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公開日:2025.12.19 更新日:2025.12.22

システム開発の見積りとは?算出方法・内訳・チェックポイントを徹底解説

システム開発の見積りとは?算出方法・内訳・チェックポイントを徹底解説

目次

システム開発の見積りを依頼したものの、
「この金額は妥当なのか」「なぜ企業ごとに見積りが違うのか」と
疑問や不安を感じたことはありませんか。

システム開発の見積りは、単純な相場比較では判断できず、算出方法・工数・前提条件の理解が欠かせません。

本記事では、システム開発の見積りがどのように算出されるのかを軸に、見積りの種類、算出方法、内訳、チェックポイント、そして見積り金額が変動する理由までを解説します。

見積書を「受け取って終わり」にせず、妥当性を判断できるようになりたい方、見積りの算出で失敗しないようにしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

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システム開発の見積りとは?算出方法を理解するための前提知識

システム開発の見積りは、単なる「金額提示」ではなく、要件や前提条件をもとに開発工数を算出し、費用に落とし込むプロセスです。

そのため、算出方法や考え方を理解していないと、提示された見積りが妥当かどうかを判断することはできません。ここでは、システム開発の見積りをする上で前提となる知識をご紹介します。

システム開発の見積りは「工数」を基準に算出される

システム開発の見積り金額は、「どのくらいの作業量(工数)が必要か」を基準に算出されます。機能数や画面数、処理内容の複雑さによって必要な工数が変わり、それに応じて見積り金額も上下します。

まずは、見積り算出の基本となる「工数」の考え方を理解することが重要です。

システム開発の見積り金額は「工数 × 単価」で決まる

システム開発の見積り金額は、工数(人日・人月)に単価を掛け合わせて算出されます。開発会社は「システム一式○○万円」という形ではなく、どれだけの人員が、どれだけの期間作業するかを基準に見積りを行っています。

そのため、見積書に記載されている金額の正体は、以下の組み合わせと理解しておきましょう。
「必要な作業量(工数)」+「エンジニアやPMの単価」

機能数・画面数がシステム開発の見積りに影響する理由

見積り算出の際、開発会社が重視するのは実装すべき機能や画面の数です。

なぜなら、機能や画面が増えるほど以下が比例して増え、結果として機能数・画面数=工数の増減要因となり、見積り金額に直結するからです。

  • 設計工数

  • 実装工数

  • テスト工数

  • レビュー・修正工数

人月・人日とは?システム開発見積りで使われる単位

システム開発の見積りでは、「人月」「人日」という単位が使われます。

  • 人日:1人が1日作業する工数

  • 人月:1人が1か月作業する工数(一般的に20人日前後)

システム開発に1カ月1人の人員稼働が必要な場合は1人月、1カ月3人の人員稼働が必要な場合は3人月、といった感じです。

工数単位を用いることで、作業量を数値化し、見積りとして整理しています。

具体例を出すと、あるプロジェクトにシステムエンジニア1名、プログラマー3名、UI/UXデザイナーが1名参画する場合、人月単価が全人員共通で80万円、プロジェクト期間が2か月と仮定すると、5人×80万円×2か月で計算され、開発費用は800万円となります。

システム開発の見積りには精度の段階(概算・確定)がある

システム開発の見積りには、プロジェクトの進行状況に応じた「精度の段階」が存在します。

企画段階で提示される概算見積りと、要件確定後の確定見積りとでは、前提条件や精度が大きく異なります。見積りの段階を正しく理解しておかないと、金額変動に対する誤解や不安につながるため注意が必要です。

概算見積りと詳細見積りの違い

システム開発の見積りには、大きく分けて概算見積り詳細見積りがあります。

  • 概算見積り:企画段階・要件が固まっていない段階で算出(予算の目安を知るために使われる)

  • 詳細見積り:要件定義後、仕様が明確になった段階で算出(契約を見越して使われる)

