
目次
本記事では、自社のDX(デジタル・トランスフォーメーションの略称となります。)に必須とされるクラウドコンピューティング(以下、クラウドとします。)化の基礎知識から、クラウドの利点や特徴、メリット、デメリットについて詳しく解説していきます。
自社サービスや自社システムのDX化において、クラウドが担う役割を理解することは非常に重要です。適切なクラウドの選択やその効果的な活用方法を学ぶことで、自社の競争優位性がぐっと高まり、市場変化への柔軟な対応、競合他社に対する差別化要素を獲得することができます。
結果として、自社事業の成長と持続可能性にも大きく貢献します。
DXとクラウド化の基礎知識

DXの基礎、自社DXが注目される理由、クラウド化がDXにもたらす影響について以下で解説します。
DXの基礎
DXは、デジタル技術を活用して企業のビジネスモデルや業務プロセスを根本的に変革する取り組みです。この変革には、新しいテクノロジーの導入だけでなく、組織文化や戦略の見直しも含まれます。例えば、スマートフォンやインターネットの普及により、多くの企業がオンラインでのサービス提供に移行しています。これにより、顧客との接点が増え、新たなビジネスチャンスが生まれています。
なぜ今自社DXが騒がれているのか
自社DXが注目される理由は、デジタル化による効率化と競争力の向上にあります。デジタルツールを利用することで、手作業による時間の浪費を減らし、より迅速かつ正確な意思決定が可能になります。
クラウド化がDXにもたらす影響
DXが進むにつれて、クラウド化は業務効率化とイノベーションを促進する重要な役割を果たします。クラウド化によって、大手企業しか持ち得なかった高価なハードウェアやネットワーク機器等の購入や運用維持が不要となり、企業はリソースの柔軟な調整が可能になります。この変化は、日常業務のプロセスを自動化し、時間を要するタスクの効率化を実現します。
例えば、クラウドベースの顧客管理システムを用いることで、顧客データの一元管理がなされ、あらゆる場所からその情報にアクセスすることが可能となります。
結果として、迅速な意思決定に繋がります。さらに、クラウド化はイノベーションの土壌を育てることに役立ちます。例えば、新しいアイデアを創出した後、市場変化に迅速に対応する製品やサービスの開発をスピード感持って創り上げることができます。クラウドの柔軟性が新しい取り組みを低リスクで試す機会を作り出すのです。
クラウドの実態とその必要性

本節では、クラウドの種類と具体的な機能、企業にとってのクラウド化の重要性、クラウド化に向けた進め方(ステップ)について解説します。
クラウドサービスの種類と機能
クラウドサービスには、主に「インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス(IaaS)」、「プラットフォーム・アズ・ア・サービス(PaaS)」、「ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)」の3種類があります。IaaS(日本語の呼称はイアースです。)は、サーバーやストレージなどの基本的なインフラを提供するサービスで、企業は物理的なハードウェアを所有する必要がなくなります。
例えば、Amazon Web Services(AWS)やGoogle Cloud Platform(GCP)などがこちらに該当します。PaaS(日本語の故障はパースです。)は、開発者がアプリケーションを開発・運用するためのプラットフォームを提供し、Microsoft Azureなどが代表的です。
SaaS(日本語の故障はサーズです。)は、ソフトウェアをインターネット経由で提供するサービスのことで、SalesforceやMFクラウド会計、FreeeといったサービスがSaaSに該当します。これらのサービスは、企業が必要とするリソースを柔軟に、かつ迅速に利用することを可能とします。
関連記事①:AWSとは?導入のメリット・デメリット、アプリやシステムの開発で必須のサービスを解説
関連記事②:Azure / アジュールとは?導入のメリット・デメリット、アプリやシステムの開発で必須のサービスを解説
企業にとってのクラウド化の重要性
クラウド化は、企業がデジタル時代のビジネス環境で競争力を維持するために不可欠と言っても過言ではありません。クラウドサービスを利用することで、ITインフラの初期投資を大幅に削減し、運用コストを最適化できます。また、クラウドはスケーラビリティが高く、ビジネスの成長や需要の変動に応じてリソースを柔軟に調整できるため、企業はより効率的に運営を行うことが可能になります。
さらに、クラウドサービスは最新のセキュリティ対策が施されているため、データ保護の面でも企業にメリットをもたらします。
クラウド化に向けたステップ
クラウド化への移行プロセスは、慎重かつ段階的に進めることが不可欠です。
最初に企業は自身の現在のIT環境を詳細に分析し、どの業務プロセスをクラウドに移行するかを決定します。この分析には、データの取り扱いやプロセスの複雑性、業務の重要度などが考慮されます。
次に適切なクラウドサービスプロバイダを選定することが重要です。この段階では、セキュリティ、コスト、サービスの品質など、様々な要因を総合的に検討します。例えば、データのセキュリティが極めて重要な業務の場合、高度なセキュリティ対策を提供するプロバイダを選ぶことが重要です。また、コスト効率を重視する場合は、費用対効果の高いサービスを提供するプロバイダを選択します。
次に移行計画を策定し、業務を段階的にクラウドへ移行していきます。この際、各ステップで発生可能なリスクを事前に特定し、対策を講じることが大切です。
最後に、クラウドサービスの効果的な活用のために、従業員に対するトレーニングが必要となります。このトレーニングは、新しいシステムの使い方だけでなく、変更に伴う新しいワークフローへの適応を支援する内容が含まれるべきです。
クラウド化するメリット

