
本記事では、Google Cloud Platformと呼ばれる三大クラウドサービスの一つであるGCP(以下、GCPとします。)について、その導入メリット・デメリットにについて詳しく解説していきます。また、GCPが提供するさまざまなサービスの中でも、アプリ開発やシステム開発で特に必須となるサービスを8つに厳選して紹介します。
さまざまなシステム・アプリケーションを初期投資を抑えて構築可能なクラウドコンピューティングサービスは、今や企業のDX推進に欠かせない存在といっても過言ではないでしょう。そんなクラウドコンピューティングの中で高度なデータ分析と機械学習を実現させているクラウドサービスの一つがGCP です。
GCP / ジーシーピーとは

GCP は、多国籍テクノロジーコングロマリット、Alphabet Inc.傘下にあるGoogle LLCが提供しているクラウドコンピューティングサービスです。
クラウドコンピューティングサービスとは、クラウド上でWebサーバーやデータストレージなどのコンピューティングリソースを提供しているサービスのことです。数あるクラウドコンピューティングサービスの中でもGCPは、カスタマイズ性とスケーラビリティに定評があります。
またGCPは、先進的なデータ分析機能とAIツールを備えています。高度なセキュリティとコンプライアンス基準を満たし、同時に効率的なシステム開発、アプリ開発の環境を提供しています。これにより、さまざまな規模や業種の企業がそれぞれのビジネスニーズに合わせてGCPのサービス利用が可能です。
GCP導入のメリット

GCPには大きく次のようなメリットがあります。
- ・コスト効率とスケーラビリティの最適化
- ・先進的なデータ分析とAIツールがある
- ・高いセキュリティとコンプライアンス
- ・ 効率的なアプリ開発が可能
コスト効率とスケーラビリティの最適化
GCPを導入する最大のメリットの一つは、コスト効率とスケーラビリティの最適化です。GCPでは、使用したリソースに応じて料金が発生するため、必要以上のリソースを割り当てる必要がなく、コストを抑えることができます。また、ビジネスが成長するにつれて、必要に応じてリソースを拡張・縮小できるため、企業は常に最適な状態でシステムを運用することが可能になります。これにより、初期投資を抑えることができます。
先進的なデータ分析とAIツールがある
GCPは先進的なデータ分析とAIツールを搭載しており、これにより企業はデータを活用して意思決定を行うことが可能になります。例えば、顧客データの分析を通じてカスタマイズされたマーケティング戦略を立てたり、市場のトレンドを予測して新たな製品開発の機会を見出すことができます。また、効率的な在庫管理や運用の最適化にも役立ち、コスト削減と業務の効率化を実現します。
高いセキュリティとコンプライアンス
GCPは、Googleの高度なセキュリティ対策と厳しいルールに基づいています。これにより、企業が扱うデータの安全性とプライバシーがしっかり守られます。さまざまな業界の基準や法律にも対応しているので、企業は安心してGCPを使えます。例えば、お金の取引を扱う銀行や、患者の情報を扱う病院など、セキュリティが特に重要な業界にとって、GCPは安全なデータ管理の強い味方となります。
効率的なアプリ開発が可能
GCPは、アプリ開発を手軽かつ迅速に行うためのサポートを提供します。たくさんの便利な開発ツールと使いやすい環境が整っているため、開発者は素早くアプリを作り、すぐに使えるようにできます。さらに、GCPの強力なコンピューティング能力を使って、多くのユーザーが同時に使うような大規模アプリもスムーズに動かせます。例えば、オンラインショッピングアプリやソーシャルメディアアプリのような、多くのアクセスがあるアプリも、GCPを使うことで素早く市場に出すことができ、ビジネスの成長を早めることが可能です。
GCP導入のデメリット