概算見積りはあくまで目安であり、詳細見積りと比べると金額のブレ幅が大きくなります

システム開発の企画段階で見積りがブレる理由

企画段階では、以下の情報が未確定なケースが多いため、正確な工数の算出ができまsン。

  • 実装する機能の詳細

  • 画面数・画面遷移

  • 権限管理や例外処理

  • 外部システムとの連携有無

そのため、企画段階で提示される見積りは、一定の幅を持った概算見積りになることを理解しておきましょう。

要件定義と見積り精度の関係

見積り精度は、要件定義がどこまで進んでいるかに強く依存します。

  • 要件が抽象的 → 概算見積り

  • 要件が具体的 → 詳細見積り

  • 仕様が確定 → 契約金額

要件定義が進むほど工数の見通しが立ち、見積り金額の精度も高まります

要件定義の粒度がシステム開発の見積り金額を左右する理由

システム開発の見積り精度は、要件定義の具体性によって大きく左右されます。要件が抽象的なままでは、作業範囲や工数を正確に見積もることができません。

一方で、要件が具体化されるほど見積り精度は高まり、金額のブレや後工程での調整リスクも抑えやすくなります。

要件が曖昧だと見積り精度が下がる理由

「◯◯ができるシステムを作りたい」といった抽象的な要件だけでは、開発に必要な作業量を正確に見積ることができません。

抽象度が高いほど、

  • 想定している機能範囲

  • 例外ケースの有無

  • 運用フロー

が人によって異なり、見積りにブレが生じやすくなります

たとえば「ユーザー管理機能」という同じ言葉でも、

  • 登録・編集・削除のみ

  • 権限別の操作制御が必要

  • CSVインポート/エクスポート対応

  • 外部システムとの連携あり

など、要件次第で工数は大きく変わります。

そのため、機能名だけで見積り金額を比較することは危険であり、中身の要件が重要になります。

システム開発の見積り前に整理すべき要件

見積り精度を高めるためには、少なくとも以下の観点を整理しておくことが重要です。

  • 実装したい機能の一覧

  • 画面数や利用ユーザーの想定

  • 運用方法・管理者権限

  • 外部サービスとの連携有無

これらが整理されているほど、見積り金額の妥当性を判断しやすくなります

システム開発の見積り算出方法

システム開発の見積りは、「どの段階で行うか(粒度)」と「どの方法で算出するか(手法)」によって考え方が大きく異なります。

ここを理解していないと、「見積り金額が後から変わった」「企業ごとに金額が大きく違う」となってしまいます。

まず、(粒度)別で出すべき見積もりの種類と、主な用途例は以下です。

見積りの種類 特徴 主な用途例
超概算見積り ・企画構想段階・アイデア段階で行う見積り
・過去事例や類似案件をもとに大まかな金額感を出す
・精度は低く、大きな幅(±50%以上)が出ることも珍しくない
事業検討・社内稟議・予算感の把握
概算見積り ・要件がある程度整理された段階で行う見積り
・機能一覧や画面構成をもとに工数を推定
・精度は中程度(±30%前後)
PoCやRFP前後で提示
詳細見積り ・要件定義が完了し、仕様が明確になった段階で行う見積り
・WBS(作業分解)レベルで工数を積み上げる
・契約金額のベースとなる見積り
契約の金額ベース

これらを踏まえたうえで、具体的にどんな見積り方法があるのか見ていきます。

類推法

類推法は、過去に実施した似たシステム開発案件の実績を基準にして見積を行う方法です。機能構成や規模、業務内容が近い案件を探し、そこから増減率を掛けて金額や工数を算出します。初期段階でも使いやすく、スピード感を重視した見積に向いています。

しかし、案件の類似性判断が担当者の経験に依存しやすく、根拠が曖昧になりやすい点は注意が必要です。特に新規性が高い案件では精度が落ちる傾向があります。主に企画段階や概算見積、予算感を把握したい場面で活用されます。

