公開日:2023.07.27 更新日:2023.11.10

システム開発における上流工程とは?PMに求められるスキルを含めて解説!

システム開発における上流工程の役割

システム開発の上流工程とは?

システム開発の上流工程とは、システム開発プロジェクトの初期段階を指します。具体的には、要件定義及び基本設計(外部設計)する段階を指し、システムが提供する機能や目的を明確にする作業のことを指します。最近では要件定義よりもさらに上流の工程、企画・構想や戦略コンサルティングを上流工程に含める場合もあります。本記事では、要件定義を最上流工程とし、企画・構想や戦略コンサルティングの工程はまた別の記事で解説していきます。

上流工程での意思決定はプロジェクト全体の方向性を決定するため非常に重要であり、言い換えれば上流工程の活動がプロジェクトの成否を決めると言っても過言ではありません。
上流工程には、要件定義、システム設計、プロジェクト計画が含まれます。これらの活動を通じて、開発するシステムの全体像を把握し、具体的な開発作業に移る準備を整えます。

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上流工程の定義と目的

上流工程の中で最も重要とされる工程が要件定義です。ここで重要なのは、開発するシステムが何をすべきかを明確にすることであり、その品質はシステム全体の品質に直結します。


要件定義を成功させるためには、まずエンドユーザーのニーズを明確に理解することが重要です。エンドユーザーニーズとは、エンドユーザーがシステムに期待する機能、性能、利便性など、潜在的なニーズのことです。要件定義の目的は、これらのニーズを正確に捉え、システム要件として定義することです。また、要件定義は一度に完了させるのではなく、開発プロセス全体で繰り返し行う必要があります。

上流工程の主な活動

上流工程では、要件定義、システム設計、プロジェクト計画の作成などが主な活動となります。これらの活動を通じて、開発すべきシステムの全体像を把握し、具体的な開発作業に移るための準備をします。具体的な開発作業とは、プログラミング(コーディング)やテストなどを指します。これらの活動は、上流工程で設計したシステムを具体的に実現するための作業です。

上流工程で重要な要件定義のポイント

要件定義の中で最も意識すべきことは、「開発するシステムが企業のどのような課題を達成するのか。」を明確にすることであり、その方向性がシステム全体の品質にも影響します。ここでの品質とは、システムが要件を満たす程度や、エンドシステムがユーザーの期待に応える度合いを指します。

要件定義の重要性

要件定義は、開発すべきシステムの目的や機能を明確にするための重要なプロセスです。この作業が不十分だと、システムがユーザーの期待を満たさない、または開発コストが想定以上にかかるなどの問題が発生します。エンドユーザーの期待を満たさないシステムは、受け入れられず、システム開発の目的を達成することができません。また、開発コストが予想以上にかかると、プロジェクトの予算を超過し、プロジェクトの継続が困難になる可能性があります。

要件定義の誤りがもたらす具体的な影響

前節でも触れましたが、要件定義が不十分の場合、後工程で悪い影響をもたらします。具体的には、システムがエンドユーザーの期待を満たさないと、システムの利用者が減少し、システム開発の目的が達成されない可能性があります。また、要件未達成により、本来システム化できたものを業務オペレーションでカバーするといった動きが起き、非効率な業務、否定形的な業務を生むことになります。

また要件定義をし直すことになると、開発コストが予想以上にかかる、プロジェクトの予算を超過し、プロジェクトの継続が困難になる可能性も秘めています。さらに、開発スケジュールが遅延すると、システムのリリースが遅れ、ビジネスチャンスや業務効率化の機会を逃すことになります。

要件定義を成功させるための方法

要件定義を成功させるためには、エンドユーザーニーズに対する深い理解が重要です。ニーズを正確に理解するためには、ユーザーとのコミュニケーションに重点を置き、ユーザーの要求や期待への詳細なくみ取りが必要です。また、ユーザーのニーズやビジネス環境が変化する場合に備え、要件定義は一度で完了させずに、開発プロセス全体を通じて繰り返し行う必要があります。

ステークホルダーとのコミュニケーションの重要性

ステークホルダーとの適切なコミュニケーションは、要件定義の成功に大きく貢献します。ステークホルダーとは、主に『プロジェクトに関わる利害関係者のこと』を指しており、エンドユーザーの他、お客様先のプロジェクトマネージャー、プロジェクトに参画するメンバー、経営幹部層なども含みます。ステークホルダーの期待や要求を正確に理解し、それらをシステムの要件に反映させることが求められます。

プロジェクトマネージャーに求められるスキルとは?

