公開日:2022.06.19 更新日:2023.06.14

金融業界におけるDXの課題とその活用方法から成功事例までを解説

Digital Transformation

日本の企業でもようやく経営戦略やIT技術を用いた戦略においてDX化の推進が図られるようになってきました。金融業界はIT化・DXの推進は他の業界よりも遅れているため、特に急速に実現していくことを求められていますが、昔からのシステムをなかなか変えられない、ビジネスモデルが固まっているなどDX推進の上で課題が多いのが現状です。
色々な業界でDXが進められる中で、今回は特に日本経済の基盤とも言える金融業界に焦点を絞り、課題と金融業界におけるDXの活用方法、DX化を実現した成功事例を見ていきたいと思います

金融業界が直面するDX化への課題

まず、金融業界でDX化が遅れる背景と直面している課題について見ていきましょう。
以下に掲げる点が課題と考えられます。

  • レガシーシステムから抜け出せない
  • 収益全般の減少
  • 進化する顧客体験に追いつかない

それでは、一つずつ説明していきましょう。

・レガシーシステムから抜け出せない

金融業界のIT技術の導入は他業種よりも早く、高度なシステムも導入されていました。しかし、それらの技術の刷新や保守が進まず、レガシーシステム化しているのが現状です。昨今では他業種から金融業界への進出をし始めている企業もあるので、如何に早くレガシーシステムから脱却するかが重要であると言えるでしょう。

・収益全般の減少

金融業界は、様々な方法で収益を得ていますが、中でも大部分を占めているのが、顧客からの手数料です。
しかし、現状この手数料だけで収益を伸ばすことは難しく、特に銀行業では無料で持つことができた口座の手数料や通帳を新たに発行する際に費用を徴収するなど始めているところも出てきています
また、少子高齢化が進むことで、社会保険料の引き上げにつながり、手取りの収入が減る低所得化が進むと予想されます。このことが原因で更なる手数料の引き上げをせざるえを得ない状況となりますが、そもそもサービスを利用する人の数が減ってしまえば、金融業界全体で苦しい状況に追い込まれることは想像ができます。
それ故、DXを推進することで古くからのビジネスモデルを刷新し、課題の解決に向けて進まねばならないと言えるでしょう。

・進化する顧客体験に追いつかない

金融業界以外のサービスにおいても、便利で効率的なサービスを受けることに慣れてきた顧客にとって昔ながらの金融業界のシステムでは満足しない状況になってきています。銀行や証券会社でもアプリケーションを導入し、以前よりは使い勝手は良くなってきてはいるものの、ただ利用できるだけではなく、洗練されているか否かが重要となるため、そのためにも抜本的な戦略を練ることが必要となります。

金融業界におけるDX化の活用方法

さて、ここまで述べてきたような課題に対して、DXを活用する方法を詳しく見ていきたいと思います。

以下に掲げる3点が主だった活用方法として考えられます。

  • クラウドの活用
  • RPAの活用
  • AIの活用

クラウドの活用

金融業界では、自社専用システムを構築するオンプレミスシステムが主流となっていますが、そこからクラウドシステムへの移行が有益です。銀行では口座をクラウドで管理するという、インターネットバンキングの導入が活用方法の一例と言えます。平日に店舗の利用が難しい顧客に向けた、手続き等もインターネットがあればどこからでもできるシステムは、現代社会では必要不可欠です。
また、顧客サービスだけでなく、企業内環境においても、顧客情報をクラウドで管理をすることで、業務の効率化と改善にも繋がるなどのメリットがあります。

しかし、金融業界では、扱うデータの重要度が高いことから、サイバーセキュリティ対策への不安の声が多く導入に踏み入れないでいる企業が多いことも事実です。
 

・RPAの活用

RPA(Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)
という簡単な作業などを自動化する取り組みを活用することは、収益の減少に懸念のある金融業界では有効な手段と言えます。

日々の業務において、既存システムの刷新や利便性を高めるための戦略ももちろん必要ですが、そもそものDX人材が不足しているのが現状です。
それ故、RPAを活用することで、一部の簡単な作業に関しては人材と時間を削減できるようになるため、その分システムの刷新や戦略に時間を割くことができるようになります。RPAの活用は、早急に取り入れる必要性が高い内容と言えるでしょう。

 

・AIの活用

金融業界でDXを推進することで、データの取得および活用もしやすくなります。

特にAIを活用することで、人間には処理しきれない膨大な量のデータを活用でき、精度の高い予測や判断が可能になると言えます。さらには、AIが従来人間が行なっていた作業の一部を代わりに行ってくれることで、時間と労力に余白が生まれます。その余白で、AIではできない開発などを進めることができるようになるのです。

AIの活用の具体例としては、銀行業では融資が挙げられます。融資審査をAIを使った解析で行うことで、顧客分類ごとの審査ができるようになり、貸出先の拡大にも繋がっていきます。それ故、金融業界でAIを活用しない手はないと言えるでしょう。

 

※DX化に必要な技術とは?についてはこちら。 

 

DXを実現し成功した事例

セキュリティーの問題や長年の歴史から新しい発想に移行することが難しい企業の多い金融業界はDXへの遅れをとっていますが、そのような中でも少しづつDXを進め変革を遂げている企業はあります。その例を2社見ていきたいと思います。

・三井住友銀行


三井住友銀行はAIの活用により、業務の効率化を進めることができるようになりました。

元々、三井住友銀行には年間3万件ものお客様の声が届いており、仕分けや分析に10人の専門の担当者を設けていたそうです。しかし、膨大な量のデータの管理に作業が追いつかず、NECの独自開発したAI技術を導入することになり、これによって情報分析・分類・データベースへの登録までの一連の流れが自動化されるようになりました。これにより、頂いたお声からの業務内容やサービスの改善をするためのPDCAサイクルを以前より早くまわせるようになっています。

・セブン銀行

株式会社セブン銀行とNEC(日本電気株式会社)は、世界№1 の認証精度を有する顔認証技術を搭載した次世代ATMを開発し、2019年9月より順次店舗にて導入を始めています。
生体認証やAI、IoTなどはもとより、次世代ATMでは顔認証による本人確認、QRコード決済が可能になっています。またAIの活用により、現金需要予測の高度化を、IoTにより、ATM各種部品の故障を感知・予測します。これらのシステムにより、店舗の運営がさらに効率化されるようになっています。
 

まとめ

さて、いかがだったでしょうか。

金融業界はDX化への取り組みが遅れてはいるものの、抱えている課題はDXを進めることで解消できる可能性は秘められています。それ故、こちらのページでご紹介した活用方法を中心に、日本経済を支える業界である金融業界のDXへの取り組みを進めることは急務と言えるでしょう。

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