計算例:過去に800万円で開発した業務システムがあり、今回は機能が1.25倍と想定される場合、800万円 × 1.25 = 約1,000万円と見積ります。

トップダウン見積り

トップダウン見積りは、プロジェクト全体の規模感や制約条件を起点に、工数や費用を大まかに推定する方法です。実務では、過去の類似案件や経験則を参考にしながら算出されることが一般的です。

初期段階でも見積りが可能で、早く見積りを出すことができるのが特徴です。その分精度は低めであるため、超概算・概算見積りで用いられます。

計算例:同規模の案件は10人月程度だった、このレベルのシステムなら600万円前後

といった形で算出されます。

WBS積み上げ見積り(ボトムアップ)

WBS積み上げ見積り(ボトムアップ)は、作業を細かいタスク単位まで分解し、それぞれの工数を積み上げて見積る方法です。設計、実装、テストなどを具体的に洗い出すため、最も精度が高い見積方法とされています。

しかし、要件が固まっていない段階では作成が難しく、見積作業自体に時間がかかる点がデメリットです。主に要件定義完了後や、契約直前の最終見積で使われます。

計算例:基本設計20人日、詳細設計30人日、実装60人日、テスト40人日の場合、合計150人日となり、1人月20日換算で7.5人月。

標準タスク法

標準タスク法は、あらかじめ定めた標準作業と工数を組み合わせて見積る方法です。定型案件に強く、見積のばらつきを抑えられます。

計算例:画面10枚、1画面6人日 → 60人日。

パラメトリック法(係数モデル)

パラメトリック法(係数モデル)は、開発規模を表す指標に、生産性や難易度を表す係数を掛け合わせて見積を算出する方法です。パラメトリック法には FP法のほか 画面数・機能数モデル(企業独自係数)や COCOMO なども含まれます。

画面数、機能数、FPなどを基準に数式で計算するため、属人性を抑えやすく、説明もしやすいのが特徴です。過去の実績データが蓄積されているほど精度が高まりますが、新技術や新規事業では前提条件が崩れやすいという弱点もあります。

企画段階から要件定義前の概算見積や、複数案の比較検討に向いています。

計算例:画面数30、1画面あたり0.4人月、難易度係数1.2の場合、30 × 0.4 × 1.2 = 14.4人月。

ファンクションポイント法(FP法)

ファンクションポイント法(FP法)は、システムが提供する機能量を定量化して見積る国際的な手法です。入力、出力、照会、内部ファイル、外部インタフェースなどを評価し、機能の複雑度に応じてポイントを算出します。

技術や言語に依存しないため、客観性が高く、ベンダー比較にも向いています。一方で、評価ルールが複雑で、習熟に時間がかかる点が課題です。業務システムや中〜大規模案件でよく使われます。

計算例:算出したFPが250、1FPあたり0.08人月の場合、250 × 0.08 = 20人月。

三点見積り(PERT見積り)

三点見積り(PERT見積り)は、楽観値・最頻値・悲観値の3つを用いて不確実性を考慮する見積方法です

単一の数値ではなく、リスクを織り込んだ平均値を算出できる点が特徴です。新規事業やPoCなど、先が読みにくい案件に向いていますが、各数値の設定は経験に依存します。

計算例:(楽観10日+4×最頻15日+悲観25日)÷6=約15.8日。

専門家判断(エキスパート見積り)

専門家判断は、経験豊富なエンジニアやPMの知見をもとに見積を行う方法です。未知の技術や前例のない案件に強く、実務感覚を反映できるのがメリットです。

一方で、再現性や説明性に欠け、属人化しやすい点には注意が必要です。新技術検証や特殊案件で活用されます。

計算例:過去経験から「この規模なら3名×4か月程度」と判断し、12人月と見積る。

アジャイル向け見積り(ストーリーポイント)