GCPには次のようなデメリットがあります。
- ・(AWSと比較して)日本語ドキュメントが少ない
- ・(AWS, Azureと比較して)サービスが少ない
- ・(AWS, Azureと比較して)保持しているリージョンが少ない
日本語ドキュメントが少ない
GCPを利用する際の一つの問題点は、日本語でのドキュメントが限られていることです。多くの情報が英語で提供されており、日本語ユーザーにとっては情報の取得や理解が難しくなる場合があります。特に、技術的な詳細や最新の機能アップデートについては、英語の情報が先行し、日本語訳ができるまで時間がかかることがあります。そのため、日本語を母語とする開発者や企業にとっては、GCPの全ての機能を理解し利用するのに余分な時間が必要になり、使い始めるのが難しくなることがあります。
サービスが少ない
GCPは、他のクラウドコンピューティングサービスと比較して、提供されるサービスの種類が若干少なめです。例えば、ブロックチェーン技術や特定の業界特有のツールなど、特定のニッチな分野での専門サービスが不足していることがあります。これにより、これらの特殊な用途を持つビジネスにはGCPが最適でない場合があります。
リージョンが少ない
GCPのデータセンターは、他の大手クラウドコンピューティングサービスに比べて場所の選択肢が少ないです。これは、特に低遅延でデータにアクセスしたい企業や、災害時のデータ保護を重視する企業にとって不便な点です。特にアジア太平洋地域、日本を含む地域では、データセンターの選択肢が限られており、ビジネスの運用や災害復旧計画に影響を与えることがあります。
GCPの主なサービス

ここからは、アプリ開発やシステム開発で特に必須となるGCPの主なサービスを紹介します。
Compute Engine
Compute EngineはGCPの仮想マシンサービスで、柔軟性とスケーラビリティが特徴です。ユーザーは、必要に応じてリソースを調整し、様々なコンピューティングニーズに対応できます。例えば、小規模なウェブサイトから、大規模なデータ処理タスクまで、幅広い用途に利用可能です。また、カスタマイズ可能な仮想マシンと自動スケーリング機能により、コスト効率の良い運用が可能になります。
App Engine
App Engineは、アプリケーション開発とデプロイのためのフルマネージドなPaaSサービスです。開発者はインフラの管理に気を取られることなく、アプリケーションのコーディングに集中できます。例えば、ウェブアプリケーションやモバイルアプリのバックエンドとして利用され、自動スケーリングや統合されたモニタリングとデバッグツールにより、効率的な開発プロセスをサポートします。
Cloud Storage
Cloud Storageは、高い耐久性と可用性を備えたオブジェクトストレージサービスです。データのバックアップ、アーカイブ、大規模なデータセットのストレージなど、多様な用途で利用されます。例えば、ウェブサイトのコンテンツ配信や、ビッグデータ分析のためのデータレイクとして活用されることがあります。
BigQuery
BigQueryは、大量のデータに対する高速なSQLクエリ実行が可能なフルマネージドなデータウェアハウスサービスです。例えば、ビジネスのデータ分析やリアルタイムアナリティクスに利用され、膨大なデータセットに対して迅速なインサイトを提供します。
Cloud Functions
Cloud Functionsは、イベント駆動型のサーバーレスコンピューティングサービスで、コードの実行をトリガーに応じて自動化します。例えば、ファイルのアップロード時に自動的に処理を行ったり、APIリクエストに応じて即時に関数を実行するなど、多様な用途に対応します。
Kubernetes Engine
Kubernetes Engineは、コンテナ化されたアプリケーションのデプロイ、管理、スケーリングを簡素化するマネージドKubernetesサービスです。例えば、マイクロサービスアーキテクチャのアプリケーションを簡単にデプロイし、自動化されたローリングアップデートやセルフヒーリング機能により、高い可用性を保ちます。
Cloud Firestore
Cloud Firestoreは、リアルタイムデータベースサービスで、ウェブやモバイルアプリケーションのデータストレージと同期を簡単にします。例えば、リアルタイムのチャットアプリケーションや、動的なコンテンツを持つウェブサイトに利用され、データのリアルタイム更新を実現します。
Cloud Pub/Sub
Cloud Pub/Subは、メッセージ指向のミドルウェアを提供するサービスで、アプリケーション間でのデータのやり取りを簡単にします。例えば、分散システム内でのイベント通知や、データストリームのパイプライン処理に活用され、大規模なアプリケーションの構築をサポートします。
GCPと主要クラウドプラットフォームとの違い

