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PM(プロジェクトマネージャー)は、プロジェクトを推進する上で必要不可欠な存在ですが、職務領域が不明確な場合に、しばしばトラブルを招く存在でもあります。
そのようなトラブルを最小限に抑制、可能であれば事前防止するために、GeNEE社の中のプロジェクトマネージャーの存在意義を明確にしようと考えていたのですが、これがなかなかな難しい。
現在時点では、「プロジェクトマネージャーはこうあるべきだ。」と確固たる定義づけができませんでしたので、まずはその前工程として、「プロジェクトマネージャーはこのような行動を取ってはいけない。」といった内容をまとめてみました。
開発者への丸投げ
プロジェクトマネージャー(PM)が陥りやすい重大な過ちの一つに、「開発者への丸投げ」があります。これは特に開発経験の少ないPMに見られがちな行動です。
開発者に嫌われないようにと、全てを任せてしまう、あるいは丸投げしてしまうことは、一見すると開発者の自主性を尊重しているように思えるかもしれません。しかし、この行動には大きな問題があります。開発者の主な役割は「開発」であり、顧客のビジネスを完全に理解しているわけではありません。また、プロジェクト全体を俯瞰する立場にもありません。
PMの重要な役割の一つは、顧客と開発者の架け橋となることです。顧客とのコミュニケーションを適切に行い、得られた情報を咀嚼し、開発チームに適切な形で伝える必要があります。
この問題を改善するためには、以下の策を講じることが効果的です。
- ・顧客との打ち合わせ後、速やかに要点をまとめたドキュメントを作成し、開発チームと共有する
- ・定期的に開発チームとのミーティングを設け、進捗状況や課題を確認する
- ・代替案を複数用意し、それぞれのメリット・デメリットを提示する
これらの取り組みにより、PMは開発者への丸投げを避け、プロジェクト全体を適切に管理することができます。受けた情報をしっかりと咀嚼し、プロジェクトに参画するメンバーに適切な方法で共有することで、顧客の要望に沿った、質の高い成果物を効率的に提供することが可能となります。
PMは、単に開発者に任せるのではなく、積極的にプロジェクトに関与し、顧客と開発者の間の効果的なコミュニケーションを促進する役割を果たすべきです。これにより、プロジェクトの成功確率を高め、全ての関係者にとって満足度の高い結果を導き出すことができるのです。
顧客の言いなりになる
プロジェクトマネージャー(PM)が陥りやすい重大な過ちの一つに、「顧客の言いなりになる」という行動があります。これは、顧客との良好な関係を維持したいという思いから生じることが多いですが、プロジェクトの成功を脅かす危険な姿勢です。
お客様の気分を害さないようにと、何も意見を言わないPMもいます。しかし、お客様はシステムやアプリケーション開発のプロフェッショナルではないため、時として誤った判断をされることがあります。「おっしゃる通りです」と全てを受け入れるのではなく、専門家としての意見を述べ、リスクや代替案を提示することが重要です。
改善策として、以下の2点が効果的です。
- ・要望に対する影響分析を行い、リスクと機会を明確に説明する
- ・代替案を複数用意し、それぞれのメリット・デメリットを提示する
PMは顧客の発言や判断を客観的に考え、状況によってはしっかりと説得することも重要な役割の一つです。調整を煩わしいと感じ、「我関せず」の顔をするのは職務怠慢といえます。
このアプローチを取ることで、PMは単に「はい」と言うだけの存在ではなく、プロジェクトの成功に不可欠な専門家としての役割を果たすことができます。顧客との信頼関係を築きながら、プロジェクトの成功確率を高めることが可能となります。
納期(リミット)意識の欠如
プロジェクトマネージャー(PM)が陥りやすい重大な過ちの一つに、「納期(リミット)意識の欠如」があります。これは、短期的には問題を回避できるように見えますが、長期的にはプロジェクト全体に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
例えば、お客様側で準備すべきもの(業務フロー表や社内関係者へのヒアリングシートなど、開発会社側では取得が難しいもの)が期日までに揃わなかったとき、「大丈夫ですよ。期限を1週間後ろ倒しにしましょう。」と安易に言ってしまうPMがいます。その場は丸く収まるかもしれませんが、最終的な納期変更が許されない場合、後工程に控えた開発者やデザイナーなどに大きな負担がかかることになります。