ストーリーポイント見積りは、作業量を相対的な大きさで評価するアジャイル開発向けの手法です。時間ではなく難易度や不確実性を基準にします。変化に強い反面、金額換算が難しいため契約には工夫が必要です。

計算例:総ポイント100、1スプリントの消化量20ポイントの場合、5スプリント必要と判断。

プログラムステップ法(LOC法)

LOC法は、ソースコード行数を基準に工数を見積る方法です。実装量が明確な案件に向いていますが、上流工程を反映しにくい点が弱点です。

計算例:40,000行、1KLOCあたり0.9人月 → 40 × 0.9 = 36人月。

プライス・ツー・ウィン法(Price to Win)

プライス・ツー・ウィン法は、市場や顧客が許容する価格から逆算する見積方法です。受注重視の戦略案件で使われますが、採算管理が重要です。

計算例:顧客予算1,000万円 → 実現可能なスコープに調整して見積。

それぞれの見積り方法はどこの粒度で使い分けるのか?

実際のシステム開発では、見積りの粒度に応じて算出方法を使い分けるのが一般的です。

超概算見積りで使われる見積り方法

超概算見積りで使われる見積り方法は以下の表です。工程としては、企画・アイデア段階で出します。

見積り名 特徴 主な用途(見積もり段階・使われる場面)
トップダウン見積り 全体規模・予算・期間など制約条件から大まかに算出するアプローチ。 企画段階の超概算見積。経営判断、事業可否検討。
類似案件見積り(類推法) 過去の類似案件実績をもとに全体規模を推定。スピード重視。 初期提案、予算感把握の超概算見積
プライス・ツー・ウィン法(Price to Win) 市場価格・顧客予算から逆算する戦略的見積。 提案・入札時の受注重視見積
専門家判断(エキスパート見積) 経験豊富な担当者の知見による判断。柔軟だが属人性あり。 新技術・新規事業の初期判断用見積

概算見積りで使われる見積り方法

概算見積りで使われる見積り方法は以下の表です。工程としては、企画から要件定義前段階で出します。

見積り名 特徴 主な用途(見積もり段階・使われる場面)
係数モデル(パラメトリック見積り) 規模指標×係数×補正で定量化。再現性が高い。 予算策定、相見積比較の概算見積
三点見積り(PERT見積) 楽観・最頻・悲観の3値で不確実性を考慮。 PoC・不確実性の高い案件の概算見積
標準タスク法 標準作業と工数を組み合わせる簡易積み上げ。 定型案件の概算〜中精度見積
ファンクションポイント法(FP法) 機能量を定量化する客観的手法。 業務システムの概算〜準詳細見積

詳細見積りで使われる見積り方法

詳細見積りで使われる見積り方法は以下の表です。工程としては、要件定義後から開発前段階で出します。

見積り名 特徴 主な用途(見積もり段階・使われる場面)
WBS積み上げ見積り(ボトムアップ) タスクを細分化し工数を積み上げる。最も精度が高い。 契約・実行計画の詳細/最終見積
ボトムアップ見積り 詳細タスクから積み上げる考え方(アプローチ)。 要件確定後の詳細見積
プログラムステップ法(LOC法) コード行数を基準に実装工数を算出。 実装量が明確な詳細見積
アジャイル向け見積り(ストーリーポイント) 相対見積で変化に強い。 アジャイル開発の計画・継続見積

なお、実際に見積金額の基準が知りたい方もいらっしゃると思います。システム開発の費用相場については以下で解説していますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:システム開発にかかる費用はどのくらい?内訳と算出方法も解説

システム開発の見積りの内訳(工程別)

システム開発の見積りは、各工程ごとに必要な作業工数を積み上げて算出されています。実際のサンプルは以下です。

GeNEE_お見積書内訳イメージ

なお工程としては、いかが挙げられます。

・プロジェクト管理(PM)