アプリケーション開発で使われる主要なクラウドプラットフォームには、GCP以外にAWS(Amazon Web Services)とAzure(Microsoft Azure)があります。ここからは、GCPとAWS、GCPとAzureの相違点について紹介します。
GCPとAWSの相違点
GCPとAWSはそれぞれ異なる特長があります。GCPはGoogleの強力なデータ分析ツール、例えば「BigQuery」や機械学習サービス「TensorFlow」を前面に押し出しています。これらはデータを活用して有益なデータを得たり、高度な機械学習モデルを構築するのに適しています。一方、AWSは「Amazon S3」や「Amazon EC2」など、より広範なサービスラインナップを提供しており、特に大規模な企業向けの要求に応える機能が豊富です。例えば、GCPにはない「AWS Blockchain Templates」のようなブロックチェーン関連サービスや、「Amazon Chime」のようなビジネスコミュニケーションツールが含まれています。これにより、AWSは大規模な企業や多様なビジネスニーズを持つ企業にとって魅力的な選択肢となっています。
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AWSについて、より詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
関連記事:AWSとは?導入のメリット・デメリット、アプリやシステムの開発で必須のサービスを解説
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GCPとAzureの相違点
GCPとAzureはそれぞれ異なる特長があります。Azureは、特にMicrosoft製品との統合性に優れており、Windows Server、SQL Server、Active Directoryといったサービスとのシームレスな統合が可能です。これは、既にMicrosoft製品に依存している企業にとって大きな利点となります。一方で、GCPはGoogleの先進的なAIと機械学習技術を活用したサービスが特長で、これらの分野で最先端の技術を利用したい企業に適しています。例えば、Azureは企業の既存のITインフラとの統合が容易な一方、GCPはビッグデータ処理や機械学習のプロジェクトにおいて強みを発揮します。
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Azureについて、より詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
関連記事:Azure / アジュールとは?導入のメリット・デメリット、アプリやシステムの開発で必須のサービスを解説
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まとめ
GCPとは、Googleが提供しているクラウドコンピューティングサービスです。このプラットフォームは、コスト効率とスケーラビリティに優れ、データ分析とAIツールを提供しています。また、高いセキュリティとコンプライアンスを保ちながら、効率的なアプリ開発が実現可能です。これにより、GCPは様々なビジネスニーズに適応する強力なサービスを提供しています。
本記事で解説した以下のサービスは、GCPでアプリやシステムを開発する上で必須とも言えるサービスです。
- ・Compute Engine
- ・App Engine
- ・Cloud Storage
- ・BigQuery
- ・Cloud Functions
- ・Kubernetes Engine
- ・Cloud Firestore
- ・Cloud Pub/Sub
アプリ開発やシステム開発にGCPを活用することで、最先端の技術であるAIを取り入れつつ、コスト削減を実現し、素早くシステムを立ち上げられます。
GCPには他にも多様なサービスが数多く用意されており、それぞれのプロジェクトのニーズに応じて選択・組み合わせることが可能です。
システム開発やアプリケーション開発では、そのニーズや環境によって適切なライブラリやフレームワークを採用することが成功の鍵となります。
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慶応義塾大学経済学部、慶応義塾大学大学院・慶応義塾大学ビジネススクールMBA(経営学修士取得)卒業。
大手目がベンチャー企業の株式会社ディー・エヌ・エーで国内利用者数約200万人のメガヒットアプリ、マンガボックスアプリをゼロベースから開発。その後複数の大手企業を経て、株式会社GeNEEの取締役に就任。
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