気遣いで期限やスケジュールを変更してしまうと、最終的にどこかでしわ寄せが来ます。お客様都合で1週間遅れたならその事実を基に再交渉し、最終的な納期も調整する必要があります。
この問題を改善するためには、以下の策を講じることが効果的です。
- ・クリティカルパスを明確にし、スケジュール変更の影響を可視化する
- ・バッファを適切に設定し、予期せぬ遅延に対応できるようにする
これらの策を実施することで、PMはスケジュールの変更を慎重に行い、最終納期への影響を最小限に抑えることができます。また、変更が必要な場合は、その影響を定量的に示し、関係者全員で適切な対応を検討することが可能になります。
納期意識を持ち、スケジュール管理を適切に行うことは、PMの重要な責務の一つです。単に期限を延長するのではなく、プロジェクト全体の進捗を常に把握し、必要に応じて適切な調整や再交渉を行うことが、プロジェクトの成功につながります。
情報共有の不足
プロジェクトマネージャー(PM)が陥りやすい重大な過ちの一つに、「情報共有の不足」があります。この問題は、プロジェクトの進行を大きく阻害し、チームの生産性を低下させる可能性があります。
近年、SlackやChatworkなどのチャットツールの普及により、ビジネスコミュニケーションの速度は飛躍的に向上しました。しかし、これらのツールを適切に使用しないと、重要な情報が埋もれたり、プロジェクトメンバーが古い情報に基づいて行動してしまったりする危険性があります。
PMの重要な役割の一つは、プロジェクト関連の重要な情報を適切に管理し、チームメンバーと効果的に共有することです。これにより、メンバー間の知識レベルを均一に保ち、プロジェクトの円滑な進行を確保することができます。
この問題を改善するためには、以下の策を講じることが効果的です。
- ・プロジェクト管理ツール(例:Jira, Trello)を活用し、タスクや進捗を一元管理する
- ・週次レポートを作成し、ステークホルダーに定期的に共有する
- ・共有ドキュメントを活用する
- ・定期的なチームミーティングを開催する
- ・情報共有のガイドラインを設定する
適切な情報共有は、プロジェクトの成功に不可欠です。PMは、単に情報を共有するだけでなく、チームメンバーが必要な情報に容易にアクセスでき、常に最新の状況を把握できる環境を整備する責任があります。これにより、チームの生産性が向上し、プロジェクトの成功確率を高めることができるのです。
関連資料の確認不足
プロジェクトマネージャー(PM)が陥りやすい重大な過ちの一つに、「関連資料の確認不足」があります。これは、プロジェクトの品質低下や予期せぬ問題の発生につながる危険な行動です。
PMは、開発者とお客様の両方から重要な資料を受け取る立場にあります。開発者からは設計書、要件定義書、仕様書などを、お客様からは要望書や提案書などを受け取ります。しかし、これらの資料を十分に確認せず、単に関係者に転送するだけのPMが存在します。これは非常に危険な行為です。
開発者から上がってきた成果物に対しては、要件をしっかりと満たしているか、ミスがないか、抜け漏れがないかを確認する必要があります。同様に、お客様からいただいた資料は、不明確な部分がないか、開発者がスムーズに作業に入れるかなどの観点でチェックする必要があります。
この問題を改善するためには、以下の策を講じることが効果的です。
- ・資料確認のチェックリストを作成し、漏れなく確認する
- ・不明点や疑問点は即座に質問し、クラリフィケーションを行う
- ・資料の重要性をチーム全体で共有する
- ・資料確認のためのタイムバッファを設ける
- ・資料の改善提案を積極的に行う
PMは、関連資料を単なる情報の中継点として扱うのではなく、プロジェクトの成功に直結する重要な要素として認識し、適切に管理する必要があります。資料の確認と必要に応じたクラリフィケーションを行うことで、プロジェクトの円滑な進行と高品質な成果物の実現に大きく貢献することができるのです。
利己的な判断
プロジェクトマネージャー(PM)が陥りやすい重大な過ちの一つに、「利己的な判断」があります。これは、自身の職務範囲を狭く解釈し、プロジェクト全体の成功よりも個人の責任範囲のみに焦点を当てる傾向を指します。
PMは、お客様と開発者の架け橋となる重要な役割を担っています。この役割を果たすためには、時として両者の職域にまで踏み込む必要があります。
例えば、ライティングコンテンツをお客様側で準備する場合、PMがコンテンツ管理を可能な範囲で支援したり、情報収集に役立つ情報やツールを提供したりすることで、プロジェクトが円滑に進むことがあります。