・システム調査

・要件定義

・基本設計

・詳細設計

・UI/UXデザイン

・開発・実装

・テスト

・導入サポート

・運用・保守サポート

プロジェクト管理(PM)

プロジェクト管理費用は主に以下の細目で構成されています。

・発注者側のプロジェクトマネージャーや担当者とのやり取り

・プロジェクト全体統括及び進捗管理

・定例会やミーティング対応

・ドキュメント作成

システム開発会社によっては、プロジェクト管理費用という名目ではなく、「ディレクション費用」や「進行管理費用」としているケースもあります。開発プロジェクトを統括する「プロジェクトマネージャー」や「ディレクター」の費用と考えてください。

プロジェクトに参画するメンバーが増えると、それに比例して管理コストも膨らみます。そのため、「開発総額の〇%」というような料率で見積りを行うことが多いです。プロジェクト管理費用もプロジェクト全体の10%~15%前後が目安です。

システム調査

現行使用されているシステムの規模が大きいと、仕様確認、設計確認の作業が必要です。また市販のパッケージソフトウェアなどとAPI連携している場合には新しく開発するシステムと連携させるかなど、しっかりと確認・検証しなければなりません。

なおこの項目は、既存の開発会社から新しい開発会社に変更する場合などに必要になってくる費用です。

要件定義

要件定義は、「何を作るのか」「どこまで作るのか」を明確にする工程です。

関連記事:システム開発の要件定義とは?欠かせない要素と作り方を解説

  • 業務内容の整理

  • 機能要件・非機能要件の定義

  • 画面・操作フローの整理

  • 制約条件や前提条件の明確化

この工程が曖昧なまま進むと、後工程での手戻りや追加工数が発生しやすくなります。

手戻りや追加工数が発生させにくくさせるための費用と考えてください。

プロジェクトによって様々ではありますが、要件定義工程にかかる費用は、開発費総額の10%~15%前後になることが通常です。(1,000万円のプロジェクトであれば要件定義にかかる費用は100万円~150万円ほど)

基本設計

基本設計では、要件定義をもとに システムの全体構造や仕様を設計します。

  • 画面構成・画面遷移

  • 機能一覧・処理概要

  • 外部システム連携の方式

  • 権限・ロール設計

この工程で設計の精度が低いと、実装段階での仕様確認や修正が増え、結果的に工数が膨らむ原因になります。

詳細設計

詳細設計では、エンジニアが実装できるレベルまで仕様を落とし込みます。

  • 処理ロジックの定義

  • データベース設計

  • API設計

  • 例外処理・エラー対応の整理

基本設計よりも技術的な検討が増えるため、システムの複雑さに比例して工数が増えやすい工程です。

なお基本設計と詳細設計を合わせて、開発費総額の10%~25%の範囲に収まることが多いです。

ただ、大手金融機関で使用される勘定系システムのような大規模システムだと、設計の複雑さから開発工程と同等程度の設計費用がかかるケースもあり、あくまで参考程度です。

UI/UXデザイン

UI/UXデザイン費用は、ユーザインタフェース(実際にシステムを利用する方向けの画面)のデザイン制作にかかる費用です。UI/UXデザイン費用の細目としては、以下のようなものがあげられます。

・WF(ワイヤーフレーム)の制作

・ロゴやアイコンの制作

・デザインカンプの制作

・既存画面を前提としたUI/UX改善提案

・その他デザイン面全般の改善提案

ビジュアル的にかっこいいシステムであっても操作性や視認性が低いと利用者のユーザビリティは上がりません。使いやすくてパッと見ただけでも使い方が分からせるためにUI/UXデザイナーが配置されると思ってください。

なお、デザイン制作会社にデザインのみを依頼する場合、画面やページ数で見積りだったり、人月・人日での見積りだったりします。

開発・実装

開発工程では、設計書をもとに 実際にプログラムを実装します。

  • フロントエンド開発

  • バックエンド開発

  • 外部サービス連携

  • 管理画面の実装

見積りの中で最も工数割合が大きくなることが多く、機能数・画面数・ロジックの複雑さが金額に直結します。

通常、開発費総額の50%~60%前後がこのプログラムの開発・実装費用になります。プログラムの品質確認等をしっかり行う開発会社であれば、さらにQAテスターと呼ばれる人件費も加算されます。