プロジェクトマネージャーに求められる役割

プロジェクトマネージャー(以下、PMとします。)は、システム開発プロジェクトの成功を導くための重要な役割を果たします。そのためには、技術的なスキルだけでなく、プロジェクトを管理し、チームをリードするためのさまざまなスキルが求められます。

PMの役割

PMの主な役割は、プロジェクトの計画、実行、監視、そしてプロジェクトの終了までを管理することです。これには、スケジュール管理、コスト管理、品質管理、リスク管理などが含まれます。


・スケジュール管理
プロジェクトの作業を計画し、その進行を監視し、必要に応じて調整することを指します。
・コスト管理
プロジェクトのコストを計画し、その実績を監視し、必要に応じて調整することです。
・品質管理
システムの品質を計画し、その実績を監視し、必要に応じて調整することです。
・リスク管理
プロジェクトのリスクを予測し、その影響を軽減または排除するための対策を計画し、その実施を監視することです。

必要なハードスキルとソフトスキル

PMには、プロジェクト管理のためのハードスキル(例:プロジェクト管理ツールの使用、リスク分析など)と、チームをリードするためのソフトスキル(例:コミュニケーション、リーダーシップ、問題解決能力など)が求められます。ハードスキルとは、具体的な技術や知識を指します。ソフトスキルとは、人間関係をスムーズに進めるためのスキルや、問題を解決するための思考力を指します。

PMが上流工程を成功に導くための戦略

上流工程の成功は、プロジェクト全体の成功に直結します。そのため、PMは上流工程を成功に導くための適切な戦略を立てることが求められます。

プロジェクト計画の策定

プロジェクトの計画は、プロジェクトの目標を達成するためのロードマップです。PMは、上流工程の活動を適切に計画し、それを実行するためのリソースを確保する必要があります。(リソースとは、人材、時間、財政、設備など、プロジェクトを進めるために必要な要素を指します。)これらのリソースを適切に管理し、最大限に活用することが、プロジェクトの成功につながります。

リスク管理の重要性

リスク管理は、プロジェクトの成功を阻む可能性のあるリスクを予測し、それを軽減または排除するための活動です。PMは、上流工程におけるリスク(例:要件の不明確さ、ステークホルダーとのコミュニケーション不足など)を早期に特定し、適切な対策を講じる必要があります。

上流工程の成功がプロジェクト全体に与える影響

開発プロジェクトの成功

上流工程の成功は、プロジェクト全体の成功に直結します。そのため、上流工程を適切に管理することは、コスト、時間、品質といったプロジェクトの三大要素を適切にバランスさせるために不可欠です。
これらの要素は、プロジェクトの成功を評価するための基準となります。

上流工程の成功がもたらすプロジェクトの効果

上流工程が成功すれば、開発作業がスムーズに進行し、予定通りのコストと時間でシステムを開発することが可能になります。また、要件が明確になることで、ユーザー満足度が向上する可能性があります。これは、ユーザーのニーズに適合したシステムを提供することで、システムの利用者が増え、システムの価値が高まるためです。

上流工程の失敗がプロジェクトに及ぼす影響

一方、上流工程が失敗すると、開発作業が停滞したり、開発コストが予想以上にかかったりする可能性があります。開発作業が停滞すると、システムのリリースが遅れ、ビジネスの機会を逃す可能性があります。開発コストが予想以上にかかると、プロジェクトの予算を超過し、プロジェクトの継続が困難になる可能性があります。また、要件が不明確なまま開発が進むと、システムがユーザーの期待を満たさない可能性もあります。これは、システムがユーザーのニーズに適合しないため、システムの利用者が減少し、システムの価値が低下する可能性があるためです。

まとめ

以上のように、システム開発の上流工程とは、システム開発プロジェクトの初期段階で行われる要件定義や設計などの活動を指します。これらの活動はプロジェクト全体の方向性を決定するため、非常に高い重要性を持ちます。特に、要件定義はシステム全体の品質に直結するため、精度が求められます。また、上流工程を適切に管理するプロジェクトマネージャーには、技術的なスキルだけでなく、プロジェクトを管理し、チームをリードするためのさまざまなスキルが求められています。

上流工程の成功は、プロジェクト全体の成功に直結します。そのため、上流工程を適切に管理することは、コスト、時間、品質といったプロジェクトの三大要素を適切にバランスさせるために不可欠です。上流工程が成功すれば、開発作業がスムーズに進行し、予定通りのコストと時間でシステムを開発することが可能になります。また、要件が明確になることで、システムがユーザーの期待を満たす可能性も高まります。

一方、上流工程が失敗すると、開発作業が停滞したり、開発コストが予想以上にかかったりする可能性があります。また、要件が不明確なまま開発が進むと、システムがユーザーの期待を満たさない可能性もあります。これらの問題を避けるためには、上流工程の活動を適切に計画し、リスクを早期に特定し、適切な対策を講じることが重要です。

これらのことを踏まえ、システム開発の上流工程の重要性と、その成功に向けた戦略について理解を深めることで、システム開発プロジェクトの成功につながるでしょう。

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