反対に、「それはプロジェクトマネージャーの職域にはない仕事です」と他人事のように割り切ってしまうと、お客様側のスキルや特性に全てを委ねることになり、スケジュールや品質が大きくブレるリスクが生じます。このような利己的な判断は、プロジェクト全体の成功を脅かす可能性があります。
この問題を改善するためには、以下の策を講じることが効果的です。
- ・チーム全体の目標を明確にし、常にプロジェクトの成功を最優先する
- ・他のチームメンバーのスキルセットを理解し、適切な支援を行う
- ・プロジェクトの全体像を常に把握する
- ・柔軟な姿勢を持つ
- ・チーム内の信頼関係を構築する
PMは、自身の職務範囲を狭く解釈するのではなく、プロジェクト全体の成功を最優先に考え、柔軟に行動することが重要です。可能な範囲で職務領域を広げ、チーム全体をサポートすることで、プロジェクト全体にポジティブな影響を与えることができます。
このような姿勢を持つことで、PMはプロジェクトの真のリーダーとして機能し、チームの信頼を得ながら、プロジェクトを成功に導くことができるのです。
技術的な話題の回避
プロジェクトマネージャー(PM)が陥りやすい重大な過ちの一つに、「技術的な話題の回避」があります。技術の話になると下を向いてしまうPMは、プロジェクトの成功を危うくする可能性があります。
法人営業のスタッフならまだしも、PMを名乗る人間としては、技術的な話題を避けることは適切ではありません。PMは技術の話にも興味を持ち、状況によっては、その技術を深堀りして調べることも重要な役割の一つです。システムやモバイルアプリといったITサービスを扱っている以上、技術についても前向きに習得する、習得したいといった姿勢が必要不可欠です。
この問題を改善するためには、以下の策を講じることが効果的です。
- ・定期的に技術勉強会に参加し、最新のトレンドを把握する
- ・開発チームとのコミュニケーションを通じて、プロジェクトで使用される技術の基礎を学ぶ
- ・技術的な課題や選択肢を理解し、説明できるようになる
- ・技術と業務の橋渡しを行う
- ・継続的な学習の姿勢を持つ
PMが技術的な知識を持つことで、開発チームとのコミュニケーションが円滑になり、プロジェクトの進捗や課題をより正確に把握することができます。また、顧客との対話においても、技術的な選択肢や制約を適切に説明し、プロジェクトの方向性を適切に導くことができます。
技術を理解し、積極的に技術的な議論に参加するPMは、プロジェクト全体の質を向上させ、より効果的な意思決定を行うことができます。これは、プロジェクトの成功確率を高め、顧客満足度の向上にもつながります。
したがって、PMは技術的な話題を避けるのではなく、積極的に技術知識の習得に取り組み、技術と業務の両面からプロジェクトをリードしていくことが求められます。
メール対応の遅延
プロジェクトマネージャー(PM)が陥りやすい重大な過ちの一つに、「メール対応の遅延」があります。この問題は、プロジェクトの進行を大きく阻害し、関係者間のコミュニケーションを混乱させる可能性があります。
大規模プロジェクトを牽引するPMのもとには、毎日大量のメールが届きます。お客様、開発者、関係会社、ビジネスパートナー、ベンダーなど、案件の規模が大きくなればなるほど、メールの量は比例して増加します。メールの緊急性を判断する能力は重要ですが、これには一定の経験が必要です。
問題となるのは、メールが届いているにもかかわらず、返事をしなかったり、2、3日後に返事をするPMの存在です。PMがすぐに返信しないことで、「開発者が本来対応すべきでない作業を始めてしまう」「お客様の意思決定が遅れる」などの問題が発生する可能性があります。
この問題を改善するためには、以下の策を講じることが効果的です。
- ・メール管理のルールを設定し、優先度の高いメールに迅速に対応する
- ・自動返信機能を活用し、対応予定時間を相手に伝える
- ・メール以外のコミュニケーションツールも活用する
- ・定期的なメールクリーンアップを実施する
- ・チーム内でのメールコミュニケーションルールを確立する
PMは、迅速かつ適切なメール対応がプロジェクトの円滑な進行に不可欠であることを認識し、常に改善に努める必要があります。効果的なメール管理は、プロジェクト全体のコミュニケーションを向上させ、関係者間の信頼関係を強化します。これにより、プロジェクトの成功確率を高め、PMとしての評価も向上することでしょう。
リスク管理の軽視
プロジェクトマネージャー(PM)が陥りやすい重大な過ちの一つに、「リスク管理の軽視」があります。これは、プロジェクトの成功を脅かす潜在的な問題を見逃し、予期せぬ障害に直面した際に適切に対応できない状況を招く可能性があります。