なお、システムの規模感や実装する機能の難易度などによって必要な人員数、開発期間は変わりますので、精緻な見積りが必要な場合、「どのようなシステムを作りたいのか」をある程度社内で明確にし、その企画や構想をシステム開発会社に伝える必要があります。

テスト

テスト工程では、実装した機能が 仕様通りに動作するかを検証します。

関連記事:システム開発におけるテストの種類は?工程別に特徴と進め方、成果物を解説

  • 単体テスト

  • 結合テスト

  • シナリオテスト

  • 不具合修正・再テスト

  • 受け入れ試験

テスト工数は軽視されがちですが、品質を担保するために 見積りには必ず含める必要がある工程です。なおテスト費用の見積金額の目安ですが、ざっくりですが、開発費総額の5%~10%くらいになります。

リリース・導入支援

システム完成後には、本番環境への反映や利用開始のサポートが発生します。

  • 本番リリース作業

  • データ移行

  • 操作説明・マニュアル作成

  • 初期トラブル対応

運用開始直後は想定外の対応が発生しやすいため、一定の工数が見積りに含まれるのが一般的です。概ね開発費全体の1%~5%が一つの見積りの目安となります。

運用・保守サポート費用

システムが稼働した後も適切に運用・保守作業を行っていく必要があります。ここでの運用と保守とは以下です。

  • 運用:システムを安定稼働させるための、管理や監視

  • 保守:システムトラブルが発生した際の原因調査と復旧作業

運用・保守サポート費用は、内容にもよりますが、開発費総額の15%~20%です。

例えば500万円で開発したシステムであれば年間の運用・保守サポート費用は約75万円~100万円が目安です。

工程別内訳を理解することの重要性

見積り内訳を工程別に理解しておくことで、

  • なぜその金額になるのか

  • どの工程に工数が多くかかっているのか

  • 削減できる余地があるのか

といった点を冷静に判断できるようになります。

単に合計金額を見るのではなく、工程ごとの内訳を見ることが、適切な見積り判断につながります。

なお今回あげた、工数別の見積り費用の目安は以下です。必ずしもこれが正しいとは限りませんが基準としてお使いください。

開発工程 見積り目安 備考
プロジェクト管理(PM) プロジェクト全体の10%~15%前後 開発費とは分けて計上
システム調査 開発費総額の10%~15% 既存システムの改修のみ必要
要件定義 開発費総額の10%~15%
基本設計 開発費総額の10%~25%
詳細設計
UI/UXデザイン
開発・実装 開発費総額の50%~60%
テスト 開発費総額の5%~10%
導入サポート 開発費全体の1%~5%
運用・保守サポート 開発費総額の15%~20% システム開発後にかかる費用

システム開発の見積書で必ず確認すべきチェックポイント

システム開発の見積書は、金額の大小だけで良し悪しを判断すべきものではありません。工程別の内訳を理解したうえで、「この見積りが妥当かどうか」を確認することが重要です。

