最短距離で到達できる設計を目指すべきです。

シンプルな画面デザインを基本としながらも、テキストの見やすさなどユニバーサルデザインの考え方も取り入れ、多様なユーザーに受け入れられる設計をすることが重要です。

UI設計の基本その2/一貫性のあるデザインでインターフェースの標準化をはかる

ユーザーが迷わずに使えるUIを目指す場合、まとまりのある画面デザインで見た目のイメージを統一することに加え、メニューやアイコンの配置、操作手順のパターン化が重要になります。

ボタンのデザインから情報の表示方法、さらにはコンテンツそのものの構成まで、すべての要素が一定のルールの下に処理される必要があります。これにより、ユーザー目線では「同じシステム・アプリの中ではひとつの操作方法を覚えるだけで快適に操作ができる」という優れたUXにもつながるのです。

UI設計の基本その3/ユーザーの置かれている状況を明示し迷子を防止する

システム・アプリ上でユーザーが情報を入力した際、確認メッセージの表示や処理中アイコンの回転などで現在の状況がリアルタイムに分かるよう支援します。エラーメッセージも原因が正確に伝わる文言と視覚的な解決方法を示すことが重要です。

これらのUIを取り入れる事により、ユーザーにとって「この処理はいつまで待たされるのだろう?」「フォーム入力の何が間違えているのか分からない」など、システム内で迷子になってしまう事態を予防できます。

結果として、ユーザーにとってストレスフリーなUXの提供を実現し、離脱を防ぐ事にもつながります。

このほか、多言語化や年齢属性の異なるユーザーへの配慮など、幅広いターゲットへの対応も重要視されています。

現代のシステム・アプリ開発には「誰でも簡単に扱える」という、シンプルながらも難易度の高いUIを実現する設計力が求められていると言えます。

GeNEE_マルチデバイスに最適化されたUIデザイン

マルチデバイス時代のUIデザインの最適化

スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスの普及により、UIデザインのニーズも多様化しています。PCに比べ狭く限られた画面の中でユーザーにとって、使いやすく魅力的なUIをどのように設計するかが重要な課題となっています。

モバイルを主眼としたUIデザイン最適化の第一歩は、表示サイズの制限や縦横切り替えなどデバイスの特性を前提とすることです。また人の持ち方や手の大きさによって画面上のコンテンツへの指の届きやすさが大きく変わるというユニバーサルデザイン的な点にも注意が必要です。

それらを考慮した上で、UI要素の配置やサイズ感は直感的に分かりやすいものにする必要があります。重要な機能は画面の下部中央に分かりやすく配置し、フォントサイズや種類は読みやすさを優先します。アイコンやメニュー数も必要充分なものに絞り込みます。過度な情報量は避けつつも、ユーザーが目的を達するに充分な情報量をキープする必要があります。

色使いへの配慮もUIを考える上で重要な要素です。特にモバイルデバイスは、使用する環境の幅が広く、光の反射で視認性が変わることを考慮する必要があります。強いコントラストで判別しやすいトーンを選ぶのが良いでしょう。また、アプリ利用ユーザーのペルソナによっては、ダークモードの設計も重要な要素のひとつです。

さらに、モバイルデバイスでは通信環境の影響も大きいため、動きが大きいUIや処理の重い表現は極力避け、スムーズな反応速度を保つことも大切です。

このように「ユーザーの利用環境」を想定することが、誰もが直感的に操作できる最適なモバイルUIの実現では重要な意味を持ちます。

モバイル端末の種類も、スマートフォンやタブレットだけではなく、スマートウォッチなども一般的になって来ています。技術とユーザービリティを兼ね備えたUIデザインは、マルチデバイス化が進む中でますます重要さを増すと考えられます。

また、PCやスマートフォン、スマートウォッチなどを横断したサービスのためのUIでは、アイコンやカラーのイメージの統一も「ユーザーがすぐに機能を把握できる」という意味で非常に重要です。

身近にあるUIデザインの成功例3選

それでは、実際に私たちの身近にある様々なシステム・アプリの中からUIデザイン目線での成功例を3つ程挙げてみたいと思います。

UI成功例その1/Apple社のiOSデバイス

私たちの身近にあるUIデザインの成功例を挙げるとき、Apple社のiOSデバイスを無視するわけにはいきません。

iOSではアイコンやメニュー、フォントまですべてが統一感を保ちつつシンプルかつ洗練されたデザインで、見た目の美しさだけでなく操作性という実用面でも大きな価値を提供しています。

例えばアプリアイコンは丸みを帯びた四角形で統一されており、アプリごとの個性と一貫性を両立させるバランスが優れています。配置も一定のグリッドルールの下に処理されているため、どのアプリも起動に迷うことがありません。

また、写真アプリや地図アプリなどのUIも、表示されるデータを生かす形で非常に洗練された印象です。写真のサムネイルや地図のアイコン類は過不足なく配置され、必要な機能ボタンのみが画面上に表示されるため、高い視認性と操作性を実現していると言えます。過不足無く表示する情報の整理という、UIデザインをする上での壁のひとつを容易に乗り越えています。