リスク管理は、プロジェクトマネジメントの核心的な要素の一つです。プロジェクトのリスクを適切に特定し、管理することは、PMの重要な責務です。しかし、多くのPMがこの重要性を過小評価し、日々の業務に追われてリスク管理を後回しにしてしまう傾向があります。
効果的なリスク管理を実践するためには、以下の改善策を講じることが重要です。
- ・リスク管理計画を作成し、定期的にレビューと更新を行う
- ・リスクの影響度と発生確率を評価し、対応策を事前に準備する
- ・リスクコミュニケーションを強化する
- ・リスク監視システムを構築する
- ・過去のプロジェクトからの学習を活かす
リスク管理を軽視することは、プロジェクトの成功を大きく左右する可能性があります。PMは、リスク管理を日常的なプロジェクト管理業務の一部として組み込み、継続的に実践することが重要です。適切なリスク管理により、プロジェクトの不確実性を減少させ、目標達成の確実性を高めることができます。
また、効果的なリスク管理は、単にプロジェクトの失敗を防ぐだけでなく、新たな機会を発見し、プロジェクトの価値を向上させる可能性も秘めています。PMは、リスク管理を「問題回避」の手段としてだけでなく、「価値創造」の機会としても捉える視点を持つことが大切です。
チームビルディングの不足
プロジェクトマネージャー(PM)が陥りやすい重大な過ちの一つに、「チームビルディングの不足」があります。この問題は、プロジェクトの成功に直接的な影響を与える可能性があり、PMが特に注意を払うべき領域です。
チームの結束力とモチベーションを高めることは、プロジェクトの成功に直結します。しかし、多くのPMがタスク管理や進捗報告に注力するあまり、チームビルディングの重要性を見落としがちです。強固なチームワークと高いモチベーションは、困難な局面を乗り越え、高品質な成果物を生み出す原動力となります。
この問題を改善するためには、以下の策を講じることが効果的です。
- 定期的なチームビルディング活動を実施し、メンバー間の信頼関係を構築する
- 各メンバーの貢献を適切に評価し、フィードバックを提供する
- チームの目標と各メンバーの役割を明確にする
- オープンなコミュニケーション環境を整備する
- チームメンバーの多様性を尊重し、活かす
チームビルディングは一朝一夕には実現できません。PMは長期的な視点を持ち、継続的にチームの結束力とモチベーションの向上に取り組む必要があります。強固なチームワークは、プロジェクトの成功だけでなく、メンバー個々の成長や満足度の向上にもつながります。
また、チームビルディングの効果は、現在のプロジェクトだけでなく、将来のプロジェクトにも良い影響を与えます。信頼関係が構築されたチームは、新たな課題に直面しても効果的に対応できる柔軟性と強靭性を持つことができます。
PMは、チームビルディングを単なる付加的な活動ではなく、プロジェクト成功のための重要な投資として捉える必要があります。適切なチームビルディング活動を通じて、PMはプロジェクトの成功確率を大幅に向上させ、同時にメンバーの職務満足度と組織への貢献度を高めることができるのです。
【チェックリスト】PMの自己評価
以下のチェックリストを使用して、自身の行動を定期的に評価しましょう。
- ・開発チームと顧客の間で適切な情報共有を行っているか
- ・顧客の要望に対して、専門的な見解を提供しているか
- ・プロジェクトのスケジュールを適切に管理しているか
- ・プロジェクト情報を効果的に共有しているか
- ・関連資料を十分に確認しているか
- ・プロジェクト全体の利益を考えて行動しているか
- ・技術的な知識の習得に努めているか
- ・メールに迅速に対応しているか
- ・プロジェクトのリスクを適切に管理しているか
- ・チームビルディングに取り組んでいるか
このチェックリストを定期的に実施することで、PMとしての行動を継続的に改善することができます。
プロジェクトマネジメントは常に進化する分野です。最新のトレンドや手法に注目し、自己研鑽を続けることが、優れたPMになるための鍵となります。
まとめ
プロジェクトマネジメントは常に進化する分野です。PMは上記の行動を避けるだけでなく、最新のトレンドや手法に注目し、自己研鑽を続けることが重要です。効果的なコミュニケーション、リスク管理、技術的知識の習得など、多岐にわたるスキルを磨くことで、プロジェクトの成功確率を高めることができます。
定期的に自己評価を行い、改善点を見つけ、実践することで、より優れたPMへと成長することができるでしょう。
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