工程ごとの内訳が明確に記載されているか

まず確認すべきなのは、要件定義・設計・開発・テスト・管理などの工程が分かれているかです。

工程が一式でまとめられている場合、

  • どこにどれだけ工数がかかっているのか分からない

  • 後から工数増減の説明を受けにくい

といったリスクがあります。

工程別に内訳が記載されている見積書は、作業内容と金額の対応関係が明確であり、妥当性を判断しやすくなります。

要件定義・設計工程が十分に確保されているか

見積書の中で、要件定義や設計の工数が極端に少ない場合は注意が必要です。

これらの工程は、後続の開発・テストの品質や工数に大きく影響します。

初期工程が軽視されていると、仕様の認識違いや実装後の手戻り、追加費用の発生につながる可能性があります。

テスト工程が「形式だけ」になっていないか

テスト工程が見積りに含まれているか、また どこまでのテストを想定しているかも重要な確認ポイントです。

  • 単体テストのみか

  • 結合・シナリオテストまで含まれているか

  • 不具合修正・再テストが含まれているか

テスト工数が不十分な場合、リリース後のトラブルリスクが高まります。

プロジェクト管理(PM)の工数が含まれているか

見積書に プロジェクト管理工数が含まれているかも確認しましょう。

  • 進捗管理

  • 仕様調整

  • 課題・リスク対応

これらが含まれていない場合、実際には別途費用が発生する、または品質が下がる可能性があります。

見積りの前提条件・対象範囲が明記されているか

見積書には、「何を含み、何を含まないか」が明記されている必要があります。

  • 対応範囲(機能・画面・連携)

  • 対象外事項

  • 前提条件(要件確定時期、体制など)

前提条件が曖昧なまま契約すると、追加費用の発生要因になりやすいため注意が必要です。

見積りの粒度(概算・確定)が明示されているか

その見積りが、概算見積りなのか、確定見積りなのかを必ず確認しましょう。

粒度が明示されていない場合、

  • 金額が変動する可能性があるのか

  • どの段階で再見積りされるのか

が不明確になります。

見積り金額が変動する条件が示されているか

見積り金額が変わる条件について、事前に説明があるかどうかも重要です。

  • 機能追加や仕様変更

  • 外部連携の増加

  • 想定外の調整工数

これらが発生した場合の扱いを把握しておくことで、後からのトラブルを防ぎやすくなります。

見積り内容について説明・質疑ができるか

見積書の内容について、なぜこの金額なのか、どこの工数がかかっているのかを説明してもらえるかも重要な基準です。質問に対して明確な説明が返ってくる場合、見積りの根拠が整理されている可能性が高いと言えます。

見積書チェックのポイントまとめ

見積書を確認する際は、「金額」ではなく「構造」を見ることが重要です。

  • 工程別に分かれているか

  • 初期工程・テスト・管理が含まれているか

  • 前提条件や粒度が明確か

これらを確認することで、見積りの妥当性を冷静に判断しやすくなります。

な見積書の見方とあわせて、開発会社の選び方も重要です。開発会社の選び方は以下の記事で解説していますのでぜひご覧ください。

関連記事:システム開発会社おすすめ19選と費用相場を解説

システム開発の見積り金額が変動する理由

システム開発では、最初に提示された見積り金額が途中で変わるケースは珍しくありません。これは不透明な理由ではなく、システム開発特有の構造的な要因によって起こります。ここでは、見積り金額が変動する主な理由を整理します。

見積り段階と精度が異なるため

システム開発の見積りには、超概算・概算・確定といった精度の段階があります。初期段階で提示される見積りは、要件が固まっていない前提で算出されるため、後工程で金額が変動する余地が残ります。

これは「見積りが甘い」のではなく、前提条件が変化することを織り込んだ見積りであるためです。

要件定義の進行によって工数が確定するため

要件定義が進むにつれて、

  • 実装すべき機能の詳細

  • 画面数や処理フロー

  • 例外ケースや制約条件

が明確になります。

その結果、当初想定していなかった工数が発生し、見積り金額が増減することがあります。

機能追加・仕様変更が発生するため

開発途中で、

  • 「この機能も必要だった」

  • 「運用を考えると仕様を変えたい」

といった要望が出ることはよくあります。

これらはプロジェクトにとって自然な変化ですが、追加作業が発生すれば工数も増えるため、見積り金額に影響します。

見積り時点で想定していなかった要素が判明するため

システム開発では、実際に設計・実装を進めて初めて判明する事項もあります。

  • 外部システムとの連携仕様

  • セキュリティ要件

  • パフォーマンス要件

これらは初期段階では見えづらく、判明した時点で工数が再評価されることがあります。

非機能要件の影響が後から明確になるため

機能要件だけでなく、非機能要件(性能・セキュリティ・可用性など)も見積り金額に大きく影響します。非機能要件は要件定義の後半で整理されることが多く、その結果、工数が追加されるケースがあります。