自社DXをクラウド化するメリットには以下があります。
- ・コスト削減と効率化
- ・柔軟なスケーラビリティと迅速な対応
- ・セキュリティと適切なリスク管理
コスト削減と効率化
クラウド化による最大のメリットは、コスト削減と効率化です。従来のオンプレミスでは、サーバーやストレージなどのハードウェア、ネットワーク機器、ソフトウェアの購入と維持に多額のコストが発生していました。クラウドサービスを採用することで、これらのハードウェア関連の設備投資を抑制することができ、運用維持コストを削減することが可能です。
柔軟なスケーラビリティと迅速な対応
クラウドサービスは需要に応じてリソースを柔軟に調整できるため、ビジネスの成長や変化に迅速に対応することが可能です。企業は必要な時に追加のリソースを即座に利用でき、ビジネスの拡大や縮小に合わせて容易にスケールアップやダウンが行えます。この柔軟性は、市場の変動や急激な需要の増加に対応する際に非常に有効です。例えば、イベント期間中のオンラインショップなどでは、クラウドサービスを利用してサーバー容量を一時的に増やすことで、大量のアクセスにもスムーズに対応できます。
セキュリティとリスク管理
クラウドサービスでは、データのセキュリティとリスク管理が強化されます。多くのクラウドプロバイダは、最新のセキュリティ技術を導入し、常にシステムを監視しています。これにより、データ漏洩やサイバー攻撃のリスクを減らすことができます。また、データのバックアップと復旧もクラウドサービスによって容易になり、万が一の事態にも迅速に対応することが可能です。
クラウド化するデメリット
自社DXをクラウド化するデメリットには以下があります。
- ・スイッチング(切替)コスト
- ・技術的な障壁と技術者の不足
どうしてもスイッチング(切替)コストが発生する
オンプレミスなどからクラウドサービスへ移行する場合、スイッチングコストが必要になる場合があります。特に、既存のシステムをクラウドへ切り替えする際、移行に関わるコストや新たなシステムのチューニング設定、従業員の研修教育費用などが必要になってくるでしょう。
ただ、既に日本国内においても大手企業を中心として自社DX化が加速度的に動き出しています。「現行システムを10年以上使用しているけど、まだなんとか動くから良いか…」と考えていると、競合他社に後れを取ることになり、3-5年後にそれが致命的になりかねません。
病気になってから医者に行くのではなく、病気になる前に予防を行い、後々大きなトラブルに巻き込まれないようになるべく早く自社DX化を前進させるようにしましょう。
関連記事:DXとはビジネスモデル変革の手段|概要と重要性を徹底解説
技術的な障壁と技術者不足問題
クラウド化には技術的かつ専門的な知識やノウハウが必要であり、特に小規模企業やスタートアップでは、これらの技術を適切かつ十分に理解し、運用できる人材が0と言っても過言ではないでしょう。クラウドテクノロジーの導入と運用管理には専門的なスキルが必要であり、もし自社に適切な人材が存在しない場合、システムから得られる最大限のパフォーマンスが得られない状況に陥ります。
また、既存の従業員に対する研修や新たな専門家の採用には時間とコストがかかるため、人材の育成と確保はクラウド化の際の大きな課題となり得るでしょう。
「餅は餅屋」という諺が存在しますが、クラウドに関する専門的なことはクラウドを理解する開発会社に依頼・相談するようにした方が良いはずです。
自社システム・サービスをクラウド化した事例

以下に自社システムや自社サービスをクラウド化した2つの実例について紹介します。
小売業界におけるイノベーション:無印良品の事例
無印良品は、いち早くクラウド化を通じて小売業界でのデジタル変革を成功させた企業と言えるでしょう。同社は、クラウドを採用したPOS(販売時点情報管理)システムと在庫管理システムの導入を決定しました。これらの取り組みにより、実店舗とオンラインストア間での在庫情報をリアルタイムで共有することが可能になり、顧客に対してより迅速かつ正確な情報提供が可能になりました。
また、CRM上に蓄積された顧客情報・顧客データの分析を通じて、マーケティング戦略の最適化を実現し、トップライン(売上)の向上に大きく貢献しています。
このように、クラウド技術を活用することで、顧客体験の更なる向上と効率的な組織運営を実現することが可能となります。
製造業におけるデジタル変革:日産自動車の事例
日産自動車のクラウド化事例は、製造業におけるデジタル変革の模範となっています。同社は、設計から生産に至るまでのプロセスにクラウドの導入を決定しました。
具体的には、クラウドベースの設計ツールやMES(生産管理システム)を駆使し、世界中の製造拠点間の情報共有と連携をより一層強固なものにしました。当該取り組みの結果、自動車開発の速度が飛躍的に向上し、市場への柔軟な対応が可能になりました。
まとめ:自社DXプロジェクトにおけるクラウド化の良し悪し
本記事では、自社DXに必須とされるクラウド化の基礎知識から、クラウドの利点やメリット、デメリットについて詳しく解説しました。この知識は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の基本理解を深め、自社DXの推進において非常に重要です。
クラウド化は企業の競争力を高め、市場の変化に迅速に対応するための柔軟なスケーラビリティとセキュリティを提供します。また、クラウドサービスの種類と機能の理解、企業にとってのクラウド化の重要性、そしてクラウド化に向けたステップを踏むことが、コスト削減、効率化、そしてリスク管理の面で非常に効果的です。
システム開発やアプリケーション開発では、そのニーズや環境によって適切なライブラリやフレームワークを採用することが成功の鍵となります。
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慶應義塾大学卒業後、日系シンクタンクにてクラウドエンジニアとしてシステム開発に従事。その後、金融市場のデータ分析や地方銀行向けITコンサルティングを経験。さらに、EコマースではグローバルECを運用する大企業の企画部門に所属し、ECプラットフォームの戦略立案等を経験。現在は、IT・DX・クラウド・AI・データ活用・サイバーセキュリティなど、幅広いテーマでテック系の記事執筆・監修者として活躍している。
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