このようにApple社のiOSデバイスでは、単なる見た目の美しさや個性だけを追求したデザインではなく、長時間利用してもストレスを感じさせないUX視点でも優れている事が大きな特徴です。情報と操作を一体化したデザインはモバイルにもっとも適していると言え、iOSデバイスのUIはモバイル端末の最適解のひとつであると言っても過言ではありません。

UI成功例その2/Google社のGmailアプリ

Apple社のUIデザインに触れたのであれば、もう一方の雄であるGoogle社のUIデザインにも触れないわけにはいきません。

YouTubeやGoogleフォトなど、Google社のサービスではコンテンツを生かすUIに定評があります。

写真や動画といったメディア要素が、ユーザー大して過不足なく提示されており、視覚的な美しさを保ちつつ、メディアを楽しむためのUIがどこまでも最小化されているのがGoogle社の得意とするUIの特徴のひとつです。

中でもここでは、スマートフォンで使用している方も多いであろうGmailアプリのUIについて触れてみます。

Gmailアプリの最大の魅力は、メールの送受信という基本機能に特化したシンプルながらも洗練されたUIデザインにあります。

メールサービスにおいて最も重要なメール本文とタイトルだけをメインに配置し、その他の要素は最小限に抑えることで、重要な情報の可読性が最大化されています。

例えば、Gmailアプリで1通のメールを開いた際のUIは、本文の文字数に合わせて自動で拡大できる1カラム構成が基本となっています。

行間やマージンも適切にとられており、メール文章の読みやすさは非常に高い水準に保たれています。送信元やタイトルといった補助情報も必要最小限の要素のみを表示することで、メインの本文部分が引き立ちます。

また、メール一覧画面においても、タイトルや受信日などの最小限の表示のみに抑え、サムネイルプレビューともにシンプルながらも必要不可欠な情報だけがコンパクトに示されます。メール本数が多くなっても、見やすさは維持されるよう配慮されているのがうかがえます。

このようにGmailは、UIデザインの基本となる適切な情報量と視認性を確保できる空間の使い方が非常に上手く丁寧な仕事をしている印象です。

UI成功例その3/Amazon社のECサイト

身近にあるシステム・アプリのUIデザイン成功例の3つ目として、こちらも多くの方が頻繁に利用しているであろう、Amazon社のECサイトを挙げます。

Amazon社が世界有数のECサイトとして成長を遂げられた大きな要因の一つに、消費者がストレスなく商品を探し購入できる洗練されたUIデザインがあげられます。膨大な商品数に対して、ユーザーに快適な検索性を提供するUIは大変優れていると言えます。

商品検索時に表示される条件設定のオプションのバランスは優秀で、ユーザーの商品需要に合わせた絞り込みがスムーズに行えるようデザインされています。また、左サイドのカテゴリーメニューも商品数の多寡に関わらず均一な量で表示され、優先順位が合理的です。

さらに検索結果として表示される商品群では、サムネイルと簡潔なテキスト情報の組み合わせで効率的に必要情報が提供されます。商品タイトルや金額、評価がすぐに確認できるので、自分にあった商品を素早く絞り込むことが可能です。

この辺りは、世界有数のECサイトとしての歴史と膨大なフィードバックを背景とした、Amazon社ならではの改善の跡が見て取れます。

このように膨大な商品数に対してユーザーが迷子にならない優れたUIデザインこそが、Amazon社のECサイトの最大の武器であるとも言えます。

EC業界最高峰のAmazon社のUIデザインは、業界のスタンダードを確立しています。

GeNEE_UIデザインのまとめ

まとめ

システム・アプリ開発の場においてUI(ユーザーインターフェース)デザインが持つ意味とその重要さに触れてきました。

優れた機能を持つシステム・アプリを開発するだけでは、真にユーザーの満足には辿り着けません。ユーザーが求めている結論や体験(UX)に対して、開発するシステム・アプリをどのように届けるべきかという部分に真摯に向き合い、ユーザーに満足を与えるための入り口がUIデザインです。

私たちの生活に入り込んだIT技術は日々進化し続け、PCやモバイル端末だけではなく、スマートウォッチなど様々なウェアラブルデバイスも浸透してきています。

また、近い将来VRやMR、XRといった仮想現実や拡張現実のジャンルも、私たちの生活に深く浸透するかもしれません。

それらの技術を快適に使用するために不可欠なUIデザインですが、IT技術の進化や生活様式の変化に伴い、その重要度も日々増していくことは必然であると言えます。

システム開発やアプリ開発のプロジェクトにおいて最重要要素であるUI/UXデザイン。弊社はただシステムやアプリを設計・開発するだけでなく、ユーザの反応等を確かめながら正確にデザイン設計も進めております。「新規事業としてアプリ開発を検討している。」、「今のシステムの操作性が非常に悪く、従業員から沢山のクレームが届いている。」そのようなお悩みをお持ちのご担当者様は是非GeNEEまでお気軽にご相談いただけたらと思います。お客様のニーズや将来的な事業方針をヒアリングした上で最適な開発手法をご提案いたします。こちらの問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

人気の記事
  • メディア
  • UI(ユーザーインターフェース)デザインの重要性。使いやすい画面設計の要点と事例について解説
↑