開発体制・進め方の変更が発生するため

プロジェクトの途中で、開発体制の変更やスケジュールの短縮、並行開発の増加などが発生すると、必要な人員や調整工数が増える場合があります。

リスク対応・品質確保のための工数が追加されるため

開発が進むにつれて、リスク対策や、品質向上ための対応、想定外トラブルへの対処が必要になります。これらはプロジェクト成功のために不可欠ですが、初期見積りに含まれていない場合、追加工数として反映される可能性があります。

見積り金額の変動を防ぐためにできること

見積り金額の変動を完全になくすことは難しいですが、以下の点を意識することでリスクを抑えることができます。

  • 見積りの粒度(概算・確定)を正しく理解する

  • 要件定義を丁寧に行う

  • 変更時のルールを事前に確認する

  • 前提条件・対象範囲を明確にする

見積り変動は「構造的に起こりうる」

システム開発における見積り金額の変動は、偶発的なものではなく、構造的に起こりうるものです。

その仕組みを理解しておくことで、見積りに対する不安や不信感を減らし、より建設的なプロジェクト進行が可能になります。

よくある質問(FAQ)

ここではよくいただく質問について回答していきます。

Q1. システム開発の見積りは、どのタイミングで確定しますか?

システム開発の見積りは、要件定義が完了し、仕様が確定した段階で確定見積りとなるのが一般的です。企画段階や要件整理前の見積りは、概算見積りとして捉える必要があります。

Q2. 見積り金額が後から上がるのは普通のことですか?

はい、珍しいことではありません。
要件の具体化や仕様変更によって工数が増減するため、見積り金額が変動することはシステム開発では一般的です。

Q3. 複数社の見積り金額が大きく違うのはなぜですか?

開発体制、単価、想定している作業範囲や前提条件が異なるためです。金額だけでなく、見積りの内訳や前提条件を比較することが重要です。

Q4. 安い見積りを選ぶと問題がありますか?

必ずしも問題があるとは限りませんが、要件定義・テスト・プロジェクト管理が十分に含まれていない場合、後工程での追加費用や品質低下につながる可能性があります。

Q5. 見積書で「一式」と書かれているのは問題ですか?

内容が説明されていれば問題ない場合もありますが、工程や作業内容が不明確な場合は注意が必要です。工程別に内訳が示されている見積書の方が妥当性を判断しやすいと言えます。

Q6. 見積り段階で準備しておくとよい情報は何ですか?

  • 実現したい機能の概要

  • 想定ユーザー数

  • 運用方法

  • 外部システム連携の有無

これらを整理しておくことで、見積り精度を高めることができます。

Q7. 見積り金額を抑えるためにできることはありますか?

要件を整理し、優先順位を明確にすることが有効です。また、段階的に開発を進めることで、初期費用を抑える選択肢も検討できます。

まとめ

システム開発の見積りや進め方について、「この内容で妥当か判断してほしい」「第三者視点で確認したい」といったご相談も承っています。

要件整理や見積り精査の段階からのご相談も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

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監修者
斎藤裕一
斎藤裕一
取締役
<略歴>

大阪大学工学部、大阪大学大学院情報科学研究科修了。
国内最大手IT企業の株式会社NTTデータで大手金融機関向けに債権書類電子化システム、金融規制・法規制対応システムの要件定義・インフラ設計・開発・構築・複数金融サービスのAPI連携等を手がける。その後、株式会社GeNEEの取締役に就任。

<資格>

基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、Oracle Master Platinum等多数

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